DHMOという化学物質をご存知でしょうか。ジハイドロジェン・モノオキサイドの略で、水酸の一種であり、無色、無臭、無味の化学物質です。

この化学物質により毎年世界中で多くの死者が出ており、液体の状態で吸引したことが原因で、日本だけで年間1000人以上がなくなっているばかりか、固形状態のDHMOは重篤なやけどの原因にもなります。下痢や嘔吐の原因にもなり、また、末期がん患者のがん細胞からも多くのDHMOが検出されることが確認されています。

人体に害があるのみならず、酸性雨の主成分でもあり、金属を始め多くの材料の腐食を促進させます。DHMOによる人的・経済的被害は計り知れません。

このような事実にもかかわらず、DHMOは古くから工業活動に使用され、産業の巨大化や軍事技術の発展に歩調を併せるかのように、その使用量は増加してきています。

DHMOは多くの大企業において溶媒や冷却の目的で利用され続けています。 原子力関連施設や大規模コンビナートでの消費量は大きく、又、遺伝子操作や動物実験にも使われています。工業のみならず、農業においても特に大規模農業において例えば農薬散布などにも大量に使われています。結果的に我々は食品を通じてDHMOを体内に取り込んでしまっており、妊婦がDHMOを摂取した場合それが胎児にも伝わってしまうこともわかっています。

現在、日本ではDHMOの利用には一切法規制がかかっておりません。この事実を、あなたはどのように考えますか?

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・DHMOの種明かし


これは有名なジョークなのですが、初めてご覧になった方はどう思われたでしょうか。こんな危険な物質が日常で使われ続け、食品にまで含まれているという事実に驚かれた方も多いのではないでしょうか。

DHMO、カタカナだとジハイドロジェン・モノオキサイドですが、「ジ」は「2」、「ハイドロジェン」は「水素」、「モノ」は「1」、「オキサイド」は「酸素」です。日本語に直すと一酸化二水素。化学式で書くとH2O、つまり単なる水のことです。どうですか? 水だってわかりました? (上記のDHMOの説明は駒澤大学のホームページの記述を参照しています)

アメリカ合衆国アイダホ州で、当時中学生だった少年が、上記のような質問を大人50人にしたところ、43人が「この物質の使用を法で規制すべきだ」と答え、6人が回答を保留し、水だと見抜いたのは1人だけだった、という有名な話があります。また、実際にこのジョークを真に受けた自治体がDHMO規制の決議をしようとした、という話もあります。

たとえ事実であっても、偏った情報だけを集め、煽情的な解説をつければ、嘘をつかずにいくらでも真実をゆがめられるのです。

なぜこのようなジョークを紹介したかというと、差別というものは、このDHMOと同じ方法に基づいたものが非常に多いからです。


DHMO理論による愛国カルトデマ


このブログで紹介している「ネトウヨ」の発言はほとんどが単なるデマか偏見ですが、中には「嘘は言っていない」ものもあります。しかし、DHMOのジョークが一切嘘は言っていないのと同様、真実を伝えているとは限りません。

このブログで繰り返し書き込みを行っている絵にかいたような愛国カルトの一人が、このようなコメントを投稿してきました。


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こちらの記事参照


いくつかの韓国人、在日韓国人による犯罪を挙げて、

「適当に探しただけでもこれだけの数がある」

「これだけ凶悪犯罪が在日韓国人、韓国人が起こしている事実を知れば、在日認定にも納得できるだろう。すべては在日韓国人のふるまいからくるものだからだ」


と述べています。

まともな頭をお持ちの方は、このコメントが、まさにDHMOジョークに騙される人と全く同じ考え方であることに気づかれることでしょう。

前回の記事
でも述べた通り、日本の犯罪の95%は日本人によるものです。2016年の場合、刑法犯の検挙数は370,568件ですが、そのうち韓国人によるものは在日・来日合わせて4718件。全体から見れば1.3%にすぎないものの中から取り上げて「こんなにある」と強弁したところで、DHMOジョークと変わりありません。

・ベトナムやブラジルは取り上げないダブスタぶり


こう言うと在日コリアンの人口割りでの犯罪率を上げる人が必ず出てきますが、2014年の場合、ブラジル人による犯罪は2381件、ベトナム人による犯罪は2088件あります。

在留韓国人は約46万、2014年の訪日韓国人は275万。合計すると300万を優に超えますが、これで犯罪は4718件です。

在留ブラジル人は約17、18万。訪日ブラジル人は3万2000人。合計しても在留韓国人の半分、日本を訪れる韓国人全体の10分の1にもなりませんが、これで犯罪は2381件。

在留ベトナム人は約15万。訪日ベトナム人は年間12万4000人。これで犯罪は2088件です。

(在留数はこちら、年間訪日数はこちら参照)

