前々回、世間に出回っている「国民道徳協会」とやらの教育勅語現代語訳が、意図的に内容を改竄した、原文とは似ても似つかない卑怯な偽物だということを紹介しました。


(※「国民道徳協会」などと名乗っているから、まるでまともな公的団体かと勘違いしてしまいますが、佐々木盛雄という元自民党員が一人でやっていたもので、実際には「協会」でもなんでもないそうです。自民党員が教育勅語を正当化するために作った偽訳、というのが正確なところですね)


実は、教育勅語を理解する際に、「国民道徳協会」の偽訳なんかよりも何倍も役に立つ資料が存在します。明治政府公式の英訳です。 明治政府の公式英訳は、明治42年に出版された『漢英仏独教育勅語訳纂』に収録されています。今回は、これを元に教育勅語を読み解いてみましょう。


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・なぜ英訳を読むのか


なぜ英訳が役に立つのかといいますと、原文だけでは読み解けない、明治政府の意図がわかるからです。例えば、教育勅語に出てくる「公(おおやけ)」が「国家」を指すのか、「国民」を指すのか、それとも別のものを指すのか、原文だけではわかりません。しかし、英訳でどう訳されているかを見ることで、より教育勅語の意図するところが明白になるのです。


さらに、この英訳が重要なのは、明治政府自身が訳したという点です。この明治政府公式英訳には、巻末にこのように書かれています。

       Although several English versions of Rescript exist, they have been found deficient for conveying the exact sense of the original, of which a complete literal version into any other language is indeed a matter of great difficulty.
  Towards the end of last year, the Educational Department seeing the possibility of improving the translation convoked a number of scholars to discuss the matter. The accompanying version is the result. The scholars thus assembled considered their work by no means perfect, as the difficulty of rendering into a foreign language all the shades of meaning found in the text is almost insurmountable; yet we feel confident that it is a great improvement on all previous versions.
要約しますと、「すでに『教育勅語』の英訳は何種類か存在するが、それらは原文の意図を正しく伝えていなかった。大勢の学者たちが協力して作ったこの新しい英訳は、決して完璧ではないものの、過去の度の英訳よりもはるかに優れたものである」ということです。


つまり、この英訳は、明治政府ができる限り正しく原文の意図を伝えることを目的に作ったものであり、教育勅語をどう解釈すべきか、明治政府公式の解説書としての役割を果たすのです。


というわけで、今回は明治政府公式英訳を元に教育勅語に何が書いてあるのか読み解いてみましょう。


なお、「国民道徳協会」の偽訳も一緒に見てみると、よりよく問題がわかるので、そちらも一緒に参照しましょう。



・「主君への忠義」を教育の根幹とする教育勅語


これが原文です。

朕󠄁惟フニ我カ皇祖皇宗國ヲ肇󠄁ムルコト宏遠󠄁ニ德ヲ樹ツルコト深厚ナリ
我カ臣民克ク忠ニ克ク孝ニ億兆心ヲ一ニシテ世世厥ノ美ヲ濟セルハ此レ我カ國體ノ精華ニシテ敎育ノ淵源亦實ニ此ニ存ス 

爾臣民父母ニ孝ニ兄弟ニ友ニ夫婦󠄁相和シ朋友相信シ恭儉己レヲ持シ博󠄁愛衆ニ及󠄁ホシ學ヲ修メ業ヲ習󠄁ヒ以テ智能ヲ啓󠄁發シ德器ヲ成就シ進󠄁テ公󠄁益ヲ廣メ世務ヲ開キ常ニ國憲ヲ重シ國法ニ遵󠄁ヒ一旦緩󠄁急󠄁アレハ義勇󠄁公󠄁ニ奉シ以テ天壤無窮󠄁ノ皇運󠄁ヲ扶翼󠄂スヘシ 

是ノ如キハ獨リ朕󠄁カ忠良ノ臣民タルノミナラス又以テ爾祖先ノ遺󠄁風ヲ顯彰スルニ足ラン 

斯ノ道󠄁ハ實ニ我カ皇祖皇宗ノ遺󠄁訓ニシテ子孫臣民ノ俱ニ遵󠄁守スヘキ所󠄁 之ヲ古今ニ通󠄁シテ謬ラス之ヲ中外ニ施シテ悖ラス朕󠄁爾臣民ト俱ニ拳󠄁々服󠄁膺シテ咸其德ヲ一ニセンコトヲ庶󠄂幾󠄁フ 
明治二十三年十月三十日
御名御璽


