<ざっくり言うと>
  • 「定年延長」には、A「全員の定年を65歳に引き上げる」B「定年を迎えた個人の退官を内閣の判断で最大3年間延長する」の2種類があり、問題になっているのはBの方であるが、加藤清隆はAについてだけ言及し、Bを無視して誤魔化している。
  • 検察官に上記の定年延長Bを適法することは長年違法とされてきた。
  • 安倍政権の検察庁法修正案は、Bを合法にしようとするものだが、Bを合法化しなければならない理由を全く説明できていない。
  • これまで検察の政治的中立性・独立性を保つために守られていたルールを壊すということは、検察の政治的中立性・独立性が揺らぐことを意味する。
  • 加藤清隆は反対意見の盛り上がりを「中国が背後にいるのではないか」と妄想陰謀論までぶちまける。
  • 都合が悪くなると中国陰謀論に逃げる加藤清隆という人物は、全く信頼するに値しない。
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↑今回のバカ丸出し大ウソつき、加藤清隆
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これまでの検察庁法改正案関連記事
目次

歌手を無知扱いする無知な加藤清隆


加藤清隆が「#検察庁法改正案に抗議します」とツイートしたきゃりーぱみゅぱみゅに「歌手やってて知らないかもしれないけど…」とツイートして、これが話題になりました。歌手全体を中傷する発言と言って過言ではないですね。

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さて、この自称政治評論家の加藤清隆ですが、「歌手やってて知らないかもしれないけど」などと言うのですから、本人はさぞかし良く理解できているのでしょう。 >>検察庁法改正案は国家公務員の定年を65歳で揃えるため。


はい、大ウソ!!!


まあ、これまでも嘘だからだった自称評論家の加藤清隆ですから、今回の問題を理解できていたらそのほうがはるかに驚きなんですけどね。


では、検察庁法改正の何が問題なのか、この自称評論家のバカにも理解できるように解説しましょう。



2つの「定年延長」を理解していない加藤清隆


加藤清隆の主張は、前回の高橋洋一と同じく、「検察庁法改正は、公務員全体の定年の延長であり、人事を思い通りにするものではない」という主張です。しかし、高橋洋一も加藤清隆も、理解していないのかわざとなのか知りませんが、「勤務延長」の方を意図的に無視しています。


定年延長、定年延長と言われていますが、定年延長には2つの意味があり、その2つが混同されて使われているため訳が分からなくなっているのです。定年延長には以下の2つの異なる意味があるのです。

A.63歳の定年を65歳に引き上げる。

B.定年を迎えたものを、内閣が必要と認めた場合に、最高3年間延長して勤務させられる。


Aは全員の定年が単に引き上げられるだけですが、Bは個別人事で、全く異なるものです。本来Aは「定年引上げ」Bは「勤務延長」として別の言葉で呼んだほうが分かりやすいんですが、AもBも「定年延長」と呼ぶのがまかり通ってしまっていてわかりづらくなっているのです。加藤清隆は、自称政治評論家やってて、知らないかもしれないけど(知らないんだろうなあ)、さほど問題のないAの方だけ言及して、この法律が問題ないと言ってごまかしているのです。本当に問題があるのはBの方です。



問題は勤務延長の方だ! ~検察の政治的中立性・独立性が揺らぐ~


国家公務員法では、第81条の3で勤務延長(上記の定年延長B)が規定されていました。
第八十一条の三

 任命権者は、定年に達した職員が前条第一項の規定により退職すべきこととなる場合において、その職員の職務の特殊性又はその職員の職務の遂行上の特別の事情からみてその退職により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる十分な理由があるときは、同項の規定にかかわらず、その職員に係る定年退職日の翌日から起算して一年を超えない範囲内で期限を定め、その職員を当該職務に従事させるため引き続いて勤務させることができる

○2 任命権者は、前項の期限又はこの項の規定により延長された期限が到来する場合において、前項の事由が引き続き存すると認められる十分な理由があるときは、人事院の承認を得て、一年を超えない範囲内で期限を延長することができる。ただし、その期限は、その職員に係る定年退職日の翌日から起算して三年を超えることができない。
どうしてもその人が退職したら仕事が回らなくなってヤバイ、という時だけ、最大3年その人の勤務を延長させることができるわけです。現在の国家公務員法では定年は60歳なので、どうしてもその人じゃないと困る、という場合にだけ、最長で63歳までその人に引き続き勤務をしてもらうことが可能だというのがこの法律でした。これが「勤務延長」です。先ほどの「定年延長B」の方ですね。