在留数で比べるとブラジル人やベトナム人も韓国人と変わらぬ犯罪率ですし、訪日客まで含めると韓国人の犯罪率は圧倒的に低くなるのですが、それでも韓国ばかりをとりあげるのは、「DHMOは危険だ」と見せかけるのと同様、「韓国人は危険だ」と見せかけるために他なりません。


DHMOを利用する某国のイージス


このDHMO理論を頻繁に利用しているのが、Youtubeで名をはせ、青林堂の雑誌にも記事を載せている某国のイージスです。

例えばこちらの動画は、ソチ五輪での韓国の行為を謗るものになっています。



「韓国が五輪精神を理解できない」とし、その具体例として、

・ショートトラックで敗北した韓国チームに韓国のネットユーザーから罵詈雑言が殺到した

・韓国選手を巻き込んで転倒した英国選手に非難が殺到し、殺害予告ととれるものもあった

と述べ、
「韓国には『労わる』という言葉はないのでしょうか。ありませんよね」
「ここまでくると完全に犯罪」
などの罵詈雑言を並べ立ててます。さらには、「世界中のダークパワーを集めて参加している」とまで罵ります。


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では、他の国にはこのようなことはないのでしょうか。


もちろんあります。


では、我が国日本の事例を見てみましょう。


リレハンメル五輪のスキージャンプ、原田雅彦選手。金メダルが期待されたジャンプで失敗し、日本は銀に終わり、「お前のせいで負けた」と言われ、自宅への嫌がらせが1年以上続いたと言われています。


北京五輪野球代表のGG佐藤。金メダルが期待された大会でイージーフライを2度も落球し、戦犯扱いされたことを覚えている人は多いでしょう。日本中からバッシングをうけ、奥さんに「死にたい」とまで漏らしたということをテレビ朝日の『しくじり先生』で告白していました。

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↑『しくじり先生』から

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Yahoo!知恵袋の投稿

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↑同じくYahoo!知恵袋の投稿


サッカーフランスW杯で惨敗した後、日本代表城彰二選手は帰国の際の成田空港で心無いファンから水をぶっかけられていますキングカズは生卵をぶつけられたこともあるそうです。


女子バレーの竹下佳江選手は、シドニー五輪出場を逃した際に戦犯扱いされ大バッシングを受け、著書の中で
「戦犯とはよくいったものだ」
「私は本当に犯罪者扱いだった」
「これまで親しかった人まで手のひらを返したように私を非難した」
「人を殺めたような気持になった」
と述べ、引退にまで追い込まれています


「メダルが取れない選手は税金泥棒」という批判も数多く存在します。


シンクロで中国代表チームのコーチをやった井村雅代さんに、「国賊」「裏切者」という言葉を浴びせかけた人は山ほどいます。(「シンクロ 井村 裏切り者」で検索してみましょう) 日本は外国からコーチをいくらでも招くのに、日本人が外国チームのコーチをやると「国賊」という島国根性(?)には吐き気がするものがあります。


今では考えられないことですが、野茂秀雄がメジャー挑戦をしたとき、応援されるどころか「恩知らず」「売国奴」「裏切者」と罵られました「メジャーで通用するわけがない」「生意気」「すぐに逃げて帰ってくる」と非難され、当時の近鉄の鈴木監督は「あいつのメジャー挑戦は人生最大のマスターベーション」とまで言っていました。それが野茂がアメリカで結果を出したら、そんなことコロッと忘れて、日本中が野茂大絶賛の英雄扱い。ものすごい恥知らずっぷりです。


批判の対象にされるのはプロや日本代表ばかりではありません。1992年の夏の甲子園、今では伝説的に語られる松井秀喜の5打席連続敬遠の試合、松井のすぐ次のバッターだった月岩選手は相手に徹底的に研究されノーヒットに終わりました。TBS『スポーツ伝説光と影』によれば、月岩選手には試合後自宅にまでマスコミが押し寄せるのみならず、誹謗中傷の手紙が届くようになりました。高校生相手にまでこのような誹謗中傷を浴びせかけるものが大勢いたのです。

進学内定していた大学の野球部の練習に参加した際にも、そこの選手に甲子園で打てなかったことをからかわれ、喧嘩事件を起こして大学進学もふいになり、月岩選手は野球をやめるまでに追い詰められてしまいました。

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(↑2014年4月6日TBS『スポーツ伝説光と影』から)


日本でもこういう事例は枚挙にいとまがなく、このような事例ばかりを集めて動画を作れば、スポーツマンシップを理解できない最低の国・日本という印象を作り出すことも簡単にできます。なんたって高校生にまでバッシングを浴びせて人生狂わせるぐらいですからね。