今回使うのは、こちらの明治政府の公式英訳です。


Know ye, Our subjects:

Our Imperial Ancestors have founded Our Empire on a basis broad and everlasting and have deeply and firmly implanted virtue; Our subjects ever united in loyalty and filial piety have from generation to generation illustrated the beauty thereof. This is the glory of the fundamental character of Our Empire, and herein also lies the source of Our education.

Ye, Our subjects, be filial to your parents, affectionate to your brothers and sisters; as husbands and wives be harmonious, as friends true; bear yourselves in modesty and moderation; extend your benevolence to all; pursue learning and cultivate arts, and thereby develop intellectual faculties and perfect moral powers; furthermore advance public good and promote common interests; always respect the Constitution and observe the laws; should emergency arise, offer yourselves courageously to the State; and thus guard and maintain the prosperity of Our Imperial Throne coeval with heaven and earth.

So shall ye not only be Our good and faithful subjects, but render illustrious the best traditions of your forefathers.

The Way here set forth is indeed the teaching bequeathed by Our Imperial Ancestors, to be observed alike by Their Descendants and the subjects, infallible for all ages and true in all places. It is Our wish to lay it to heart in all reverence, in common with you, Our subjects, that we may thus attain to the same virtue.
The 30th day of the 10th month of the 23rd year of Meiji.
(Imperial Sign Manual. Imperial Seal.)


それでは、頭から順に読んでいきましょう。

朕󠄁惟フニ我カ皇祖皇宗國ヲ肇󠄁ムルコト宏遠󠄁ニ德ヲ樹ツルコト深厚ナリ

Know ye, Our subjects:
Our Imperial Ancestors have founded Our Empire on a basis broad and everlasting and have deeply and firmly implanted virtue; 

yeとは「お前」「汝」「そなた」という意味の二人称で、「subject」とは「臣民」です。「臣」とは「家臣」「臣下」など使われていることからわかる通り、「家来」という意味です。そして「臣民」とは「君主国において、君主の支配の対象となる人々」(デジタル大辞泉)です。これは天皇主権の明治憲法下での考え方であり、日本国憲法下の主権下としての「国民」とは異なります。ここは重要ですので、教育勅語の現代語訳で「臣民」を「国民」と訳しているものは、それだけで信頼に値しない訳だと言っても過言ではありません。


また、myではなく複数形ourが用いられていますが、これは royal we(王家のwe)と呼ばれるもので、君主が自分のことを指すときに使う we である、実際には単数の I, my, me と同じだと思ってください。


漢文長の原文だと、現在の我々には何を言っているかなかなかわかりませんが、英訳を参照すると意味がとりやすくなりますね。英語を訳しますと、


「我が皇室の先祖は、広大かつ永遠に続く理念に基づいて我が皇国を建国し、美徳を深く強固にこの国に植え付けた」


となります。

ここでは、教育勅語が「日本という国は皇室によって作られたのだ」ということを真っ先に強調している点に注目しましょう。教育勅語はあくまで皇室が臣民に命令する形で作られており、「皇室」と「日本」を同一視しているところが特徴です。


ちなみに、「国民道徳協会」はここを


「私は、私達の祖先が、遠大な理想のもとに、道義国家の実現をめざして、日本の国をおはじめになったものと信じます」


と訳しています。もちろん、実際には国を作ったのは「私たちの祖先」ではなく、「皇室の祖先」(皇祖皇宗)ですので、「国民道徳協会訳」は、教育勅語が皇室が臣民に命令するものだということを隠そうとしていることがわかりますね。


続きを見てみましょう。

我カ臣民克ク忠ニ克ク孝ニ億兆心ヲ一ニシテ世世厥ノ美ヲ濟セルハ此レ我カ國體ノ精華ニシテ敎育ノ淵源亦實ニ此ニ存ス

Our subjects ever united in loyalty and filial piety have from generation to generation illustrated the beauty thereof. This is the glory of the fundamental character of Our Empire, and herein also lies the source of Our education.

