百田尚樹という人は、有名人で言論人ぶってはいますが、ご存じの通り、言ってることはネットモブ(ネトウヨ)丸出しで、良く調べずにデマに騙されたりテキトーなこと言って恥かいたりするタイプの人です。


その百田尚樹が、こんなツイートをしていました。



これのツイートに対し、百田信者からは百田尚樹応援メッセージと中韓批判・夫婦別姓批判が山ほど飛び出しました。




「夫婦別姓論者は日本人ではない」とか「家族が崩壊する」とか言ってますね。蓮舫の国籍問題を追及していた八幡和郎も、「現在提案されている夫婦別姓」を「いかにも中国や韓国のやり方に従う」ものだと言っています。

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八幡和郎のHP参照


はっきり言って、バカ丸出しです


中国や韓国を引き合いに出せば批判できると思ってるんでしょうね。しかし、残念ながら、根本から間違えまくっています。

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・日本で議論されているのは「選択的」、中韓は「強制的」別姓


日本で議論されている夫婦別姓については、以前もこのブログで記事にしたことがありますが()、日本で議論されているものは、基本的に選択的夫婦別姓なんです。2015年に最高裁裁判が行われたものも、選択的夫婦別姓でした。96年に国の法制審議会が民法の改正案を答申した際にも、提言されたのは、希望すれば別姓を認める「選択的夫婦別姓」でした。福島瑞穂議員などが主張しているのも、当然選択的夫婦別姓です。


