蓮舫の二重国籍問題で、ネットモブ(ネトウヨ・愛国カルト)たちが沸いています。母親が日本人で、日本生まれ日本育ちで日本国籍を取得している人物に対し、「二重国籍の時点で日本人ではない」などという人間までいることに驚愕を禁じえません。「帰れ」って、日本生まれ日本育ち日本在住の人がどこに帰るんですかね?



しかも、この人のツイートをよく見ると、台湾の国旗でなくタイの国旗! 台湾と中国が区別できないだけでなく、台湾とタイも区別できないという頭の悪さに驚かされますね。

thai-taiwan
(左が台湾、右がタイ。どうやって間違えたんだろう?)


さらに、中には「二重国籍」ではなく、「そもそも日本国籍ではないのでは」などと言い出す信じられないレベルのアホまでいます。参議院議員に立候補する際に戸籍を選管に提出しないといけないので、日本国籍を持っていないっていうのは、絶対にありえないんですけどね。

2017y07m21d_155753796

さて、蓮舫は台湾との二重国籍だったわけですが、ネットモブたちは「台湾は親日」「台湾と仲良くしよう」などと言い続けてきました(例:「日本が台湾を守らなくて誰が守るのか」と、台湾を属国のように扱う山際澄夫)。そのため、蓮舫が台湾との二重国籍だと叩きづらいわけです。 (中国と台湾の区別もついていない奴も大勢いた


そこで彼らが編み出したのが、蓮舫の三重国籍、四重国籍疑惑で、蓮舫が中国と韓国の国籍まで持っている、というアクロバティックな主張です。


(スポンサードリンク)

・蓮舫の中国国籍があり得ない3つの理由


まず、蓮舫の中国国籍疑惑ですが、これは過去に蓮舫が自分のことを「中国籍」と言ったことがある、というのが根拠になっているようです。

2017y07m14d_194400705
(↑『ハムスター速報』)

1993年の朝日新聞で、自分のことを「在日の中国国籍」と答えていた、というものです。その時の記事はこれです。

0ba7d452dea2ea26d2378b58c3486dbb
アゴラ

ここには確かに、「蓮舫さんは『在日の中国国籍のものとしてアジアからの視点にこだわりたい』と話した」とあります。


ここでの「在日の中国国籍」という発言については、この記事を書いた記者にでも確かめないと正確なことはわからないでしょう。「中華民国」という意味で「中国」と言ったのかも知れませんし、最近は「台湾と中国は別だ」という機運が高まっていますが、当時は台湾自身が「中国は一つ」という認識だったので、「中国」と言ったのかもしれません。また、「台湾」とか「中華民国」とか言ったのを、新聞が台湾を国家承認していない日本の立場を考慮して「中国国籍」と置き換えたのかもしれません。


正確なことは分かりませんし、もしも本当に「中国国籍」と言っていたのだとしたら、二重国籍を自覚していたことになりますので、その点で非難されることは避けられないでしょう。しかし、蓮舫の中華人民共和国国籍保有はありえない、ということだけは断言できます。

理由1:日中の国籍法


まず第一に、中国の国籍法には以下のように書かれています。

第三条
中華人民共和国は中国の公民が二重国籍を持つことをみとめない。

第八条
中国国籍への入籍を申請して許可された者は、中国の国籍を取得する。中国の国籍入籍を許可された者は、もはや外国の国籍を留保することができない。

第九条
外国に定住している中国公民で、自己の意思によって外国の国籍に入籍し又は取得しした者は自動的に中国国籍を失う。

基本的には日本の国籍法と考え方は違いませんが、中国国籍のものが、自己の意思によって外国の国籍を取得した場合は、自動的に中国国籍を失います。離脱手続きは必要ありません。