filial pietyとは、儒教における「孝」のことです。原文にある「忠ニ孝ニ」というのは、「主君への忠義と親への孝行」ブリタニカ国際大百科事典)ということです。ここを現代語訳すると、


「我が臣民は、忠義と孝行によって一つにまとまっており、何世代にもわたって、その美徳(忠義と孝行)を体現してきた。これは我が皇国の根本的性質であり、我が国の誇りである。そして、それは教育の根幹でもあるのである」


「主君への忠義と親への孝行」が国の「根本的性質」(国体、foundamental character)であるとして、それが「教育の根幹」であるというわけです。この「忠義」(loyalty)は、もちろん天皇への忠義と考えるのが適当でしょうから、教育勅語の考える「教育の根幹」には、「天皇への忠義」があると考えられます。


ちなみに「国民道徳協会」は

「私は教育の根本もまた、道義立国の達成にあると信じます」

と大嘘をついています。どこにも「道義立国」なんて書いてありません。「忠」と「孝」しか書いてありません。



・「12の徳目」の12番目の徳目の本当の意味


つぎに、教育勅語を称えている人たちが、教育勅語が間違っていない根拠として持ち出してくる「12の徳目」が続きます。


爾臣民 父母ニ孝ニ 兄弟ニ友ニ 夫婦󠄁相和シ 朋友相信シ 恭儉己レヲ持シ 博󠄁愛衆ニ及󠄁ホシ學ヲ修メ 業ヲ習󠄁ヒ 以テ智能ヲ啓󠄁發シ 德器ヲ成就シ 進󠄁テ公󠄁益ヲ廣メ 世務ヲ開キ 常ニ國憲ヲ重シ 國法ニ遵󠄁ヒ 

Ye, Our subjects, be filial to your parents, affectionate to your brothers and sisters; as husbands and wives be harmonious, as friends true; bear yourselves in modesty and moderation; extend your benevolence to all; pursue learning and cultivate arts, and thereby develop intellectual faculties and perfect moral powers; furthermore advance public good and promote common interests; always respect the Constitution and observe the laws; 


順番に言いますと、

1.親孝行せよ
2.兄弟仲良くせよ
3.夫婦仲良くせよ
4.友達に誠実であれ
5.謙虚かつ温和に自制せよ
6.善行をすべての人に向けよ
7.学問を修め、技術を発展させよ
8.知的な才能を伸ばせ
9.人格の発展に努めよ
10.公益を推し進め、世の中の務めを果たせ
11.常に憲法を尊重し、法を順守せよ


ここまでは、特におかしなことを言っていませんが、問題は12番目です。

一旦緩󠄁急󠄁アレハ義勇󠄁公󠄁ニ奉シ 

should emergency arise, offer yourselves courageously to the State; 

「一旦緩急あれば、義勇公に奉じ」というのは、英語では should evergency arise, offer yourselves courageousely to the State と訳されています。原文では「公ニ奉シ」とある「公」が、明治政府公式英訳では the State となっています。国民や民族の結合体としての「国」である nation や、地理的な意味の「国」である country、または「公衆」を意味する pulic と違い、the State とは「国家、国政、政府」という意味です。つまり、明治政府がこの「公(おおやけ)」を「国家」と考えていたことが分かり、「公に奉じる」というのが「国家に身を捧げる(offer yourselves to the State)」という意味で教えていたことがわかります。


なので、この部分は現代語訳すれば、


「もしも緊急事態が起きれば、勇敢にその身を国家に捧げよ


となるのです。言っておきますが、これは私が勝手に訳したんじゃなくて、明治政府による公式の英訳に基づいていますからね。これが12番目の徳目です。戦争なんてまさに緊急事態なので、戦争が起きたときには、その身を国家に捧げることが国民に義務づけられているわけです。この辺が、教育勅語が先の戦争の悲劇の一因となったと言われる所以です。


さらに、以上の徳目は何のためのものかと言うことが、その直後に書かれています。「以て」(and thus...)でつながれていることから、ここが、12の徳目を以て行うべき行動であるということがわかります。

以テ天壤無窮󠄁ノ皇運󠄁ヲ扶翼󠄂スヘシ

and thus guard and maintain the prosperity of Our Imperial Throne coeval with heaven and earth.

