<ざっくり言うと>
  • 鈴木信行、全く関係ない最高裁判決と悪質な生活保護申請を並べ、「このままでは悪質な外国人に日本が食いつぶされる」などと煽ることにより、あたかも「外国人生活保護=悪質」という印象操作を行う。
  • 鈴木信行、来日直後に生活保護を申請した46人の中国人の例を挙げ、「たかられ続ける日本」という見出しをつけるが、その46人の生活保護支給はほどなく保留→辞退および申請取り下げ→再発防止のために審査厳格化、という流れをたどったことには一切言及せず、あたかも不正な申請が横行しているかのように見せかける。
  • 鈴木信行のような典型的なヘイトスピーカーを政治家にしてしまったのは日本の恥であり、このような卑怯な嘘つきが二度と政治家にならぬよう、有権者は政治家を厳格に審査せねばならない。
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前回に続き、葛飾のヘイトデマ区議、鈴木信行についてです。前回、「激増する外国人生活保護」という嘘について紹介しましたので、今回はその続きで「たかられ続ける日本」という嘘について書きたいと思います。

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鈴木はこう述べます。
たかられ続ける日本

 平成26年7月18日に下された最高裁判所判決では「外国人は生活保護法の保護対象ではない」と判断されましたが、生活保護を支給する役所の判断で従来通りに支給されています。

こうした日本の甘い姿勢に付け込み、平成22年には大阪市で来日直後の支那人46人が一斉に生活保護を申請して支給を受けるという異常事態まで起きています。

ただちに外国人への生活保護廃止を

 外国人を保護するのは、その国籍を有する外国政府がするべきであり、このままでは日本が悪質な外国人たちによって食いつぶされてしまいます。鈴木信行は日本人の暮らしを守るためにも、葛飾区から外国人への生活保護の打ち切りを目指します。
ちょっと、ある意味鈴木信行はすごいと思います。数字や裁判内容では嘘をつかないように気を付けて「デマだ」という批判から逃れながら、一部の情報を隠したり、違う話をうまく結びつけたり、煽情的な言葉を挟んだりすることで、全体として見事なデマヘイトスピーチに仕上がっています。今回はこれについて見ていきます。

~嘘をつかずに嘘をつく方法~


実は、嘘を言わずに嘘をつくことって、意外と簡単なんですよ。例えば、

「マウスに醤油をわずか1g飲ませただけで死んでしまった。現在の市販の醤油のほとんどは原料の大豆が外国産で、甘味料や着色料が加えられており、わずかな量で死に至る恐れがあり非常に危険だ。醤油を使った料理は口にしてはいけない」

と聞いたらどう思いますか?


これ、個々の内容には、嘘はありません。実験していませんけど(しちゃいけないけど)、マウスに醤油1g飲ませたら、多分死にます。現在の市販の醤油の大豆の原料が殆ど外国産なのも、甘味料や着色料が加えられていることも事実。


でも、全体としては完全な嘘です。


まず、マウスの体重って30gぐらいです。1gと言ったら、体重の30分の1。体重60kgの成人男性であれば2kgです。2kg、つまり牛乳パック2本近くも醤油を飲んだら、死ぬのは当たり前です。そんなの醤油じゃなくたって、ソースだってサラダ油だってナンプラーだって死にます。


しかし、「わずか1gの醤油でマウスが死んでしまった」というネガティブ情報の後に、「外国産大豆」「甘味料」「着色料」などと続くと、あたかもマウスが死んだ原因が、外国産大豆や甘味料や着色料のせいである気がしてしまいます。実際には、何の関係もありません。


外国産大豆だから危険なんて根拠は全然ありませんし、甘味料や着色料だって、普通に料理に使う分量では人体に影響がない量に抑えられています。甘味料や着色料が人体に影響が出るくらいの量の醤油を摂取しようとしたら、醤油の一気飲みみたいなことをすることになり、甘味料や着色料に関係なく死にます。


「醤油1gでマウスが死んだ」とことと、「外国産大豆」「甘味料」「着色料」には、何の因果関係もありません。マウスが死んだ理由は外国産大豆でも甘味料でも着色料でもなありません。ところが、本来関係ない情報を続けることで、そこに関連性があるかのように見えてしまい、「外国産大豆は危ない」「醤油の甘味料は危ない」「醤油の着色料は危ない」となり、「外国産大豆や甘味料や着色料が使われている市販の醤油は危ない! 使ってはいけない!」という嘘情報を構築することが可能になるのです。


「醤油1gでマウスが死ぬ」も「外国産大豆」も「甘味料」も「着色料」も、個別に見れば嘘はないのに、そこにあたかも因果関係があるかのように見せかけることで、「醤油は危険」「醤油を使うな」という嘘のネガティブキャンペーンを張ることができるのです。


ね? 嘘をつかずに嘘をつくって、簡単でしょ?


