先日、「舛添要一、在日認定される」という記事を書きました。相変わらず、「朝鮮飲み」など典型的なネットde真実」にすぎず、よくもまあ、こんなことで騒がる人がいるものだ、と驚かされます。

ところが、読者から、こんなコメントが届きました。

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 >>舛添は自分の母親のことをオモニと呼んでることを知らんのかね ここの人たちは。


おお! 舛添氏は、自分の母親のことをオモニ(韓国語で母の意味)と呼ぶとな! これは面白くなってきました。早速、この情報源を探ってみましょう。

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「舛添オモニ発言」の発信地は保守速報


「舛添 オモニ」で検索してみました。トップに出てきたのは…

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保守速報!!



ああ、いきなりオチになっちゃいましたね。

正確には『保守速報』が「発信地」かどうかわかりませんが、トップに出てくるということは、この「舛添オモニ発言」を広めた中心にいるのでしょう。

『保守速報』なんてデマ発信の中心地みたいなものをありがたがってる人って、何考えて生きてるのかわかりませんが、内容を見てみましょう。

驚いたことに、この『保守速報』の記事は2014年に書かれているんですね。前回の「朝鮮飲み」の記事も2014年でしたので、舛添要一の在日認定って、今回の騒動で降ってわいたわけじゃないってことですね。

「嫌いなやつは とりあえず在日」

ネット右翼のキーワードですね。

余談


余談ですが、2016年6月30日現在、「舛添」でグーグル検索しますと、 「他のキーワード」のところに「舛添 帰化」というのが表示されます。いやあ、ネトウヨ妄想情報が、こんなにも浸透しているんですね。嫌になりますねえ。日本はどうなってしまうのやら。

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「韓国と相互理解を深めよう」というのが「気持ち悪い」という保守速報


さて、その『保守速報』の内容を見てみますと、こんなふうに書かれておりました。

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>>舛添の本、図書館で見てきた
>>オモニってマジで書いてあった。

>>この本、色々気持ち悪いことが書いてあった。

>>「日本人は韓国人を見習うべき」
>>「ハングルの勉強に励んでいますし、韓国への造詣を深めることに喜びを感じています」
>>「おふくろの味を、韓国南部の家庭料理のなかに発見」
>>「福岡を起点に考えると、ソウルの方が東京より近いのです」
>>「歴史の一時期の不幸な体験を乗り越えて、この隣国同士がもっと相互に理解を深めていくべき」


この本は『私の原点、そして誓い―遠距離介護五年間の真実』(2008年)という本らしいです。私はそれを読んでおりませんが、それにしても、「歴史の一時期の不幸な体験を乗り越えて、この隣国同士がもっと相互に理解を深めていくべき」という、至極当たり前のことばさえも、「気持ち悪い」と感じる人がいるんですね。

韓国にも、「日本と仲良くしよう」と言うと「売国奴」のように言う韓国版ネトウヨがいるようですが、隣国同士のいがみ合いは、そういう人たちが求めて起こしているように思えます。

国語力が欠如している愛国カルト


さて、肝心の「オモニ」発言ですが、ここで登場するようです。

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非常に小さくて読みづらいですが、書き起こしますと、こうなります。

>>「以前から、お隣の韓国の京畿道の知事さんが、一度訪ねてきてはどうかと言ってくれていましたので、ご厚意に甘えることにしました。舛添家発祥の地は福岡県ですが、我が家は先祖代々朝鮮半島とはゆかりが深く、後で紹介しますが、私の父は自分の選挙ビラにハングル(朝鮮文字)でルビを振った最初の日本人だったようです。

>>そんな縁で、私自身もハングルの勉強にいそしんでいますし、韓国への造詣を深めることに喜びを感じています。私は韓国には何度も足を運んでいますが、妻を連れて行って二人で韓国文化のすばらしさに直接触れることができるのは、また格別です。

(略)

>>あのときの旅ほど、韓国の友人たちの心温まるもてなしを嬉しく思ったことはありません。韓国の方々の、目上を敬い、良心、そして祖先を敬愛する思いやりの心には、今の日本人は見習う必要があります。特に、『オモニ(母)』への情は、日本人よりも韓国人の方が強く、私の母への思いも、彼らの方がよくわかってくれるような気がします」




「オモニ」発言発見!!

って、韓国文化の文脈の箇所じゃないか!!!




