<ざっくり言うと>
  • 戦場ジャーナリスト渡部陽一氏が、「戦場で捕まるやつはその時点でジャーナリスト失格」という『戦場取材の掟』を発表しているというデマが流れたが、渡部氏自身が完全否定。
  • そもそも『掟』の内容があまりにも荒唐無稽で幼稚で、およそ戦場ジャーナリストの発言とは思えないものばかり。これを信じた奴は、それだけで発言を信頼するに値しない知能の持ち主だと断言できるレベル。
  • 情報ソースが確認できない情報は鵜呑みにしない、拡散しないというのは、現代社会を生きる人間として身に着けておくべき、最低限の常識である。

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3年以上にわたりシリアで武装勢力に拘束されていた安田純平氏が解放され、帰国しました。


これについて、「自分で勝手に危険なところに一旦だから自己責任だ」として、彼を誹謗中傷する人達が後を絶ちません。


戦場ジャーナリストに対しそのような言葉を向ける人間たちは、自分たちが安全な自宅からネットで無料で見ている記事は、誰かが現場で命がけで取ってきたものだなんてことは、脳裏によぎりもしないのでしょう。身勝手で想像力の欠如した、人間として非常に卑劣で卑怯で恥ずべき人たちだと思います。


さて、これは結構な話題になったので、既に知っている人も大勢いるでしょうが、今回の件に関し、このような情報がSNS上で多く流れました。2018y10m28d_113643074

『JIN』だの『Share News Japan』だの、いつもの連中が情報ソースも確認せずに記事にし、SNS上で大拡散しました。

しかし、渡部陽一氏自身が、これが全くの創作であると完全否定をしたのです。

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渡部さん本人は「これはフェイクだ」と明言した。

渡部さんと所属事務所は「捕まったらジャーナリスト失格、という話をしたことはありません。この『戦場取材の掟』というのはフェイクです」と、ハフポストの取材に答えた。

渡部さんの信念は「戦場取材は生きて帰ること」。

過去には、ラジオ出演した際に、日本人ジャーナリストの後藤健二さんが2015年に武装勢力に拘束されて殺害されたとみられる映像が流れたことを受け、「自己責任論」について問われた。

渡部さんは、紛争地域で取材するときは「危機管理が8割を占め、2割がカメラの腕」とし、「どの仕事でも、目標に向かって結果を手にするために手段を選ばない、というわけではない。危機管理を最優先し、引く勇気をもって欲張らない取材をする」と語っていた。

しかし、こうした信念は、今回出回っている「掟」とは異なるものだと、渡部さんは指摘した。
ハフィントンポスト10月25日
どこの誰がどういう動機で捏造したのかわかりませんが、このようなデマを流すやつも、さらにそれを情報ソースも確認せずに記事にする2チャンネルまとめサイトも、さらにそれを鵜呑みにしてSNS上で拡散する人たちも、もうちょっと自分の脳みそ使うことを覚えたらどうかと思います。


そもそも、この『掟』一覧を見た時点で、まともな知能の持ち主であるならば、フェイクだと気づくべきですよね。「6.国境地帯から一歩も紛争国の中には基本的に入らない」とか、そんな戦場ジャーナリストいるか、ボケ!! 戦場に入らない戦場ジャーナリストとか、戦場ジャーナリストじゃねえだろが!! この時点でフェイクだと気づけよ。


他のも、「世界最強の軍隊の自走砲部隊と行動する」とか頭が悪いにもほどがあるし(米軍がいないところには取材に行かないのか?)、「ゲリラが蔓延る地域には近づかない」とか「戦場が流動的なところにはいかない」とか「国外の難民キャンプとかを中心に取材する」とか、およそ戦場ジャーナリストとは思えないものばかり。


はっきり言わせてもらって、これを作ったやつも信じた奴も頭が悪すぎる。これを信じて拡散した人間は、それだけで信頼するに値しない知能レベルの持ち主だと断言していいです。これを拡散したまとめサイトの管理人の脳みそってどれだけ弱いんですかね? 『JIN』も『SHARE NEWS JAPAN』も、そのほかこれを拡散したサイトの管理人たちは、全員幼稚園から出直すべきだと思います。


これが渡部陽一という存命の人間なので、フェイクだということを本人が明言できましたが、なくなっている人の言葉が捏造された場合、それを否定することは非常に難しくなります。そう考えるとそら恐ろしいものがあります。


今では我々はベトナム戦争がどういう戦争だったのか知っています。様々な写真を通して、その悲惨さを知っています。しかし、それらの情報は、ジャーナリストたちが命がけでベトナムに入って取材して得たものなのです。


これまで、数え切れない戦場ジャーナリストがなくなっています。ロバート・キャパのような世界的に有名な人も、沢田教一氏や山本美香氏のような日本の方も大勢無くなっています。


渡部陽一氏のフェイクの『取材のおきて』を拡散した人たちは、彼らもジャーナリスト失格だというのでしょうか。


最初に書いた通り、我々が今、暖かい自分の部屋で、ネットでヌクヌクと無料で得ている情報は、現場で誰かが命がけで取材して得たものなのです。決して勝手に何の努力もなしで流れてくるものではないのです。


渡部陽一氏のフェイクの言葉を拡散した人たちは、情報ソースを確認するという基本的なネットリテラシーをまず身に着け、そして、自分たちが得ている情報は、誰かが努力して取ってきたものなんだということをちゃんと認識すべきでしょう。


このブログでは何度も言っていますが、とりあえず、現代社会の人間の最低限の常識として、情報ソースを確認する、情報ソースの確認できないものについては判断を保留する、むやみに拡散しない、ということは身に着けてほしいと思います。それもできないやつは、ネットユーザー失格ですね。


『Buzz+News』に至っては、「安田純平氏の拘束は身代金を得るための自作自演だ」とかいう記事まで載せていますが、心底腐りきっていると思いますね。ここまでくると、ネットユーザーどころか人間失格だと思います。


自己責任論については、次回また書きます。
 
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