<ざっくり言うと>
  • 長谷川幸洋が『夕刊フジ』に、検察庁法改正案を擁護し、野党や「左派」を批判する記事を載せているが、書いてある内容がほぼすべてデマである。
  • 問題とされているのが定年引上げではなく勤務延長である。
  • 長谷川幸洋は、自分が批判している野党の主張内容さえ正しく理解できていない。
  • 長谷川幸洋は、黒川氏の定年延長と今回の法案は関係ないと言っているが、事実と異なる。
  • 法務省が国会答弁で、この法律により、理屈上黒川氏の定年が最大68歳まで延長可能であることを認めてしまっているが、長谷川幸洋は不勉強にもこの答弁を把握していない。
  • 長谷川幸洋は、「(左派の)彼らの不勉強と紋切り型の記事に振り回される読者が気の毒になる」と言っているが、不勉強でデマ記事を書いて読者をだましているのは長谷川幸洋の方である。
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↑本日のデマゴーグ、長谷川幸洋
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これまでの検察庁法改正案関連記事
検察庁法改正案が見送られましたが、ネトウヨさんは暴れてるみたいですね。長谷川幸洋がデマ新聞『夕刊フジ』にデマ記事を載せています。
 彼らは何か勘違いしているのではないか。というより、「ためにする」議論とはこのことだ。
 そもそも、この話は検察庁法だけを改正するのではない。自衛隊員や会計検査院検査官も含めて、国家公務員全体の定年延長や待遇改善のために、多くの関係法改正案がまとめて提出されている。
 なぜ、国家公務員の定年を延長するのか、と言えば、民間と同じく年金支給開始年齢が引き上げられるからだ。検察官だけ定年延長しないとなったら、彼らだって労働者なのだから、怒るだろう。(夕刊フジ5月18日
また同じデマか…。

もう、このデマを取り扱うの何回目かもわからなくなっちゃったんで詳しいことは過去記事を見てもらいたいんですが、検察庁法改正案には、2つの異なる「定年延長」が含まれています。

A)検察官全員の定年を65歳に引き上げる。(定年引上げ)

B)内閣が必要と認めた場合に、定年を迎えたものでも最長3年間引き続き勤務に当たらせることができる。(勤務延長)


このうち、長谷川幸洋が述べているのはAの定年引上げのほうだけ。今問題となっているのはBの勤務延長の方です。長谷川は、Aだけ述べて、本当に問題であるBを隠しています。


高橋洋一といい、加藤清隆といい、和田政宗といい、黒瀬深といい、このブログで取り上げた、この法案を擁護しているやつ、みんな同じデマを飛ばしますね。自分たちと同じような人たちの記事しか読まずに、互いに引用し合ってるんですかね。


さらに、長谷川はこう続けます。
それはともかく、左派が騒いでいるのは、次のような理屈であるらしい。

 「黒川弘務・東京高検検事長は『政権に近い』と言われている。1月末の閣議決定で、2月だった定年を8月まで半年間延長したうえ、今度は法律まで変えてしまえば、いまの稲田伸夫検事総長が退官した後、黒川氏を後釜の総長に据えられる。安倍晋三政権は自分の意のままに検察を動かそうとしているのだ」

 これは一見、もっともらしく聞こえる。国会で野党に追及された大臣にも答弁の言い間違いがあったので「疑惑」に輪をかけた。だが、根本のところが間違っている。

 稲田検事総長の任期は、65歳の誕生日を迎える2021年8月までだ。稲田氏が誕生日まで総長を務めれば、黒川氏の目はなくなる。検事総長は「就任2年(7月)で退任」という不文律があるらしいが、左派マスコミが報じたように、本当に「法務検察も危機と思っている」なら、そんな慣例にとらわれている場合ではないはずだ。

 そもそも、定年延長を定めた改正検察庁法案が今国会で成立したとして、施行されるのは「22年4月1日」である。これは、検事長らにも適用される国家公務員法改正案の附則第1条で事前に決まっている。

 そうだとすれば、黒川氏は改正法施行までには、65歳を過ぎて退任してしまうので、いずれにせよ、総長就任の可能性はなくなってしまうのだ。つまり、検察庁法の改正と黒川氏の就任問題は、まったく関係ない。
根本のところが間違っているのは長谷川幸洋のほうです。


まず、長谷川は野党が「1月末の閣議決定で、2月だった定年を8月まで半年間延長したうえ、今度は法律まで変えてしまえば、いまの稲田伸夫検事総長が退官した後、黒川氏を後釜の総長に据えられる」と主張していると言ってますけど、そんな主張をしている野党はいません。


法律を変えようが変えまいが、稲田検事総長が退官した後、黒川検事長を後任に据えることは1月の違法な閣議決定で可能になっています。だから、「今度は法律まで変えてしまえば、いまの稲田伸夫検事総長が退官した後、黒川氏を後釜の総長に据えられる」なんて主張している野党はないのです。野党は「黒川氏の脱法的人事を事後的に正当化しようとしている」と批判しているのです。


野党批判をするなら、野党がどういう主張をしているのかぐらい調べてから発言してもらいたいものです。この問題で野党批判している人で、野党が何言っているのか理解して発言している人を今のところ一人も見ていない…。


しかも、長谷川は無知なのかバカなのか知っててわざと言わないのかわからないけれど、施行されるのは「22年4月1日」だから黒川氏の定年と関係がないとか言っています。しかし、もちろんこれも事実と異なります。東京法律事務所のブログに、検察庁法改正案の「賛成意見に捧ぐQ&A」というのがあるので引用します。
Q3 検察庁法改正案の施行日は2022年4月1日です。黒川検事長の定年延長や検事総長就任(予定)とは関係がないのではないですか?

