先日自民党武藤貴也議員がこんなツイートをして話題になりました。
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本人のツイート

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この「戦争をしたくないなら中国や朝鮮に言え」という論理は、愛国カルトが非常によく使う論理です。愛国カルト代表の井上太郎はもちろんそう主張していますし、武藤発言を称賛する人までいます。
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しかし彼らは根本的に勘違いしています。

安保反対デモなどに参加している人たちは、日本が自ら戦争に参加することを恐れているのです。他国に攻撃されなくても、集団的自衛権を根拠にベトナムや湾岸のような戦争に参加することになるのではないか、それを恐れて反対しているのです。日本が戦争を仕掛けられていないのに戦争に参加することを恐れているのです。

武藤や井上ら愛国カルトは、中国なり朝鮮なりが仕掛けてこない限り戦争になることはないのだと言います。だったら自分たちが中国大使館や朝鮮総連前で戦争反対デモをやったらどうですかね?
彼らは根本的に集団的自衛権が何かを理解していないのではないかと疑いたくなります。

この手の論理は愛国カルトが実によく好むもので、核武装論者櫻井よしこ氏は、よりにもよって8月6日広島こんな講演をして9条を否定しています。
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櫻井氏は「憲法が外国まで規制できると誤認した日本の反核平和運動」などと書いていますが、そんな主張をしている奴はいません。完全に脳内左翼主張です。

櫻井氏は「憲法9条は中国軍拡も北の核兵器も止められなかった」と書いていますが、当たり前です。日本国憲法は日本の行動を縛るものであり、外国の行動を縛るものではありません。事実として、日本は朝鮮戦争にも、ベトナム戦争にも、湾岸戦争にも参加してきませんでした。戦後70年間一人の戦死者も出していないのに、「反核平和70年」のどこが「失敗」なんですかね? 

逆に、櫻井氏は9条がなければ中国の軍拡や朝鮮の核開発を止められたとでも思っているのでしょうか? 日本以上に明確に北朝鮮と対立している韓国は北朝鮮を上回るだろう軍隊を持っていますし、集団的自衛権も自民党の言うところの「フルスペック」で行使可能です。ではそれは中国や北朝鮮が軍拡や核保有を止めましたか? 

櫻井氏は「憲法が外国まで規制できると誤認した日本の反核平和運動」などと批判していますが、先ほども言った通り「憲法が外国まで規制できる」なんて考えているバカは櫻井氏の脳内以外のどこにもいません。「9条は中国朝鮮を止められなかった」と言い、「反核平和70年」を「失敗」と呼ぶということは、櫻井氏は「9条がなければ中国朝鮮を止められていた」と考えていないと論理が成り立ちませんが、それこそ「日本の憲法が外国まで規制できる」と考えていることになります。自己矛盾もいいところです。

愛国カルトはこのように、あたかも世界が日本中心に動いているかのような考え方をします。何でもかんでもすぐに「親日」だの「反日」だの言い、日本の一挙手一投足に世界が注目していると思い込んでいます。こんなんだから「9条は中国北朝鮮を止められなかった」なんて発想になるのでしょう。
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(↑「世の中なんて、反日か親日かのどっちか」だと日本中心の考えをする愛国カルト(参照)) 

さらに、この講演には百地章氏も参加しています。この百地氏というのは、自民党菅官房長官が挙げた「安保法案は違憲ではないという著名な憲法学者もたくさんいる」として挙げた学者の一人です。もちろん菅官房長官が「たくさんいる」と言ったのは嘘であり、その後「数ではない」と言い直すのですが(以前の記事参照)、こんな講演に出ているあたり、百地氏がどういう人物なのか想像できます。

戦争というものは、いつだって相手のせいにして始まるものです。太平洋戦争だって日本は「アメリカのせいで戦争になった」と言ったものです。自国政府の行動に対する批判が出た時に「文句は外国に言え」という論理が出たら、我々はなお一層自国政府の行動が正しいのかどうか真剣に考える必要があるでしょう。それが日本が70年前の戦争で得た経験の一つであるはずです。

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