一方、中国や韓国の夫婦別姓は、夫婦が同じ苗字を名乗ることができない強制的な夫婦別姓であり、日本で提案されている選択的夫婦別姓とは全く異なります。選択的夫婦別姓を、「中国や韓国に倣うもの」だなんて言う八幡和郎や、中国韓国の夫婦別姓を引き合いに出す百田尚樹、それに賛意を示す連中は、全員基本の「キ」がわかっていません。


~~~追記~~~

読者の方からの指摘で調べてみたら、中国も台湾も現在は選択的夫婦別姓になっていて、同姓でも別姓でも選べるようになっていました。また、子どもの名字も、両親の名字のどちらでも自由に決められるようです。この点でも百田尚樹や八幡和郎は間違えていますね。


・夫婦同姓強制は世界で日本だけ


中国や韓国を出すだけで批判になると思っている百田尚樹や八幡和郎のようなバカは知らないのかもしれませんが、世界では夫婦が別姓を選択できるのは当たり前のことで、日本政府は2015年10月の答弁書「現在把握している限りにおいては、『法律で夫婦の姓を同姓とするように義務付けている国』は、我が国のほかには承知していないと述べています。さらに、NHKによると、夫婦同姓を法律で義務付けている国は、世界で今や日本だけだそうです。

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NHK時事公論

つまり、日本で提言されている選択的夫婦別姓は、「中国韓国に倣う」どころか、中国韓国とは全く異なるものであるうえ、ワールド・スタンダードなわけです。


さっき紹介した百田支持者たちは、夫婦別姓で国が崩壊すると言ってましたし、あの安倍晋三も、選択的夫婦別姓を「家族を崩壊させようとする左翼のドグマ」なんて言っていましたが、選択的夫婦別姓で家族や国が崩壊するなら、日本以外すべての国が崩壊しているはずなわけです。日本以外のすべての国は左翼思想に染まってるんですかね? (安倍晋三って、よくまあこんな頭で総理大臣になれましたね。こんなの党首に選んだ自民党、おかしいだろ)


選択的夫婦別姓を議論する際に、中国韓国を引き合いに出す奴は、それだけで信頼に値しない奴だと断言していいです。


・「伝統」「昔から」という嘘


そして、伝統だのなんだの言ってる人たちについても、何を言ってるんだって感じです。江戸時代には一般庶民は慣習的に夫婦同姓がほとんどだったらしいですが、例外がないわけじゃないし、上級武士では夫婦別姓でした。さらに、意外なことに、1876年(明治9年)には、夫婦別姓が法律で義務化されています。つまり、日本は夫婦同姓で定まっていたわけではなく、夫婦同姓が義務になるのは1889年(明治31年)からです。現在のような制度になったのは明治も半ばになってからであり、夫婦別姓が義務の時代さえあったのですから、日本の歴史から見れば、必ずしも夫婦同姓義務はずっと昔から受け継がれてきた伝統というわけでもないのです。


日本の名前は結構複雑で、氏と姓と名字は元々は別の概念でしたし、明治以前は幼名なんてものもあって、しょっちゅう名前は変わっていたわけです。西郷吉之助→西郷隆永→西郷隆盛みたいに変遷しましたし、桂小五郎→木戸孝允斎藤一→藤田五郎みたいに、名字も含めて名前をまるっきり変えてしまう人もいたわけです。明治以降、戸籍制度を作る上でそういうことはなくなってしまいましたが、伝統と言うのならば、現在の「名字・名前」のスタイルや「夫婦同姓義務」なんかより、幼名を名乗ったり名前が変わったり選択的夫婦別姓だったりする方が、よっぽど歴史が長いのです。(というより、明治以前には法律ではなく慣習として行われていただけなので、同性を名乗ろうが別姓を名乗ろうが咎められることなどなかった)


日本の名前の制度について、「伝統」なんてものを持ち出したら、どこまで遡るかで全く解釈が異なってしまいます。なります。結局、強制的夫婦同姓を「伝統」なんて呼ぶのは、「自分が知ってる現行制度」以上の意味はありません。


(その一方で、70年以上続いている現行制度である日本国憲法を、彼らは決して「伝統」とは呼ばない。逆に55年しかもたなかった大日本帝国憲法や教育勅語を伝統扱いしたりする。実にご都合主義な奴らである)


・まとめ


以上をまとめますと、

・夫婦別姓が「中韓に倣うもの」というのは大嘘

(日本で議論されているのは選択的夫婦別姓で、中韓の強制的夫婦別姓とは異なる)
(同姓強制は日本のみで、ほとんどの国が選択的夫婦別姓)
 
・夫婦別姓で「家族や国が崩壊する」というのは大嘘

(選択的夫婦別姓で国が崩壊するなら、日本以外すべての国が崩壊しているはずである)

・夫婦同姓強制が「伝統」というのは不正確
(明治31年以降の制度で、それ以前は必ずしも一様ではない)


私は、夫婦同姓だろうが別姓だろうが、本人の好きにすればいいという考え方なので、他人に「同性じゃなくちゃだめだ」と強制したい人の気持ちはよく理解できません。もしもそれが論理性のある主張ならいいんですよが、百田尚樹とか八幡和郎とか安倍晋三とかは、日本で議論されているのは選択的夫婦別姓なのに、強制的夫婦別姓の中国韓国を引き合いに出したり、日本以外の世界中が夫婦別姓を認めているのに、中国韓国を持ち出して嫌韓・反中感情を利用しようとしたり、夫婦別姓で家族が崩壊するとか国が崩壊するとか言ったり、左翼のドグマとか、伝統が崩壊するとか言ったりして、全く何の論理性も感じられません。


私、百田先生にはツイッターをブロックされてしまっているので、直接コメントを残せないんですが、だれか百田先生に、「夫婦同姓強制は世界中で日本だけ」という日本政府の答弁書を見せてやってもらえませんか? 百田先生はなんて答えますかね? どうせ無視するでしょうけど。

~~~~追記~~~~

八幡和郎先生が、この記事に激しく反応してくれましたが、驚くべきことに、自分が何を批判されているのかも理解しないまま、私が「中国や韓国を盲従して真似ようとしている」という、とんでもなく明後日の方向の批判をしてくれました。

詳しくはこちらの記事をご参照ください。

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