(回答)確かに検察庁法改正に関わらず、黒川検事長の定年は延長され(2020年2月)、その後に検事総長に就任すると思われます(2020年7月)。しかし、黒川検事長の定年延長はその根拠がないため「違法」です。この「違法性」を事後的に正当化するために改正法が成立するのです。
 加えて、改正法は黒川検事長の定年延長問題と時期を同じくして用意されました(Q2の回答参照)。このように見ると改正法と黒川検事長は密接な関係があります。
 加えて改正法は黒川氏を68歳まで検事総長に据えることも可能な内容となっています。すなわち、黒川氏は7月に検事総長となり、定年が65歳にまで延び、2022(令和4)年2月7日に定年を迎えますが、以下の2つの抜け道があります。
(その1)最初の抜け道は、解釈変更された現行法に基づく勤務延長で検事総長を続投させれば、2022年4月1日を検事総長として迎えることができ、その後は改正検察庁法で続投できます。
(その2)次の抜け道は、法施行日が政令で定めることができるので、前倒しをして、2月7日より前に改正検察庁法を施行し、さらに定年を3年間延長することができます。法成立後もこのような動きに注意しなければなりません。
黒川氏の定年延長を決めた違法な閣議決定がなければ、この法律に定年延長(勤務延長)が盛り込まれることはありませんでしたし、黒川氏の定年を再延長する、もしくは施行日を政令で定めるという但し書きを利用して法律の施行を早めるという方法で、黒川氏の定年をさらに長引かせることが可能です。


何より、実際に野党共同会派の小西洋之参議院議員が法務省刑事局に国会で質問したところ、これにより黒川検事長の定年を最大68歳まで延長することが可能であるはっきり答弁しちゃっているのです。


野党共同会派の小西洋之参議院議員が法務省刑事局に見解を尋ねました。「黒川氏が」と固有名詞をあげて聞くと答えないため、一般論として「今年2月に63歳の定年を迎える検事長がいた場合(黒川氏のこと)、今の法制度と改正される新たな検察庁法の規定により、検事総長を続けることができるのは何歳までか?」と尋ねました。回答は「68歳まで続けられる」というものでした。
長谷川は、この法律が成立しても黒川氏の定年には関係ないと言って、野党や「左派」が嘘をついていると批判していますが、実際には法務省が黒川氏の68歳までの定年延長が可能であることを国会答弁で認めてしまっているのです。長谷川は不勉強にも、この答弁を見ていなかったのでしょう。テレビでも繰り返し報道されたように思いますが。長谷川幸洋の言ってることは嘘ばかりです。


そして、長谷川幸洋はこういいます。
 「一般には、法施行日のような細かい話は分からないだろう」とタカをくくって、左派が宣伝し、それに「著名人」が乗ったのだとしたら、実に残念だ。

 かねて「著名人」には左派ファンが多いと知ってはいたが、私は「無垢な(?)彼ら」を操った野党やマスコミの方が罪深い、と思う。

 私が新聞記者時代、法改正と聞いても、改正案の本文どころか、簡略化した要綱さえ読んだことがない記者がほとんどだった。彼らの不勉強と紋切り型の記事に振り回される読者が気の毒になる。
もうお分かりですね。不勉強な記事で読者をだましているのは長谷川幸洋のほうです。


長谷川は、「左派」が「一般には、法施行日のような細かい話は分からないだろう」とタカをくくってデマを吐いたかのように言っていますが、長谷川こそ、知ってか知らずか「必要な施行期日を定めるものとすること」という但し書きのことを隠しています。「一般には、法施行日のような細かい話は分からないだろう」とタカをくくってデマを吐いているのは長谷川のほうです。


また、上記のように、明らかに国会での法務省の答弁も知りませんでした。この法律により、最大68歳まで黒川氏の定年を延長することが理屈上可能であることを法務省が国会で認めてしまったにもかかわらず、「この法律と黒川氏の定年は関係ない」と言う長谷川のなんと不勉強なことか。


長谷川はそもそも何が批判されているのかえ理解せず、野党が何を主張しているのかという時点で間違えて「野党がー!」「左派がー!」と批判しています。せめて批判対象が何を主張しているかぐらい理解してから記事を書いたらどうなんでしょうか。本当に長谷川幸洋のよう人間は罪深い。


結局何が問題なのか、長谷川のこの記事の何がデマなのかよくわからないという人は、下の記事を読んでみてください。



また、東京法律事務所というところのブログにQ&Aが載っていますので、こちらも参照してみてください。長谷川幸洋という男が、いかに不勉強で何にも理解しないまま記事を書いちゃっているか、よくわかると思います。



みなさんはちゃんと調べて、こういう人間に騙されないようにしてください。

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