上念司が、客観性の全然ない、思い込みの激しい人だというのは以前も紹介しました。

今回は、そんな上念氏の、震災を利用して原発推進しようとする、火事場泥棒的な卑怯な論法を紹介したいと思います。

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IRONNA


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原発反対を「イデオロギー」としてしかとらえられない上念氏

先日の熊本の地震の後、「川内原発を止めろ」という意見が多くみられました。それについて上念氏は、

「火事場泥棒に気をつけよ! 原発停止を煽る『中央構造線のウソ』」


という少々センセーショナルな見出しをつけて、地震を反原発というイデオロギーに利用している、と非難しています。

私に言わせれば、もともと反原発派は「地震が起きたらどうするんだ」という理由で原発に反対している人が大勢いますし、「地震を反原発イデオロギーに利用している」という批判は的外れ極まりないと思うのですが、上念氏の脳内では、原発反対派は、安全性ではなく、「原子力反対」というイデオロギーで言っているだけという認識なのでしょう。福島を見れば、地震を理由に原発に反対するのは、当然の反応だと思うんですけどね。

・ここぞとばかりに原発反対派を叩いて勢力拡大を図る上念氏


上念氏は、以下のような激しい言葉で「反原発勢力」を叩いています。


>>民進党も共産党も、震災の被害に遭われた方の救援や復興などにはまったく関心がないのかもしれない。一連の騒動から見るに、彼らはパニックを利用して党勢を拡大することしか考えていないのではないか?そのためには人を騙したり、嘘の情報を流したりしても、良心の呵責を感じないばかりか、きっとなんとも思わないのだろう。人の不幸に便乗して、自分の勢力拡大に利用しようとしているなら、まさに最低な連中と言わざるを得ない。 


>>最近、パワーの低下が著しい反原発勢力も今回の地震で調子に乗り始めた。共産党や民進党と同じく、デタラメな情報を流して人々を混乱させ、あわよくば勢力拡大に利用しようとしている。地震発生直後から鹿児島県の川内原発を停止せよという主張がSNS上に流れてくるが、どれもが事実無根の雑な内容ばかりだ。

>>極めて単純な話だが、もしいま九州全域が電力不足に陥れば、震災の復興が遅れる。そして、被害はむしろ拡大し、その悪影響は九州全域ばかりか、日本全国に広がる。彼らは菅直人のように被害を拡大して日本を経済的に動揺させ、勢力拡大に利用できればそれでいいのだろう。しかし、大多数の日本人にとってそれは極めて迷惑な話だ。



上念氏は、原発反対を訴えるのは「事実無根な雑な内容」で「人を騙したり」「嘘の情報を流したり」して、「自分の勢力拡大」を図るだけの「最低な連中」だと非難していますが、私に言わせれば、上念氏こそ、まさに事実無根な雑な内容で人を騙したり嘘の情報を流したりして、自分の勢力拡大拡大を図っていると言わざるを得ません。


・嘘の情報で不安をあおる卑怯な上念氏


上念氏が人を騙したり嘘の情報を流したりして、自分の勢力拡大を図っているだけとだという証拠が、

>>きわめて単純な話だが、
>>もしいま九州全域が電力不足に陥れば


という部分です。

あたかも川内原発が止まると、九州全域が電力不足に陥るかのような言い方ですが、もちろんのこと大嘘です。

ちょっと考えてみれば分かりことですが、2011年から2015年までの約4年間、川内原発は止まっていたのです。それでも九州が電力不足に陥ったということはありませんでした。

きわめて単純な話ですが、仮に川内原発を止めても、「九州全域が電力不足に陥る」なんてことはないのです。電気が割高になりことはあるかもしれませんけどね。

上念氏こそ、「雑な内容で人を騙したり嘘の情報を流したり」しているのですが、さらにここぞとばかりに「民進党」「共産党」の名を出し、民主党政権にも言及し、「(川内原発を止めたら)九州全域が電力不足に陥る」という嘘を用いて、彼らが大衆のことを考えておらず、原発推進派こそが被災地のことを考えているのだ、とアピールするのは、上念氏の真の関心事が被災地ではなく、自分が支持する自民党の勢力拡大にあると言って差し支えないでしょう。


「嘘の日本地図」という嘘をつく上念司


さらに、上念氏は、原発反対派が「嘘の日本地図」を用いて、原発反対を訴えていると非難します。

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上念氏は、「健康になるためのブログ」というブログに載っている地図を、「ウソの中央構造線を書き込んだニセ日本地図」だと言います。

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↑上念氏が「ウソの中央構造線」「ニセ日本地図」と非難している地図


>>まるで川内原発が中央構造線の真上にあるかのような書き方である。
>>しかし、実際に中央構造線はそんなところを通っていない。

と述べた上で、中央構造線博物館ではこうなっている、と地図を引用します。

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って、これ、「地体構造区分」であって、「中央構造線」の地図やないやんけ!