これ、韓国の人たちは両親や先祖への思いが強いっていう韓国文化の話題の文脈の中で、「韓国の文化の中での『母』」ということを述べる際に、「オモニ」という韓国語を用いているだけじゃないですか。しかも、ちゃんと鍵カッコつきで。

日本語の「母」と韓国語の「オモニ」は、文化的な意味づけがことなるから、それを表現するために、韓国語をそのままもちいたわけでしょう。

こんなこと、物書きなら誰だって似たような手法は用いますよ。例えば、海外のアニメオタクは、日本語の「かわいい」と英語の cute は意味合いが別だと感じますので、日本の女の子を指して "She is cute." ではなく "She is kawaii." なんて言いますよ。(She is kawaii.で検索してみよう)

これで、「舛添は本当に『オモニ』って言ってた」って在日認定するって、どれだけ頭悪いんですか? どれだけ国語力ないんですか? こんなにも国語力ない人たちこそ、本当に日本人ですか? 少なくとも、日本の義務教育が身についているとは言い難いですね。

そんな国語力で、「舛添は母親をオモニと呼ぶ」なんてばらまく、信じがたいほど頭の悪い人が、世の中にはいるんですね。本当に、どういう教育を受けてきたのでしょう?

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(↑一例。これでブログタイトルが『ねぇ知ってたあ?』って、知らねえよ(笑)! っていうか、そんな事実ねえよ!)


そして、今回このブログのコメント欄には、こういうデマを鵜呑みにしただろう人から、「舛添は自分の母親をオモニと呼ぶ」と書き込まれました。

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「舛添は自分の母親のことをオモニと呼んでること知らんのかね」って、そんなこと舛添本人さえ知らないよ(爆笑)


「舛添が辞書の中で『オモニ』という言葉を使った」

が、伝言ゲームで

「舛添は自分の母親をオモニと呼ぶ」

になっちゃったみたいですね。こうしてデマは生まれる、という、分かりやすい例ですね。

「知らんのかね」なんて「ここの人達」(このブログの読者)を情弱であるかのように見下していますが、こんな頭の悪いデマに騙されている自分の情弱ぶりをまず嘆くべきですね。

情報ってのは、知ってりゃいいもんじゃないんですよ。「知らない」人より、こんな程度の低いデマ情報を鵜呑みにする、情報処理能力の低い人こそ、「情報弱者」であると言えるでしょう。


愛国カルトにならないために、まず、日本人として最低限身につけておくべき国語力は身につけておくべきでしょうね。「愛国者」なら、日本語ぐらい正しく理解できるようになりましょう。すくなくとも、この文脈で「オモニ」って出てきて、「舛添は著書に本当に『オモニ』って書いてる」って騒いだり、まして、「舛添は自分の母親を『オモニ』って呼ぶ」なんて解釈をしない程度の国語力はほしいですね(笑)。

[補足] まとめサイト経営に手を貸さないよう気をつけよう


『保守速報』の先ほどのページは、途中で舛添氏の著作へのリンクが貼ってあります。

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このようなリンクは、決して手を触れないようにしてください。

このリンクはアフィリエイトと言いまして、「どの本のことを言っているのだろう?」と、うっかりリンクをクリックしてしまいますと、『保守速報』の運営者に金が入る仕組みになっています。(アフィリエイトはこのサイトにも貼ってあります)

より正確に言いますと、アマゾンの場合は、リンクをクリックしただけではサイト運営者に収入は入りませんが、そこから24時間以内にアマゾンで商品を購入した場合、たとえ全く関係ない商品を購入したとしても、サイト運営者に「紹介料」という名目で収入が発生します。

もし、この舛添氏へのリンクをクリックしてアマゾンに飛んだ場合、24時間以内なら、パソコンを一度切って再起動しようがどうしようが、もしアマゾンで何らかの商品を購入したら、たとえポテトチップスなど舛添氏と何の関係もない商品を購入したとしても、『保守速報』運営者に紹介料が発生します。

『保守速報』も『あじあにゅーす2ちゃんねる』も、そのようなリンクが沢山貼られています。中にはクリックしただけで収入が発生するものもあります。彼らが何を言っているのか見てみようと興味本位でサイトを見て、うっかりクリックしてしまうと、彼らの活動に協力することになります。気をつけましょう。

それにしても、この『保守速報』のリンクの貼り方、上手いですね。驚きました。本の内容を少し出して興味を持たせたうえで、「これね」と書いてリンクが張ってあれば、購入する気はなくても、「一体どの本のことだろう?」とリンクをクリックしてしまいますね。私も危ないところでした。2ちゃんねるまとめサイトを見る時は、余計なクリックをしないよう、細心の注意を払いましょう。

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