<ざっくり言うと>
  • またも震災に乗じて外国人に対するヘイトデマを流す者が出現。
  • 震災時に外国人犯罪が増えたという事実はない。
  • 東日本大震災時のあった2011年には、外国人による強盗や強姦はむしろ減っている。
  • 関東大震災時の朝鮮人虐殺のように、デマは最悪の場合人の命を奪う。
  • 災害時にデマを流して疑心暗鬼や混乱を助長させる人間こそ日本の敵である。
  • 「友達から聞いた」というような曖昧な噂や、ネット上で流れてきた話をやすやすと信じてはいけない。
  • 自分に都合のいい情報こそ、気を付けて疑おう。


(スポンサードリンク)

9月6日、北海道で最大震度7の地震がありました。被害に遭われた方にはお見舞い申し上げます。一日も早い復興を心よりお祈りいたします。微力ながら募金等で支援したいと思います。(しかし、安倍政権になってから防衛費が5000億円ほど増えたんですが、そういう金をこっちに回せば、人にも経済にも役に立つと思うんですけどね)


なぜか日本では震災が起きるとヘイトデマがバラまかれるという、100年間続く謎の伝統があり、いい加減この伝統は断ち切ってほしいのですが、なぜかこの伝統はしぶとく生き続けています。 曖昧な情報をもとに、外国人に対するヘイトデマを拡散する輩が後を絶ちません。本当に関東大震災の時に「朝鮮人が井戸に毒を流した」というデマから100年もたつのに、彼らは一歩も進化していないのですね。西村幸祐という嘘つきも、「東日本大震災の時の特亜による窃盗は有名」とかいうヘイトデマを流していましたね。


もちろん、震災の時に外国人による犯罪行為が増えるなどという事実は存在していません。東北の新聞である河北新報が記事にしていますが、東日本大震災の時にも外国人犯罪のデマが流れました。しかし、警察がそれをデマだと否定しています。
 当時はSNSで「被災地で外国人窃盗団が横行している」「外国人が遺体から金品を盗んでいる」といったデマが飛び交い、被災者の間でささやかれた。
 宮城県警はうわさが事実ではないと確認。流言を否定するチラシを避難所に配り、治安は保たれていることを強調した。ウェブサイトでは「2011年3月12~21日の重要犯罪は4件で、10年同期の7件と比べて多くない」と説明した。
 県警によると、県内の刑法犯罪の摘発者に占める外国人の割合は、震災のあった11年が1.5%。震災前の10年、翌年の12年は共に1.3%だった。刑事総務課の天野英克管理官は「11年が特別に増えたとは言えない」と話す。
ネットや口コミを信じ、「外国人犯罪がー!」などと言い出す。上で引用したツイッターでも、「友人から聞いた」などという情報をツイートしている人がいますね。また「外国人による強姦は東日本大震災でもありました」「犯人は在日朝鮮人中国人が多かった」などとツイートした人は、情報ソースを聞かれて、こんな風に答えています。
つまり、ネット情報を鵜呑みにして拡散した、ということです。「マスコミは偏向報道をしているので信用していません」と言いながら、ネット情報を鵜呑みにしてしまうその知能レベルの低さには恐れ入ってしまいます。

(スポンサードリンク)

「震災時に外国人による強姦があった」「日本人以外の人が狙ってます。強姦に気を付けて」などと彼らは言っていますが、実は東日本大震災があった2011年の外国人による強姦件数は過去十年で最も少なかったのです。

↓平成23年の外国人による強姦件数は32件で、この10年で最も少ない。(警察庁の統計参照
2018y09m07d_0139550942018y09m07d_013935855

ちなみに、強姦件数のみならず、強盗件数もここ10年で最低でした。3.11のあと外国人の母数が減ったというのもあるでしょうが、これを見れば、「震災に乗じて外国人の強姦事件が増える」なんてことがデマだとわかりますね。


なお、これは検挙件数なので、「捕まらなかった外国人強姦魔が大勢いたんだ!」と言う人が出てくるかもしれません、それも嘘です。2011年の強姦の認知件数は1415件。検挙数は1163件で、検挙率は82.2%です。その前年、2010年の強姦の認知件数は1590件、検挙数は1326件で、検挙率は83.4%です。強姦の認知件数自体、2011年の方が少ないですし、検挙率は1.2%しか違わないので誤差範囲です。性犯罪に限らず、震災時に外国人による犯罪が増えたという根拠は一切ありません。