ここでものすごく重要なのは、この勤務延長規定(定年延長B)は、検察官には適応されないとされてきたことなのです。この国家公務員法の法改正がなされた1980年当時の想定問答集でもそう書かれていますし、1981年の国会でも、国家公務員の勤務延長規定は検察官には適応されないとの答弁がなされています。



なぜ検察官にはこれが適応されないとされてきたかというと、検察は行政の一つではあるものの、起訴をする権利をもつ唯一の機関であり、政治からの独立性・中立性が求められるからです。検察は、政治家を逮捕して起訴する権利さえ持っているわけで、今話題の自民党の河合夫妻の公選法違反疑惑も、検察が取り調べているわけです。


ところが、もしも官邸が自分に都合のいい奴の任期を延長できるようになったらどうでしょうか。現在、検事総長は2年程度で変わるわけですが、最大3年の勤務延長を使えば、5年も同じやつを検事総長にできますから、官邸が「こいつはうちに都合がいいぞ」と思ったやつを5年も検事総長に置いておく、なんてことも可能になります。それに、官邸に都合がいい奴だと任期を延長してもらうために、自ら進んで官邸におべっかを使うような奴が出てくるかもしれません。そうなれば、与党にだけ検察が手心を加えるなんてことにだってなりうるわけです。


実際にこのようなことが起きなかったとしても、「政府与党に忖度しているんじゃないか」と国民に疑われるだけで、検察への信頼が揺らいでしまいます。「李下に冠を正さず」という言葉がありますが、検察のようなものすごく強い力を持った組織については、疑われるような制度自体を排除しておくことが大事です。このため、国家公務員法の勤務延長(定年延長B)は、検察には適応されないとされてきたわけです。


ところが、安倍政権は、今回の検察庁法改正で、検察の勤務も他の国家公務員と同じように延長できるようにしようとしているのです。


これまで検察の政治的独立性・中立性を保つために、国家公務員の勤務延長規定(定年延長B)は検察に適応されないとされてきたのに、それが検察に適応されると言うことは、検察の政治的独立性・中立性が揺らぐということを意味します。


加藤清隆も、高橋洋一も、ほかにも「#検察庁法改正案に抗議します」タグを中傷している連中も、そこが全く分かっていない。


ちゃんと考えようね。検察の政治的中立性・独立性を保つために守られてきたルールを崩すと言うことは、検察の政治的中立性・独立性が保てなくなる恐れがあることを意味することを。


最終手段は「中国がー!」の思考停止陰謀論


このように、自称政治評論家の加藤清隆は、検察庁法改正案の何が問題だとされているのかも理解できていないわけですが、検察庁法改正案反対のタグが100万200万とツイートされたら、こんなことを言い出しました。 >>どう考えても150万とか200万とかが事実ならば、裏で糸を引いている奴がいるのだろう。
>>もしかしたら、中国とつながっているかも知れない。



出たよ、都合が悪くなった時の最強技、「中国がー!!」


説明がつかなくなった都合が悪い事態に直面した時のバカの最終手段、「中国がー!」。孫向文なんかも、デマを指摘されて都合が悪くなったら「工作員だー!」って言って耳をふさぐ。「ピラミッドはどうやって作ったの?」って説明できなくなったら「宇宙人がー!」って言い出すのと同じレベルです。


大体、なんで中国が日本の検察庁法改正案反対を主導するんだよ。きゃりーぱみゅぱみゅに「デタラメな噂に騙されないでね」とか言いながら、自分はこんな出鱈目な妄想。よくもまあ恥ずかしくないものです。


この検察の政治的中立性・独立性を揺るがす不要不急の法案を、このコロナ禍で強行採決しようとする安倍政権。これが国民のための政権かどうか、今一度よく考えてみてください。

↓参照記事


↓加藤清隆のこれまでのデマ










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