他の国の事例も出してみましょうか。

ご存知の方も多いと思いますが、ハンドボールには「中東の笛」と呼ばれるものがあり、北京五輪予選では不可解な判定が続出し、国際ハンドボール連盟が予選やり直しを命じる事態に至っています。アジアハンドボール連盟元副会長はわいろの受け取りを認めています。


サッカーでは2008年9月6日のバーレーン戦では中村俊輔選手と遠藤保仁選手が、2013年3月26日のサッカーヨルダン戦では川島永嗣選手と遠藤保仁選手が客席からのレーザーポインターで邪魔される事件が起きています。


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アメリカワールドカップアジア最終予選(1993年)では、合宿中の日本代表の練習グラウンドに、何者かによってくぎがまかれていたということもありました。


さらに、コロンビアではワールドカップアメリカ大会で痛恨のオウンゴールをしたエスコバル選手が帰国後射殺されるという事件まで起きています。ネットでの殺害予告ととれる書き込みどころか、実際の殺人事件です。


ロシアのドーピング問題については、いまさら言うまでもありませんね。


これらは全て一切認められる行為ではありませんが、スポーツの大会における心無い行動は、日本を含め世界中で起きています。

某国のイージスは韓国の事例だけを集め(「集め」と言っても2例だけだが)、煽情的な文章とともに紹介することで、あたかも韓国だけが特別に「妬み」や「憎悪」を大会に持ち込み、「世界中のダークパワー」を集めているかのように見せかけていますが、同様の手法を用いれば、「世界中のダークパワーを集めて五輪に参加している日本」を演出することもいくらでも可能なのです。逆に良い事例だけ集めれば「世界一美しい国日本」を演出することも可能です。

某国のイージスはこう述べます。

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「いかなる差別も伴うことなく、友情、連帯、フェアプレーの精神をもって、相互に理解し合うオリンピック精神」を称え、韓国にはその精神がない、と非難します。

しかし、このような煽情的な動画を作って、差別を助長し、憎悪を促進させ、相互理解の邪魔をしようとする某国のイージスこそ、五輪精神の欠片もない、憎悪、ねたみ、批判といった世界中のダークパワーを集めたような最低の人物であることは言うまでもありません。


・生活保護不正受給についてのDHMO


もう一つ某国のイージスのDHMO手法を紹介しましょう。在日韓国人による生活保護不正受給を追求する動画です。




某国のイージスは在日韓国人による不正受給の具体例を挙げて、「ちょっと検索しただけでこんなにある」といい、「ゴキブリと一緒で一匹いれば見えないところに無数にいる」と、非常に煽情的な言葉で視聴者の憎悪を掻き立てようとします。


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ところがどうでしょう。

某国のイージスがこの動画を投稿したのは2014年の頭なので、某国のイージスが挙げた事例は2013年のものなわけですが、実は2013年の生活保護不正受給数は4万3230件もあったのです(日経新聞2015年3月9日参照)。


4万3230件の内のたった4件例を挙げただけで、何が「ちょっと検索しただけでもこれだけの事件があるのです」だ!


某国のイージスの常套手段は、このように一部の事例を全部であるかのように取り上げて、煽情的な言葉を備えて憎悪を煽る、というものです。
 

この手法は古今東西使われ続けているものだと思いますが、自分の欲しい情報だけを集める思考停止人間を騙すには、大変に有効な手段です。

・愛国カルトに騙されないために


繰り返しになりますが、DHMOジョークの手法を用いれば、どんなことでも言うことができます。もちろん「最低最悪の国・日本」をでっちあげることも可能です。以前室谷克実の『悪韓論』を紹介したことがありますが、それも同様に韓国の新聞の中から韓国の問題点を書いた記事のみを集めて、「韓国はこんなにも酷い国だ」と述べるものでした。日本の新聞記事の中から日本の問題点を書いた記事のみを集めれば、当然同様に「日本はこんなにも酷い国だ」と言うことができます。

某国のイージスや室谷克実のやっているような個別事例を挙げて全体を決めつけるような手法を見たら、一歩引いて考えてみましょう。

はたして、それは全体の何%にあたるのか(4万件中の4件だけ紹介した「こんなにある」と言うようなバカに騙されてはならない)。

日本や、他の国にも似たような事例はないか。


挙げる事例は事実でも、そこから導き出されている結論が真実とは限りません。


某国のイージスの動画は、実際の事例を挙げながらも、そこから出している結論はどれもただ憎悪を煽るためだけに作られた客観性と論理性の欠片もないデマになっています。1から10まですべてデマの井上太郎あたりと比べると、より煽情的でより憎悪を煽る形になっていると言えるかもしれません。

DHMOのように、事実をもとに真実をゆがめることが可能であるということを、我々は肝に銘じて、情報に接するように心がけねばなりません。

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