これは日本の国籍法でも同じで、第十一条一に日本国民は、自己の志望によつて外国の国籍を取得したときは、日本の国籍を失う」とあります。


蓮舫が生まれたときに台湾籍だったことに疑う余地はありません。そして1985年、18の時に日本国籍を取得しています。仮にその前に中国国籍を取得していた場合、日本国籍を取得した時点で中国国籍を失いますし、日本国籍取得後に中国国籍を取得した場合、日本国籍を失います。


蓮舫は日台ハーフであり、台湾には「外国籍の取得したら台湾の国籍を失う」という法律がないために二重国籍状態が続いていましたが、後天的に日本国籍と中国国籍を同時に保有することは不可能です。


台湾の国籍法では、「自ら外国国籍の取得を申請」した場合、「内政部の許可を得て、中華民国国籍を喪失することが出来る」とされており、日本や中国と違い、外国籍取得により自動的に国籍が喪失されることはありません)

理由2:中国の国籍取得には中国在住が必要


蓮舫が中国籍でない第2の理由に、中国国籍取得の困難さがあります。


中国国籍を取得するには、中国国内での居住登記証明が必要です(参照)。蓮舫が中国で暮らしていたのは、北京大学に留学していた1995年から1997年までの2年間だけなので、蓮舫が1993年の時点で中国国籍を取得していた、なんてことはあり得ないわけです。

理由3:「子供を利用しての国籍取得」のウソ


中には、なんとかして蓮舫を中国国籍にしようと、こんな噂をばら撒く人もいます。




この人物は、「中国で出産すると、親がいかなる国籍でも中国籍になる(多国籍を選択できない)」制度を利用し、子供を中国で出産して、子供を利用して中国籍を得た、と言いたいそうです。


断言しますが、あり得ません


なぜこの人物が、「中国で出産すると中国国籍になる」なんて変なことを言い出したのか知りませんが、言うまでもなく、中国の国籍法は血統主義です。アメリカは出生地主義なので、米国内で出産すれば、子供は米国籍を取得できますが、日本人が中国で出産したって、子供は中国籍にはなりません。


しかも、蓮舫が子供を産んだのは1997年。蓮舫の「中国国籍」発言が朝日新聞に載ったのが1993年なので、やはり時系列的に絶対にありえないわけです。


以上の理由から、蓮舫が中国籍も保有しているという噂は、絶対にないと断言できます。


驚くべきことに、産経新聞は蓮舫の記者会見で「中国籍も持っているとネットで見たが真実か」と質問していました。産経新聞の頭の悪さは恐ろしいものがありますね。入社試験で下から順に取ってるんじゃないかと疑いたくなります。

「中韓大使館でパスポートを取得したから韓国籍」という異常なまでに頭の悪いデマ

最後に、蓮舫の韓国籍疑惑ですが、これは驚くべき頭の悪いものです。蓮舫が公開した台湾のパスポートの発行元が中華民国駐韓大使館だったというだけのものです。

renhokorea-1-458x600

これをネトウヨデマサイトとして有名なnetgeekが、


蓮舫の家系、特に母親の出自については不明なところが多い。実は台湾の国籍を持ちながら韓国に居住していたためパスポートの発行が最寄りの駐韓大使館になった。そうであれば韓国の国籍も持っていた可能性があり、四重国籍という可能性も脳裏をよぎる


などと書き、


蓮舫はこの不可解な点について、きちんと国民に説明責任を果たす義務がある。改めて親にも自分の出自を確認しておく必要があるだろう」


と、これまた「余計なお世話だろう」というどーしようもない記事を書いていました。どうして発行元が中華民国台湾大使館だった理由まで説明する義務があるねん…。
単にネトウヨが「自分が知りたい」「叩く材料が欲しい」というだけのことを「説明責任」だの「義務」だの言うとるだけやないか(「主観と客観を区別できないネトウヨ」の記事を参照)。


