ざっくり言うと
  • 高橋洋一センセ、公文書書き換えさえも「官僚のミス」ということにして安倍内閣を守ろうとする。
  • 忖度の原因は内閣人事局
(スポンサードリンク)

「財務省が、森友学園との契約文書を、問題発覚後に書き換えて国会議員に提示した」


3月2日、朝日新聞がこのようにスクープし、現在国会も他紙もこの問題で大騒ぎです。財務省は6日(この記事を書いている時点での明日)に調査結果を報告することにしています。この書き換え疑惑について、あの高橋洋一センセ(『キャプテン翼』の高橋陽一センセとは別人である)がビジネスジャーナルのインタビューに答えていらっしゃったので、そのことを取り上げたいと思います。


まず、この記事を書いている段階では、その調査結果の発表がなされておらず、この問題がどうなるかわかりません。財務省が本当に公文書偽造という犯罪行為を行ったのか、それとも朝日新聞が何かの勘違いかガセネタで大誤報をやらかしたのか、当事者以外には全く判別がつかない状態なわけですが、現段階での高橋洋一センセの記事に、現段階でのツッコミを入れてみたいと思います。


・高橋洋一センセ、またも「ミス」で済ます気?


まず、記事のタイトルを見て驚きました。「官僚のミスの可能性」と書かれているではないですか。

2018y03m05d_211803560

「おいおい、公文書の書き換えが「ミス」か? 何を言ってるんだ、この人は?」と驚いてしまいましたが、この人、以前も森友学園での値引きを「財務省のチョンボと言っていました。高橋洋一センセは、実は財務省はゴミが埋まってるのを知っていながら黙ってて、それが籠池氏にバレてゆすられて、ただ同然まで値引きしてしまったと言っているわけです。しかし、いくら落ち度があろうと、一般人にゆすられてただ同然まで値引きするというのが信じがたいし、第一、実際に運び出されたゴミが、8億円値引きの根拠となった算定量の100分の1しかなかったことも明らかになっており、森友学園の値引きが「財務省のチョンボ」だなんて高橋洋一センセの説明には私は全く納得がいかないんですが、それは今回のテーマじゃないのでとりあえず置いておきます。


とにかく、高橋洋一センセは何としても森友問題を官僚のミス、安倍政権には一切関係なしってことにしたいのでしょう。


・高橋洋一センセ、朝日新聞報道を読んでない?


さて、高橋洋一センセ、今回の公文書書き換え疑惑も、事実であったとしても「官僚のミス」で乗り切るつもりのようです。

2018y03m05d_214141125

>>もし事実であれば、財務省の担当者は刑法上の公文書偽造等罪に問われることになるので、財務省がこういう書き換えを行うということは、通常ではあり得ません。


これはその通りですね。通常ではありえないことなので、「そんなことあるわけない」「でも、通常ありえないことだからこそ、余程の裏付けをとっているのではないか」など憶測を呼んでいるわけです。


しかし、この後の高橋洋一センセの「官僚のミス」論はちょっと酷い。


>>契約当初の文書とは違うものを国会議員に開示してしまったなど、担当者である官僚のとんでもないミスである可能性も考えられます。


「契約当初の文書とは違うものを国会議員に開示してしまった」というミスの可能性を挙げていますが、この人、朝日新聞報道を読んでないんじゃないですかね?


朝日新聞の報道は、以下のようなものでした。
 内容が変わっているのは、2015~16年に学園と土地取引した際、同省近畿財務局の管財部門が局内の決裁を受けるために作った文書。1枚目に決裁の完了日や局幹部の決裁印が押され、2枚目以降に交渉経緯や取引の内容などが記されている。

 朝日新聞は文書を確認。契約当時の文書と、国会議員らに開示した文書は起案日、決裁完了日、番号が同じで、ともに決裁印が押されている。契約当時の文書には学園とどのようなやり取りをしてきたのかを時系列で書いた部分や、学園の要請にどう対応したかを記述した部分があるが、開示文書ではそれらが項目ごとなくなったり、一部消えたりしている。
朝日新聞3月2日
朝日新聞が確認した文書にも国会議員に開示した文書にも決済印が押され、起案日や決済完了日、番号も同じとなっています。つまり、全く同じ決裁文書であるはずなのに、内容が変わっているというものであり、朝日新聞の誤報でないと仮定した場合、「契約当初の文書とは違うものを(誤って)国会議員に開示してしまった」という可能性はあり得ないわけです。それとも高橋洋一センセの頭の中では、内容の異なる決裁文書が複数あってもおかしくないんですかね?