鈴木信行のやっていることは、まさにこれなんです。それでは、具体的に見ていきましょう。

~最高裁判決と何の関係もない不当な受給~


鈴木はまず最高裁判決に言及し、「最高裁判決で、外国人は生活保護法の対象外とされた」と述べます。次に、来日直後の中国人が生活保護を申請して受給を受けたということを延べ、「このままでは悪質な外国人たちによって日本が食いつぶされる」と繋げています。


外国人は生活保護法の対象ではない

外国人の悪質な生活保護支給が発生

このままでは日本が悪質な外国人に食いつぶされる



こうつなげることで、あたかも「外国人生活保護」=「違法で悪質なもの」という印象を作り上げています。しかし、これは先ほど見た、「醤油1gでマウスが死んだ」と、「外国産大豆」などの関係ない情報をつなげ、「外国産大豆を使っている醤油は危ない」と結ぶことと全く同じ手法です。


たしかに、最高裁判決で外国人は生活保護法の対象外とされたことも、来日直後の中国人が生活保護の受給を受けたケースがあったことも事実です(これについては後述)。


ところが、この最高裁判決は、外国人への生活保護を違憲とか違法とかしておらず、外国人が行政措置により生活保護を受けることを追認する内容になっております。(詳しくはこちら


外国人の生活保護は生活保護法ではなく1954年(昭和29年)の厚生省の通知を根拠にしており、最高裁判決はその現状を改めて確認しただけであり、この判決によって何か状況が変わったというようなことは一切ありません。


それに、最高裁判決が出たのは2014年(平成26年)。来日直後の中国人が生活保護を受給してしまうという行為が発生したのはその4年前の2010年(平成22年)。つまり、最高裁判決と外国人の不当な受給という2つの事象には、全く因果関係が存在しません。鈴木のポスターを見て、うっかり「最高裁で違法判決が出たにもかかわらず、外国人に生活保護が与えられ続け、この甘い姿勢に付け込んで不正な申請が行われ支給がされた」と勘違いしてしまった人も多いかと思いますが、全然そんな事実はありません。そもそも時系列が逆ですし。


因果関係がないものを並べることにより、あたかも外国人の生活保護受給そのものが違法で悪質な行為であるかのように印象操作しているのが、鈴木信行の手法なのです。こんな卑怯な人間が存在していること自体に驚愕せざるを得ません。

~すぐに支給が停止されたことを隠す卑怯極まりない鈴木信之~


さらに、鈴木信行の決定的な卑怯な点があります。


鈴木は「このままでは悪質な外国人に日本が食いつぶされる」と主張し、来日直後の中国人46人が生活保護を申請し、一部が実際に支給を受けた大阪市の例を挙げています。


しかし、実はこの件、来日直後の中国人が生活保護を受けたのは事実ですが、すぐに保護費の支給が保留され、その後、生活保護申請をしていた46人全員から生活保護の辞退および申請の取り下げがあったのです。しかも、その人らの資格も、「定住者」ではなく「特定活動」へと変更になり、今後も生活保護準用対象から外されることになりました。


以下は、実際の大阪市の説明です。
 この度、中国国籍の方が入国し、外国人登録が認められた直後に生活保護申請を集団で行うという事例が発生しました。
 所定の手続きを経て入国し、定住が認められた外国人については、国の通知により、生活保護法を準用する制度になっています。
 当初の段階では、すでに入国管理局が入国を許可し、形式的に要件が整っている以上、保護決定をせざるを得ない状況にあると考えられたことから、本市としては、申請のあった事案について、保護決定を行いました。
 しかしながら、本市としては、次の「基本的認識」に示すとおり、入国管理法の運用や生活保護制度の準用に問題があるのではないかとの認識から、入国管理局他、関係先に対して申し入れ等を行うとともに、同様の生活保護の申請は受付を保留し、厳正な対応を行っていくこととしました。また、今回の事実を平成22年6月29日に公表し、問題提起を行いました。

基本的認識


・入国管理法では「生活上国又は地方公共団体の負担となるおそれのある者」は入国を拒否することとなっているにも関わらず、今回のケースでは日本に入国してすぐ生活保護を申請している。このことから、法の趣旨を大きく逸脱した、在留資格の審査がなされている可能性がある。
・厚生労働省の通知では、形式的に在留資格を得ているだけで、生活保護制度を準用することになっている。
・結果的に、本市に何の裁量権もなく、生活保護法を適用しなければならないというのでは、市民の理解は得られにくく、また、4分の1の財政負担を余儀なくされる大阪市としても納得できるものではない。
・人道上の観点から、中国残留邦人の子孫の方たちの処遇をどう考えるのかという問題は国の責任において、別の制度、施策を設けて対応すべきものであり、生活保護の準用の是非という観点だけで本市に判断を委ねるのは大きな問題である。

 その結果、平成22年7月21日、厚生労働省より今回の件について、身元保証人による保証の実態がないなど、結果的に生活保護目的の入国とみなさざるを得ない場合は、生活保護を準用しない旨の回答を受けました。
 この厚生労働省の回答を受け、現在の状況では、生活保護を準用することはできないと判断し、平成22年8月以降の保護費の支給を保留するなどの措置を取りました。
 その後、平成22年9月10日までに、今回集団で申請を行った16世帯46人全員から生活保護の辞退および申請の取り下げがありました