いや、まあそりゃ構造区分に沿って構造線が流れているのは当たり前なんで、大した違いはないっちゃないんですが、引用するなら、中央構造線そのものの地図の方がよいでしょう。

というわけで、中央構造線そのものの地図は、こうなっています。

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中央構造線博物館HP

あれ?

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同じじゃないか、これ?



上念氏は「ウソの中央構造線」が書き込まれた「ニセ日本地図」と言っていますが、上念氏自身が引用している中央構造線博物館のHPにある地図に書き込まれた中央構造線と同じにしか見えません。

私は上念氏が、一体何をもって「ウソの中央構造線」などと言っているのかわからないのですが、これ、上念氏が何を言っているのかお分かりの方がいらっしゃったら教えてください。

上念氏は、一番近い活断層でも30キロ離れているとか、地震が起きれば自動で停止するとか、東日本大震災後の新基準で全電力喪失になっても大丈夫だ、と主張します。

しかし、福島第一原発だって、「全電力喪失は起こり得ない」と言われていたのです。大地震が来ると、「想定外」という発言が出てくるのですから、「新安全基準に照らし合わせて安全です」というのは、安全神話にすがり続けているだけでしょう。


原発反対派は被災地のことを考えていないと煽る上念司


そして、最後に上念氏はこう結びます。


>>やはり、何をどう考えても川内原発を止める理由は見当たらない。
>>避難している人にとって、夜に明かりが点灯することで
>>どれほどの安心が得られるか考えてみてほしい。
>>どうしても川内原発を止めたい人は、
>>被災地復興への思いを共有していないのかもしれない。
>>ウソの情報を拡散して、火事場泥棒的に勢力拡大を図ろうとする
>>邪な集団には注意したいものである。



でたらめもいいところです。


まず、「非難している人にとって、夜に灯りが点灯することで、どれほどの安心が得られるか考えてみてほしい」などと、あたかも川内原発を止めたら、夜に灯りもない生活になるかのように煽っていますが、大嘘であることはすでに述べました。川内原発が止まっていた2011年から2015年までの4年間、九州では夜に灯りがなかったとでも言うんですかね?

さらに、「川内原発を止めたい人は、被災地復興への思いを共有していないのかもしれない」とまで中傷。そもそも、川内原発がなければ夜に灯りもないとか、復興できないとかが大嘘なのですから、この主張は成り立つわけもありません。むしろ、被災地の安全や安心を考えればこそ、万が一に備えて川内原発を止めるべきだ、と主張することもあるはずです。

愛国カルト(ネトウヨ)の特徴に、自分を「愛国者」と見なすあまり、自分に逆らうものを「反日」認定するというものがありますが、上念氏も全く同じです。自分に逆らうものは、「被災地復興を考えていない」「勢力拡大を狙うだけ」と決めつけているのです。考え方は、愛国カルトと何一つ変わらないと言っていいでしょう。


議論のすり替えに騙されるな


このように、自分の主張をして、それに反対されると、「愛国心がないのか」とか「被災地のことを考えていないのか」とか、極端なことを言って、自分の主張を正しく見せかけようという手法は、ずっと昔から行われてきた手法です。

漫画や映画に出てくる不良グループや暴走族が、敵対勢力に「殴り込みをかけよう」というときに、「殴り込みなんてやめた方がいい」という意見が出たら、「お前、腰抜けか」「お前にはチームに対する想いはないのか」などと言って、反対意見を抑え込もうとするのを連想させます。

愛国カルトが在日朝鮮人を批判して、それに対して「その論理はおかしい」と批判すると、「この反日め」と言ってくるのとも同じです。手法や論理の問題を、「愛国心」だの「仲間意識」だのにすり替えているのです。

「被災地に灯りがともるのがどれだけ安心をもたらすか」のような情に訴えるだけでなく、あたかも川内原発がなければ被災地に灯りもともらないかのような大嘘の議論でミスリードするなど、卑怯極まりないと言わざるを得ません。


>>ウソの情報を拡散して、火事場泥棒的に勢力拡大を図ろうとする
>>邪な集団には注意したいものである。



この上念氏の最後の一文には大いに同意します。だからこそ、嘘の情報を拡散して、火事場泥棒的に勢力拡大を図ろうとする上念司氏のような邪な勢力には、大いに注意したいものです。


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