思うに、高橋洋一センセはこの朝日新聞の報道を読んでないんじゃないですかね? ビジネスジャーナルに「朝日新聞が、森友の公文書を財務省が書き換えて国会議員に提示したって報じてますが、コメントを」って言われ、肝心の報道読まずに答えたように思えます。ちゃんと朝日新聞報道を読んでいたら、
事実か誤報かの2択であって、少なくとも「官僚が間違って違う文書を国会議員に提出しちゃったミス」なんていう発想にはならないはずです。


以前、加計学園問題で高橋洋一センセを取り上げた時も、高橋洋一センセは、「(加計問題に)難癖をつける奴は、閣議決定も議事録も読まずに不勉強妄想している」と批判していながら、「『広域的』とは近接自治体の意味だ」とか「『一校に限定』なんて政府は言ってない」とか、不勉強妄想を堂々と披露されていましたので、多分今回も朝日新聞の報道を読まずに朝日新聞報道について語ってるんじゃないかと思います。


読まずに語ってるなら大学教授失格ですし、、朝日新聞報道を読んだうえで「契約当初の文書とは違うものを国会議員に開示してしまったなど、担当者である官僚のとんでもないミスである可能性」などと言っているのなら、日本語力にかなり問題がある人のように思えます。


・「書き換えが事実でもあくまで一官僚のミス」と言う高橋洋一センセ


高橋洋一センセは、官僚が倒閣のために情報を朝日新聞に流したのではないか、というビジネスジャーナルの指摘には否定的なコメントをしますが、これがまたひどい。


「どのような経緯で朝日が情報を入手したのかはわかりませんが、そうした官僚による“倒閣”的な動きではないでしょう。もし仮に書き換えが事実であれば、あくまで財務省の一官僚のミスとして処理されるでしょうし、法的に罪を問われるのも官僚個人だからです」


おいおい! 書き換えが事実でも「ミス」だと言い張るのか!!??


高橋先生は、どうしても「改竄」とか「捏造」とか言いたくないようです。あくまで「ミス」なようです。普通ミスってのは意図しないものを言うのであって、意図的なミスはミスではなく「改竄」「捏造」だと思うんですけどね。


・厚労省データ異常を「倒閣運動」と疑う高橋洋一センセ


今回の朝日新聞へのリーク(?)を「倒閣運動」ではないと言う高橋先生は、なぜか厚労省がやらかした裁量労働制のデータ異常を「倒閣運動」ではないかと疑問視します。


>>「厚労省のデータ異常問題は、野党による国会での追及で公けになりましたが、その経緯に疑問を感じます。通常、厚労省の重要な政策や情報の公開についてはまず、すべて厚労省の労働政策審議会(労政審)に並べられ、調査審議されることになっています。今回のデータ異常は、この労政審を経ずに閣僚答弁されてから、野党が追及し、野党の部会で厚労省からデータ提供されたものですが、このプロセスは通常ではあり得ません。そもそも、この調査の企画は旧民主党時代にされていますから、こちらのほうがよほど“官僚による倒閣運動”である可能性を感じます」


うーむ、ちっともわからん。つまり、高橋洋一センセの脳内では、厚労省がわざとおかしなデータを作って、安倍晋三のそのデータを基にした答弁をやらせ、野党に「あの答弁、実はこんな風におかしいんでっせ」って伝えた、と言いたいんでしょうか?


単純に考えれば、厚労省が安倍内閣の法案に都合のいいデータを作って法案を通そうとしたけれど、結局それがバレた、というだけのことだと思うんですけどねえ。しかも、「調査の企画は旧民主党時代にされています」って、それが何? 企画が旧民主党時代でも、実施したのは2013年の安倍内閣の時で、そのデータを国会で利用したのは今年でしょ? 誰が作ったデータだろうと、そのデータを使ったのは安倍晋三だろうに、なんで「旧民主党が企画した」なんてことが関係あるんですかね? 


しかも、旧民主党時代に企画されているから倒閣運動の可能性があるってのも意味不明。民主党は2012年時点で、「5年後、安倍政権は裁量労働制拡大法案を通そうとするだろう。その時に安倍が引っかかるように、データに罠を仕掛けておいてやろう」って考えてたってこと? エスパーですか?