 しかし、すでに受給済みの方について保護決定を過去に遡って取り消すのかどうかなどの問題も残っていましたし、いったん生活保護を辞退することによって、「国または地方公共団体に負担をかけない」こととし、一定の期間が経過した後に再申請することも懸念されました。
 そのため大阪市としては、入国管理局の再調査の結果に関する見解や、関係資料をもらったうえで最終的な意思決定を行うこととしました。
 その後、大阪入局管理局から、平成23年4月19日になって、この方々の在留資格の更新申請にあたっては、これまでの「定住者」資格ではなく「特定活動」資格に限って許可し、生活保護準用の対象とはしない方針であるとの説明がありました。

(略)

その後の国の対応
 
 平成23年8月17日付で、厚生労働省より「外国人からの生活保護の申請に関する取扱いについて」が各自治体あてに通知されました。入国後間もない外国人から生活保護の申請があった場合、生活保護の実施機関は、申請者に対して入国管理局へ提出した資料(入国在留中の一切の経費を支弁することができることを証する文書等)の提出を求め、申請者が理由なく提出を拒む場合は生活保護の申請を却下できるという内容です。
 また、厚生労働省の通知に先立ち、法務省からも各地方入国管理局に対して、入国を求める外国人が「生活上国又は地方公共団体の負担となるおそれのある者」でないかを一層厳正に審査するよう通知が出されています。

2011年4月26日大阪市HP
鈴木が言及している中国人46人の生活保護は支給も申請も取り消され、今後同様の事例が発生しないよう審査を厳格化することが通知されたのです。生活保護目的の来日は当然認められませんし、発覚すれば今回のように定住者の在留資格が取り消されたりすることもあるわけです。


しかし、鈴木信行はこのことに全く言及せず、「たかられ続ける日本」などと、あたかも不当な生活保護支給が横行しているかのように見せかけています。信じがたい卑怯者です。


しかも、この前に「激増する外国人生活保護」「10年前の2倍近くに激増」とあるので、鈴木のこのポスターだけ見た有権者は、生活保護目的の来日でも生活保護が与えられてしまっており、それが外国人の生活保護が「4万世帯を超えて10年前の2倍近くに激増」している理由だと勘違いしてしまうことでしょう。もちろん、そんな事実は全くありません。外国人の生活保護の増加率と日本人の生活保護の増加率はほぼ同じなのですから(それどころかここ数年は外国人の生活保護は微減している)、外国人の生活保護の増加が不正な申請によるものでないことは明らかです。


どんな政治信条を持っていようが勝手ですが、嘘つきと卑怯者だけは、絶対に民主国家の政治家にしてはなりません。鈴木信行は日本の政治家に絶対になってはいけない最低の卑怯者です。どこをどうやれば、人間ここまで卑怯になれるのでしょう。

~「悪質な外国人に日本が食いつぶされる」という嘘:卑怯な政治家は日本の恥~


鈴木は「外国人を保護するのは、その国籍を有する外国政府がするべき」と言っています。しかし、そんなことは全く事実に反します。少なくとも以前記事にした通り、G7のような先進国では、合法滞在者は本国人とほぼ同様の社会保障が受けられます。詳しくはこちら


そして、鈴木は「このままでは日本が悪質な外国人たちによって食いつぶされてしまいます」と言います。これが鈴木のもっとも主張したいことでしょう。


しかし、上で見たように、鈴木が悪質な外国人の例として挙げた中国人46人の一括申請は、わずかな期間で保留→申請取り下げ→審査厳格化となりました。このように生活保護目的の来日という悪質な申請は認められておらず、それが横行しているような事実はありません。


また、外国人の生活保護の増加率は日本人の生活保護の増加率とほとんど同じですから、外国人の生活保護の増加が悪質な申請のせいでないことは明白です。


しかし、そういう事実を隠し、外国人の生活保護の増加悪質な申請という、本来何の因果関係もない2つを並べ、「たかられ続ける日本」「悪質な外国人に日本が食いつぶされる」と煽情的な言葉を用いることで、「外国人の生活保護が激増しているのは、生活保護目的の悪質な外国人のせい! 外国人生活保護を停止しなければ日本が食いつぶされる!」という、意図的な誤解を有権者に与えようとしています。なんと卑怯で、なんと小狡いことか。政治家以前に、人間として本当に下劣な男だと糾弾せざるを得ません。


このような卑怯で下劣なデマヘイトスピーカーが政治家になってしまったことは、日本の恥という他ありません。二度とこのような卑怯なヘイトスピーカーが政治家になることがないよう、我々は普段からデマに耐性をつけておく必要があるでしょう。先ほど不正があれば審査の厳格化をすればよいと言いましたが、政治家を審査する立場である有権者は、普段から関心を持ち、鈴木信行とか、長谷川豊とか、丸山穂高のような卑怯者が政治家にならぬよう、審査の厳格化をする必要があります。

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