==(読者からの情報提供により追記)==
よく見ると ISSUED AT(発行地)のところにTOKYOと書いてありますね。

EMBASSY OF THE REPUBLIC OF CHINA SEOUL (TOKYO) とも書いてあります。つまり、このパスポートの発行は日本というわけです。

renhokorea-1-458x601

日本はアメリカに習って台湾と断交したため、日本には台湾大使館がありません。そのため、台湾は「中華民国
駐韓大使館東京事務所」という複雑なものを作って、そこでパスポートの発行などを行っていたんだそうです。

つまり、これで「韓国籍の疑い」なんて言ってるnetgeekは大嘘つきなわけです。本当に最低ですね、netgeek。恥というものを知らない。

====

この酷いデマを、有名デマッターである500円などが拡散するといういつもの黄金パターン。



一体どこをどうやれば、中華民国駐韓大使館からパスポートを発行されていることから「韓国籍」なんて話が出てくるのやら。とにかく蓮舫を「反日」にしたいがために、無理やり「実は中国人だった」「実は韓国人だった」とやろうとしているのが見え見えですね。


netgeekや500円の理屈だと、韓国内でパスポートを紛失して駐韓日本大使館からパスポートを再発行してもらった人は、韓国籍になってしまいますね。なお、「駐韓中華民国大使館」になっている理由は、上で述べた通りです。なお、韓国の国籍法では、韓国に5年以上住んでいないと帰化は認められないので、蓮舫が韓国籍というのはその点でもありえません。


以上のことから、蓮舫が大陸中国や韓国の国籍を持っているというのは、絶対にありえないと断言できます。


断っておきますが、私は蓮舫の支持者でも何でもないです。蓮舫を好きか嫌いかと聞かれたら、「少なくとも好きではない」と答えます(別に積極的に嫌ってもいませんが)。


蓮舫が二重国籍であったことは事実なわけですから、「二重国籍の国会議員なんて信頼できない」って思うのなら、それはそれで別にいいんですよ。個人の勝手ですから。蓮舫の説明が二転三転したことは本人も認めていることですから、「説明が二転三転するような奴は信頼できない」って言うのも別にいいんですよ。私も説明が二転三転する安倍晋三や金田勝年や山本幸三や稲田朋美は全く信頼していませんから。今回の問題で、「蓮舫は信頼できない」って思うのは、個人の感じ方の問題なんで、別にいいんですよ。


しかし、「二重国籍は日本人じゃない。帰れ」と言ったり、台湾だと都合が悪いと思ってか、中国国籍だとか韓国国籍だとか、ちょっと調べればありえないとわかることを騒ぎ立てる連中の卑怯さ、醜さには言葉がありません。結局のところ、「理由があるから叩く」のではなく、「叩くために理由を作る」のがネットモブ(愛国カルト・ネトウヨ)であることがはっきりとわかります。


結局のところ、根本は他の愛国カルトの問題と変わりません。「叩きたい」というのがまずあって、理由は後から作るのです。西村幸祐のように9条を叩きたければ「コロンビアで殺された学生も9条の犠牲者だ」と意味不明なことを言ってみたり、在日外国人を叩きたければ「東日本大震災の時の特アによる窃盗は有名」と嘘を吐いたり、今回の問題で蓮舫を最初に追及した八幡和郎は「蓮舫という中華風の名前がダメだ」とか、子供の名前が中華風だから華人意識丸出しだとか言ってみたり。(そんなこと言ったら、子供にフリッツとかルイとかアンヌとかつけてた森鴎外はどうなるのだ)


人が何かに怒っているのを見たら、その人が「理由がある方叩いている」人なのか、「叩きたいから理由を作る」人なのかは、見極める必要があるでしょう。少なくとも、今回の件で、三重国籍だとか四重国籍だとか「日本国籍じゃない」とか「二重国籍は日本人じゃない」とか言っている人は、「叩きたいから理由を作る」人であり、耳を貸すに値しない人間だと断言できます。

にほんブログ村 政治ブログへ 
にほんブログ村 政治 ブログランキング
(スポンサードリンク)