とにかく高橋先生は、なんとしてでも「安倍首相は、官僚の倒閣運動にハメられただけで、責任はない。むしろ被害者だ」ということにしたいんでしょうね。


・内閣人事局という「国家を破滅に導く」巨悪


高橋洋一センセは、何としても官僚の「チョンボ」とか「ミス」とか「倒閣運動」であって、安倍総理に責任はない、むしろ被害者だ、と主張したいようです。今回も、「(もし書き換えが事実だとしても)安倍晋三首相や麻生太郎財務相は関係ない」と言ってますからね。


確かに、今回書き換えが事実だとしても、少なくともそれは安倍晋三や麻生太郎が支持をして捏造させた、ということはないんだと思います。


しかし、考えなければいけないことは、なぜそんなことをしたか。


私は、去年流行語にもなった「忖度」に他ならないと思います。その場合でも、きっと安倍内閣応援派の方々は、「官僚が勝手に忖度したのであって、安倍総理に責任はない」と言うでしょうが、なんで官僚が時の内閣のことなんて忖度しなければならないのか、というところに問題の本丸があると思います。


官僚が忖度する理由、それは安倍晋三が作った内閣人事局の存在です。


安倍政権が作った内閣人事局により、官僚人事は内閣に握られてしまいました。そして、佐川元理財局長を代表例として、国会で虚偽答弁をしようが何だろうが、内閣に媚びを売れば出世できる、という構造が出来上がってしまいました。これにより、官僚は国民のための官僚ではなく、内閣に媚びを売る犬となってしまったわけです。


福田元首相も、安倍晋三が内閣人事局を作ったことについて、このように痛烈に批判しています。

2018y03m05d_223610222
 福田康夫元首相は二日、東京都内で共同通信のインタビューに応じ、学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設計画や「森友学園」への国有地払い下げなどを踏まえ、安倍政権下の「政と官」の関係を批判した。「各省庁の中堅以上の幹部は皆、官邸(の顔色)を見て仕事をしている。恥ずかしく、国家の破滅に近づいていると述べた。二〇一四年に発足した内閣人事局に関し「政治家が人事をやってはいけない。安倍内閣最大の失敗だ」との認識を示した。

 中央省庁の公務員の姿勢について「官邸の言うことを聞こうと、忖度(そんたく)以上のことをしようとして、すり寄る人もいる。能力のない人が偉くなっており、むちゃくちゃだ」と指摘。「自民党がつぶれる時は、役所も一緒につぶれる。自殺行為だ」とも述べた。

 安倍晋三首相が三日に実施する内閣改造・自民党役員人事では「過去四年間の実績評価に対応し、外交や経済、財政などの山積する問題を克服する体質になるかどうかが問われる」と注文を付けた。

 首相の政権運営について、安定政権ではないとの見方を示した上で「(自民党内に)競争相手がいなかっただけだ。(脅かすような)野党もいないし、非常に恵まれている状況だ」と強調。同時に「そういう時に役人まで動員して、政権維持に当たらせてはいけない」とくぎを刺した。

 安倍政権が設置した内閣人事局は、各省庁の幹部人事を一元管理。現在は萩生田(はぎうだ)光一官房副長官が局長を務めている。
2017年8月3日東京新聞
内閣人事局のせいで「国家の破滅に近づいている」とまで激しく批判する福田元首相。言い過ぎと思う人もいるかもしれませんが、私は全く言い過ぎとは思いません。


佐川元理財局長の虚偽答弁も、厚労省の裁量労働制データの異常も、そしてもし報道が事実とすれば今回の公文書偽造も、どれも官僚が内閣のためにやったものに他なりません。たとえ総理大臣自身が支持したものでなくても、そのような官僚の異常行動の原因を作ったのは、まぎれもなく安倍晋三その人なのです。


内閣人事局をつくり、官邸に媚びれば出世できるという状況を作り上げ、わざわざ命令しなくても官僚の側から勝手に忖度してくれるようにしむけ、何かあったら「官僚が勝手にやったこと」「官僚のミス」として切り捨てることができる。完璧なシステムですね。


高橋洋一センセなんかは、まさにその思惑に乗せられて(自ら乗って)、「官僚のミス」なんて言ってるわけですが、こんなこと安倍政権以前にありましたかね? やはり内閣人事局があるからこそ、安倍政権だからこそ、こんなことが起きていると私は思います。本当に福田元首相の言う通り、これが続いたら国家の破滅だと思います。


神戸学院大上脇教授は、今回の書き換え疑惑が事実であれば、「国民の知る権利を根本から揺るがす」と述べています。知る権利が揺るがされる社会は、もはや民主主義国家ではありません。


まだ今回の書き換え疑惑には決着がついていません。大スクープか、大誤報か、まだわかりません。しかし、私はツイッターやコメント欄では安倍政権に対して散々ぼろくそに言ってきましたが、もしもこの書き換え疑惑が誤報ではなく事実だとしたら、もはや安倍政権はアホとかバカとか卑怯とか嘘つきとか、そういう言葉ではすまず、と表現しても決して言い過ぎではないでしょう。

にほんブログ村 政治ブログへ 
にほんブログ村 政治 ブログランキング
(スポンサードリンク)