<ざっくり言うと>
  • 「野党はモリカケばかり」はデマである。
  • 野党は多くの法案を提出したが、そのほとんどが与党の反対により審議さえされずに葬られた。
  • 「野党は政策審議をしていない」はデマである。
  • 「1年やってもモリカケで何も出てきていない」はデマである。
  • 「自民党のほうが野党よりはマシ」というのは「作られた神話」である。

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前回「『野党は反対ばかり』は嘘」というのをやったので、今回はその続きです。

・29の野党法案を審議さえせずに潰した自民党


「野党は批判ばかり」と同様によく使われるのが、「野党はモリカケばかり」です。しかし、これも完全に嘘です。


まず、前回見た通り、国会ではモリカケと全く違う多くの事案が話し合われていますし、野党は今国会では与党を大きく上回る29の法案を提出しました(与党は15)。しかし、審議入りには与党の合意が必要であるため、そのほとんどが審議入りさえされずにお蔵入りにされたのです(参照)。


野党提出の法案を、審議さえせずに潰しておきながら、「野党はモリカケばかり」も何もあったもんじゃないですよね。


野党は「モリカケばかり」はこの時点で嘘だとわかりますね。

・委員会でやってます


次に、「モリカケばかり」と批判する人たちは、「北朝鮮問題など重要事項があるのに~」みたいなことを言うのですが、どうも国会のシステムを理解してないんじゃないですかね?

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こちらの記事参照

どうも、この手の人は、国会に「委員会」というものがあるのを理解していないように思えます。実際この↑「四十路おじさん」という人は、委員会の存在を知らなかったらしいです。


国会には本会議のほか、内閣委員会、総務委員会、法務委員会、外交防衛委員会、財政金融委員会、文教科学委員会、厚生労働委員会、農林水産委員会、経済産業委員会…と、山ほど委員会があるのです。


テレビに映るのは本会議や予算委員会の集中審議ばかりなので、それしかやってないかのように見えるのかもしれませんが、北朝鮮問題なんかは防衛委員会でやってるんですよ。


「野党はモリカケばかり」と批判しながら、外交防衛委員会の存在さえ知らなかったそこの貴方。貴方の野党批判は完全に的外れです。

・「1年やってもモリカケで何も出てこない」という嘘


これを言っている人は、モリカケ問題がどういう問題かを、1から勉強してもらいたいように思います。


例えば森友学園については、実際に撤去されたゴミが試算の100分の1に過ぎなかったことが判明し、国交省も認めています。今年4月には、森友学園と口裏合わせをしていたということを財務省も認めました。


森友については、公文書改竄も行われました。財務省は「首相の答弁がきっかけ」という調査結果を報告したにもかかわらず、麻生太郎は「首相の答弁は関係ない」と言い、どういう動機で公文書改竄が行われたのかも「わからない」と言ったまま幕引きを図ろうとしています。なんと、真相究明のための第三者委員会の設置まで拒否しました。安倍政権に、真相究明の意思が全くないことは明白ですね。


加計学園については、愛媛文書が公開され、柳瀬首相秘書官(当時)が2015年4月の段階で加計学園と面会したことが明らかになりました。1年間にわたって、柳瀬元秘書官は、「加計学園と会った記憶はない」と言い続けていたのに、文書が出てきて発言を修正しました。


首相は2017年1月まで、加計学園が国家戦略特区で獣医学部を作ろうとしていたことさえ知らなかったと答弁しているのですから、首相秘書官が会っていたとなると、首相は国会で国民に対して嘘をついたことになります。柳瀬秘書官は、「加計学園との面談について、首相には報告も相談も連絡もしていない」と、幼稚園児のお使いよりもひどい答弁をしました(「はじめてのおつかい」の子供のほうがよっぽどしっかりしてるよ!)。首相秘書官が、ホウレンソウが全くできていないなんて信じられるわけがありませんが、それで押し通そうとしています。そりゃあ、追及続けるの当然ですよね。


1年間、与党と政府が逃げ回り、何とか隠蔽しようとしてきたものが、ようやくここまで出てきたのです。「1年間やっても何も出てこない」などというのが嘘であることは明白ですね。

・国民の8割が「納得できない」と言っているのだから、納得できる説明を求めるのは当たり前


時事通信の世論調査では、森友学園についての政府説明に「納得できない」が78%というすごい数字を出しています。加計学園に至っては、日経新聞の世論調査81.4%が「納得できない」と答えています。そりゃあ、国民の8割が「納得できない」と言えば、野党は納得できる説明を政府に求めることは当然です。


モリカケについて、国民の8割が納得できていないのですから、政府に説明を求める野党を批判するのは筋違いです。国民の8割が納得していないのに、納得できる説明をしようとしない政府が非難されないと、民主主義国家としては明らかにおかしいですね。

・「自民のほうが野党よりマシ」は誤解に基づく「作られた神話」である


前回と今回で見たように、「野党は批判ばかり」は嘘ですし、「野党はモリカケばかり」も嘘です。


「野党は批判ばかりで政策審議をしていない」「野党はモリカケばかりやっている」というのを理由に、「消極的に消去法で自民支持」をしていると主張する人がしばしばおりますが、その消極的自民支持の理由は、ここで述べたような誤解に基づくものです。


また、野党が与党と真っ向対立した事案を見てみれば、今国会の場合、高プロ、6増、カジノ、どれもどの世論調査を見ても、国民の6割以上が反対しています。モリカケも、国民の8割が「納得していない」と言っているのですから、これらで与党批判をすることを非難するのはおかしな話です。


「与党のほうが野党よりマシ」というのは、誤解や曲解や事実歪曲により、主にインターネット上で構築された「作られた神話」です。「野党は批判ばかりで政策審議をしていない」も「野党はモリカケばかりやってる」も、事実に反し、インターネット(特にツイッターやまとめサイト)で作り出されたイメージにすぎません。


そのような神話に基づく「消極的与党支持」からは、そろそろ脱却すべきです。


次回に続きます。

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