「天壌無窮」とは「天と地とともに永遠に続く」という意味で、「皇運」は「皇室の運命」、「扶翼」は「助ける」「守る」という意味です。これを明治政府公式英訳では "guard and maintain the prosperity of Our Imperial Throne coeval with heaven and earth." としています。「皇運」を prosperity of Our Imperial Throne(皇室の繁栄)と訳していますね。よって、現代語訳すれば、


「天地とともに永遠に続く我が皇室の繁栄を守り維持するようにせよ


となります。つまり、12の徳目も、全ては皇室の繁栄を守り、維持するためのものだということを教育勅語は説いているわけです。全ては皇室のため、というのが教育勅語の基本的精神です。


ちなみに「国民道徳協会」は、この部分を
「非常事態の発生の場合は、真心を捧げて、国の平和と安全に奉仕しなければなりません」

なんて書いています。「その身を国家に捧げて、皇室の繁栄を守り維持せよ」を「真心を捧げて、国の平和と安全に奉仕せよ」なんて、大嘘もいいところですね。自民党員が教育勅語を正当化するために作った、嘘だらけの創作訳ですので、仕方ありません。


そして、12の徳目を守ることで、皇室の繁栄を守り維持することは、以下のようだと述べられています。

獨リ朕󠄁カ忠良ノ臣民タルノミナラス又以テ爾祖先ノ遺󠄁風ヲ顯彰スルニ足ラン
 
So shall ye not only be Our good and faithful subjects, but render illustrious the best traditions of your forefathers.

ここでのポイントは「朕カ忠良ノ臣民」という箇所ですね。英訳では「Our good and faithful subjects」となっています。以上の12の徳目は、「天皇の忠実な家臣としての国民」としての務めだと言っているわけです。現代語訳すると、


「このようにすることは(12の徳目を身につけ、皇室の繁栄を守ることは)、我が良き忠実な臣民として務めであるだけでなく、お前たちの先祖の伝統を輝かせることでもあるのだ」


となります。12の徳目を身につけることは、稲田朋美が言うような「世界から尊敬される道義国家」になるためではなく、天皇の「忠良の臣民」になるためだということがわかりますね。


ちなみに、「国民道徳協会」は「善良な国民としての当然の努めであるばかりでなく、また、私達の祖先が、今日まで身をもって示し残された伝統的美風を、さらにいっそう明らかにすることでもあります」と訳をしています。「朕が忠良の臣民」を「善良な国民」なんて訳しているところに、教育勅語の問題点を隠したい卑怯な意図がはっきりと読み取れますね。


そして、教育勅語は、以下のようにまとめられています。


斯ノ道󠄁ハ實ニ我カ皇祖皇宗ノ遺󠄁訓ニシテ子孫臣民ノ俱ニ遵󠄁守スヘキ所󠄁
之ヲ古今ニ通󠄁シテ謬ラス之ヲ中外ニ施シテ悖ラス
朕󠄁爾臣民ト俱ニ拳󠄁々服󠄁膺シテ咸其德ヲ一ニセンコトヲ庶󠄂幾󠄁フ

The Way here set forth is indeed the teaching bequeathed by Our Imperial Ancestors, to be observed alike by Their Descendants and the subjects, infallible for all ages and true in all places. It is Our wish to lay it to heart in all reverence, in common with you, Our subjects, that we may thus attain to the same virtue.


これを訳せば、

「以上の道は、まさに我が皇室の先祖の残した教え(我カ皇祖皇宗の遺訓、the teaching bequeathed by Our Imperial Ancestors)であり、皇室の子孫と臣民によって順守されなければならない。これは時代と場所に関わらず、常に正しいことである。私(天皇)は、我が臣民とともに、この教えをしっかりと心に留め、同じ徳を成し遂げることを望む」