というか、そもそもなんで震災で外国人が犯罪することになってるんですかね? 「震災で火事場泥棒をする奴がいる」まではともかく、それが外国人であると考える根拠は何なんですかね。日本人は清廉潔白で外国人は薄汚れているとでも思ってるんでしょうか。何で外国人にだけ特別警戒するのか意味不明です。


上で紹介した統計を見てみれば、2011年の強姦の検挙数は1163件で、そのうち外国人は32件(全体の2.8%)。つまり残りの1131件(全体の97.2%)は日本人による強姦なんですから、外国人を特別警戒する必要なんかないはずなんですけどね。


また、「車のバッテリーが抜かれた」とか「家が人により荒らされていた」といった犯罪の「犯人は在日朝鮮人中国人が多かった」などともツイートしていますが、いったいどうして家を荒らした犯人が在日朝鮮人中国人だなんてわかるんでしょうねえ? 荒らしている現場に居合わせたのでしょうか? 現場に居合わせたところで、どうして彼らが在日朝鮮人や在日中国人だと判断できるでしょうか? 総連の旗でも立てて火事場泥棒してたんですかね?


まともな知能を持った人間ならば、こんな論理性の全くないデマには騙されるわけがないんですが、ヘイトで心を病んでいるとそんな小学生でもわかるような理屈さえ考えられなくなるのでしょう。「ヘイトは盲目」とでも言いましょうか。


いまだに関東大震災での朝鮮人虐殺について、「朝鮮人虐殺なんてなかった!」とか言う奴や、「朝鮮人が暴動を起こしたんだ!」などと100年前のデマにいまだに騙され続けている奴もいますが、朝鮮人虐殺があったことも、朝鮮人の暴動が無かったことも、当時の内務省が発行した『大正震災志』にも記載されている歴史的事実です。以前記事にていしますので、詳しくはこちらこちらをご覧ください。


今紹介した「ふわふわ (@rei5884007)」という人は、自分のプロフィールに「日本が大好き!」「安倍首相自民党を支持」などと書いていますが、震災時にデマを流して人々の疑心暗鬼を助長させるような奴こそ、日本の敵であることは言うまでもありません。


このブログではずっと言い続けていますが、ネット情報を鵜呑みにするのはやめましょう


なんでこんな当たり前のことを言い続けないといけないんですかね?


このブログでは、本当に何度も繰り返し繰り返し外国人犯罪については記事にしてきましたが、ネット上の外国人犯罪に関する話のほとんどはデマです。大きな犯罪があるとすぐに「犯人は在日だ」と言うやつが出てきますが、それもほとんどの場合はデマです(在日認定の99%は外れます)。


先日、このブログに
「愛国デマの何が悪いのかわからない」
「正しい反日より愛国デマの方が有益」
「素直に愛国プレイを楽しんだ方が得」
などと書き込んできて人がいました。(こちらの記事

2018y09m07d_022118665

2018y09m07d_022144631

本気か釣りかわかりませんが、関東大震災の朝鮮人虐殺の例を見ればわかる通り、デマは人間の尊厳を傷つけるばかりか、最悪の場合命までも奪います。


正しい行動をとるためには正しい判断が必要であり、正しい判断を下すためには正しい情報が必要です。


マスコミを鵜呑みにしてはいけないのは事実ですが、「マスコミは偏向しているから信頼できない。真実はネットにある!」などと考える人間は、最も真実から遠い人間だと言ってよいでしょう。産経新聞を鵜呑みにする人の方がまだ真実に近いでしょうね。


繰り返し述べています通り、ネット上の外国人犯罪の噂はほぼ全てデマです。そして、外国人犯罪関連に限らず、情報ソースがはっきりしない情報を鵜呑みにしないというネットリテラシーを持つことが、現代を生きる人間の最低限度の教養と言っても過言ではないでしょう。それをできていない、今回引用したような人間の言うことには耳を傾けてはいけませんし、何よりも自分自身がそうならないよう、自分に都合のいい情報に対してこそ慎重になる心構えが必要です。


デマは最悪の場合人を殺すということを忘れないようにしましょう。

にほんブログ村 政治ブログへ 
にほんブログ村 政治 ブログランキング
(スポンサードリンク)