<ざっくり言うと>
  • 竹田恒泰、「人類でもっとも巧みに漢字を使ってきたのは日本人」だと妄言を吐く。
  • 「中国は仮名を生み出さなかった」と言って、日本人のほうが巧みだと主張。中国語が仮名を生み出さなかったのは、生み出す必要がなかったからだろう…。
  • 「人民」も「共和国」も和製漢語だから、日本人のほうが巧みに漢字を使ってきたと主張。だったら「コンピューター」「インターネット」などのカタカナ語はどうなる。中国語は「電脳」「互聯網」という訳語を作ったぞ。
  • 総理大臣が「云々」「背後」「踏襲」など漢字の読みを間違えるのに、「巧みに使っている」も何もなかろう。
  • どの言語にも、表記体系にも、長所や短所がある。そこに優劣をつけるのは無知と偏見に他ならない。
(スポンサードリンク)

愛国カルト界隈を調べていると、「こんなにバカな人間がこの世に存在するのか!」と驚かされる毎日です。竹田恒泰がこんなこと言っていました。
なんなんですかね、この頭の悪さ。


>>中国人は4000年も漢字を使っているくせに、まだ表音文字として用いる万葉漢字も仮名も発明していない


万葉漢字…? 万葉仮名のことでしょうか? それはただの書き間違いとしても、このツイート、心底バカとしか言いようがない。


日本はそれまで日本語を表すのに必要な独自の表記体系を持っていなかったから、日本語を表記するために必要だから仮名を発明したわけですが、中国語は漢字だけで事足りているわけです。どうしてわざわざ仮名に相当する文字を作る必要があるんですかね? それに、漢字だって万葉仮名のように表音文字として用いることはあります。唐納德·特朗普で「ドナルド・トランプ」ですね。もしかして、竹田はこんなことも知らないんですかね?


中国語を表記するには、仮名がなくても漢字だけで十分だから、仮名を生み出す必要がなかっただけです。「中国は仮名を発明していない」と言って、「日本のほうが巧みだ」とか言うって、こいつどこまでバカなんですかね?


(こいつ、漢字は「中国から伝わった」と言ってはいるけど、「漢字は中国が作った」とは発言していない。意図的か無意識化わかりませんが、「仮名の発明より、仮名のもとになった漢字の発明のほうが凄いじゃん」という反論を避けるため、そもそも漢字は中国が作ったものだという事実を無視してるんでしょうね)


>>あまつさえ、中国の国号の「人民」も「共和国」も維新前後に日本人が作った和製漢語である。


幕末から明治にかけて日本人が作った和製漢語が漢字圏に広く浸透したのは事実で、当時の日本の知識人の漢語知識の凄さには驚かされます。中国でも韓国朝鮮でも、学問関係の言葉はかなりの割合が和製漢語のはずです。


でも、それを言うなら、今の日本人は全然訳語を作ることができず、「コンピューター」とか「インターネット」とかカタカナのまんまですね。一方、中国語では「電脳」とか「互聯網」とか訳語が作られています。


それに、近代の西洋概念の翻訳語は確かに日本で作られた語が多いですが、それ以前に中国語から日本語には大量の漢語が流入しているわけです。「成功」だって「修行」だって「精進」だって「騒動」だって「挨拶」だって「親切」だって「活発」だって中国で作られた語句なわけです。それなのに「和製漢語を作った日本人のほうが、漢字を巧みに使ってきた」とか、何を言ってるんだ、竹田は。


そして、何よりもバカバカしいのが冒頭のこの発言。


>>人類でもっとも巧みに漢字使ってきたのは日本人。


総理大臣が「云々」「背後」「踏襲」「画一的」「未曽有」「頻繁」も読めないのに、巧みに漢字を使ってるって言えるの?


確かに日本語の訓読みというシステムはものすごい大発明だったと思います。朝鮮やベトナムは訓読みを発明しませんでしたが、日本は外国語であるはずの漢字を日本語で理解するということを可能にしました。例えば「石」という文字が「セキ」という音だけでなく「いし」という和語の読みがあることで、外来語としてではなく日本語としてこの漢字を理解することができます。「早い」と「速い」のように、和語を漢字で書き分けることも可能になりました。他の漢字圏では起きなかった現象です。


その一方で、「仮定」「家庭」「過程」「課程」「下底」などの同音異義語があまりにも多いという問題が発生しましたし、一つの漢字に読みが2つも3つもあるために極端に複雑になり、日本人は小中高はおろか、大学で高等教育を受けたはずの人でさえ、常に漢字に苦しめられるようになりました。大学教育を受けた人間が、日々読めない字に出会い、誤字を書き、総理大臣が読みを間違える。総理大臣がこんなにも頻繁に読み間違える言語って他にあるでしょうか? (まあ、「云々」や「頻繁」を読み間違えるような男の知能程度を、日本人の知能の指標として用いるのは不適切かもしれませんが)


日本語の漢字の使用法は他の漢字圏に見られない素晴らしい特徴もある一方、とんでもなく複雑化してネイティブスピーカーさえ使いこなせないという問題点も生み出しました。どの言語も、必要に応じて発展してきたわけで、得意な分野もあれば苦手な分野もあります。そこに優劣などなく、「日本人のほうが中国人よりも巧みに漢字を使っている」とか、よくもまあ無知と偏見丸出しにしてこんなことが言えるものです。


自分の国の文化に誇りを持つのはいいですが、こういう誇りの持ち方はただバカなだけですわ。「日本すごい!」とか言って悦に入るまえに、ちゃんと勉強してほしいですね。

にほんブログ村 政治ブログへ 
にほんブログ村 政治 ブログランキング
(スポンサードリンク)