となります。ここにも、教育勅語の徳目が、「皇室の残した教え」であると書かれています。


「国民道徳協会」の訳だと、「このような国民の歩むべき道は、祖先の教訓として、私達子孫の守らなければならないところである」とか、「私もまた国民の皆さんと共に、祖父の教えを胸に抱いて、立派な日本人となるように、心から念願するものであります」とか、訳しています。もちろん、「(国民の)祖先の教訓」ではなく、「皇室の祖先の教訓」ですし、「爾臣民」を「国民の皆さん」と訳しているのも全くニュアンスが異なりますし、どこにも一言も「私も国民の皆さんとともに、立派な日本人になるように心から念願する」なんてまーーーーーーーーーーーったく書かれていません。


教育勅語は、徹頭徹尾、皇室を中心に書かれているのですが、「国民道徳協会訳」(佐々木盛雄訳)は、徹頭徹尾、皇室の存在を隠して訳しています。いやあ、実に卑怯ですね。



・教育勅語の正しい現代語訳


以上のことから、明治政府公式の英訳を参考に、教育勅語を明治政府の意図をできるだけ正しく反映して訳すと、以下のようになります。


我が皇室の先祖は、広大かつ永遠に続く理念に基づいて国を始め、美徳を深く強固にこの国に植え付けられた。我が臣民(※天皇の家臣としての国民)は、忠義と孝行によって一つにまとまっており、何世代にもわたって、その美徳を体現してきた。これは我が国の根本的性質であり、我が国の誇りであり、教育の根幹でもあるのである。

お前たち臣民は、以下のことを守らなければならない。

1.親孝行せよ
2.兄弟仲良くせよ
3.夫婦仲良くせよ
4.友達に誠実であれ
5.謙虚かつ温和に自制せよ
6.善行をすべての人に向けよ
7.学問を修め、技術を発展させよ
8.知的な才能を伸ばせ
9.人格の発展に努めよ
10.公益を推し進め、世の中の務めを果たせ
11.常に憲法を尊重し、法を順守せよ
12.緊急事態が起きたら、勇敢にその身を国家に捧げよ。

以上をもって、天地とともに永遠に続く我が皇室の繁栄を守り、維持せよ。

これは、我が忠実な臣民として務めであるだけでなく、お前たちの先祖の伝統を輝かせることでもある。以上のことは、まさに我が皇室の先祖の残した教えであり、皇室の子孫と臣民によって守られなければならない。

これは時代と場所に関わらず、常に正しいことである。私(天皇)は、我が臣民とともに、この教えをしっかりと心に留め、同じ徳を成し遂げることを望む。


一部の本当に「天皇陛下万歳!」という人を除いて、教育勅語を称えている人は、徳目1~11までを見て、「教育勅語は素晴らしい」と言っているんでしょうが、徳目12を見れば、教育勅語が先の戦争での特攻に見られるような悲劇につながったということは疑いようのないことでしょう。さらに、まともなことが書いてある1~11までの徳も、「皇室の繁栄を維持するため」であり、「天皇の忠実な臣民としての務め」として教えられているという点も見逃してはなりません。


例えば、↓この「一日一回教育勅語」と言って教育勅語を称えている人の場合、参照している現代語訳は、佐々木盛雄の偽訳を元にしていると思われます。



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12番目の「義勇」のところを「正しい勇気をもって、国のために真心を尽くしましょう」などと書いてありますが、この訳が嘘であることは、今回見た通りです。本当の意味は、「緊急事態が起きれば、勇気をもってその身を国家に捧げよ」ということです。そして、これら12の徳目は、「永遠に続く皇室の繁栄を守り、維持するため」に身につけるべき徳なのです。そのことが、天皇の忠実な臣民としての務めである、と教育勅語は説いています。


皇室の存在を隠した訳は教育勅語の本質を全くとらえていませんし、「12の徳目」だけを見ても、教育勅語が皇室と日本を同一視していることも、国民を「臣民」とみなしていることも、12の徳目が天皇の「忠良ノ臣民」としての務めだと書かれていることも、全く読み取ることはできません。


教育勅語がどういうものであるのか理解したいのであれば、自民党の佐々木盛雄が教育勅語正当化のために創作した意図的な誤訳にまみれた偽物の現代語訳などではなく、原文と、明治政府の公式英訳をもとに読み解くのが正しいです。教育勅語を正しく理解したい人は、自分で原文と明治政府公式英訳を読んで、自分で現代語訳を考えてみてください。何が問題とされて戦後廃止されたのか、理解できることと思います。


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