<ざっくり言うと>
  • 外国人生活保護に関するデマがバズっているが、そこの記述は全てデマ
  • 「在日63万人中46万人無職(72.6%)」は、0歳児も専業主婦も100歳のお年寄りも全て「無職」として数えたもの。
  • 両親と子供2人の4人家族で、母親が専業主婦であれば、無職率は75%となる。在日コリアンの無職率72.6%は、全く異常な数字ではない。
  • 「不正受給の95%が在日」もデマ。不正受給の95%が在日だと在日全体の生活保護受給数を上回ってしまう。
  • 「安倍総理が生活保護受給の外国人の強制送還に着手」は2013年に井上太郎が流したデマ。2020年になっても安倍総理自身一言もそのような発言をしたことがない。
  • 外国人生活保護における在日コリアンの多さは圧倒的高齢者数が原因。
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↑何年もの長きにわたって拡散され続ける悪質なデマ

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またも同じデマが繰り返されています。
こんな卑劣なツイートが何千何万もRTや「いいね」されているのを見ると、本当に悲しい気持ちになります。なぜ、こうも悪意を持って、これほどあからさまなデマを鵜呑みにし、ばらまき、差別を扇動する人間がいるのでしょうか。彼らには、「サヨクがー!」とか「野党がー!」とか言う前に、こういうネットデマを信じないだけの知性を身に着けてほしいです。


既にこのデマはこのブログで何回も取り上げましたが、もう一度取り上げます。こんなデマはいい加減終わりにしてもらいたいものです。

↓デマの元ネタになっているデマまとめ

目次

1.在日63万人中46万人が無職というデマ 

現在在日韓国朝鮮人は44万しかいない


これについては、以下の記事に詳細を書いておきました。2014年の記事ですから、もう6年も経つのに、デマは収まらないもんですね。



まず、現在在日韓国朝鮮人は、永住者以外を含めても44万6000人しかいません(法務省HP参照)。この時点で、「46万人が無職」という数字がおかしいとわかってもらいたいものですが、デマを飛ばしている人たちは、在日朝鮮人を非難しながら、在日朝鮮人が何人いるかも知らないのです。彼らが現実の在日コリアンについて無知のまま、ネットで作り出された虚構の「在日朝鮮人」像を鵜呑みにして「在日がー!」などと言っているということがわかります。

「46万人無職」は0歳児も主婦も100歳のお年寄りも合わせた数字


では、46万人無職という数字の元ネタはなんなのでしょう。これは、民団のHPに1999年の就職状況の情報が載っていて、それがもとになっています。

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たしかに総数636,548人中、無職462,611人と書いてあります。在日コリアンは果たして本当に働かない怠惰な人たちなのでしょうか?


もちろん違います。この表をよく見てみましょう。職業の内訳に、「学生」も「パート・アルバイト」もないことが分かります。この無職46万という数字は、0歳児の赤ん坊も、学生も、専業主婦も、100歳のお年寄りも、全て「無職」として数えた数字なのです。「パート・アルバイト」も無職扱いであるがために、女性33万人中29万人が無職なんて数字が出てしまっているのです。


63万人中46万人無職(73%)というと高い数字に見えますが、例えばサザエさん一家は7人中無職が5人なので、無職率71%です。波平が定年を迎えれば85%になります。

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『あさりちゃん』の家の無職率は75%です。

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『ちびまる子ちゃん』のうちは、6人中5人が無職ですので、無職率83%です。(でも、父ヒロシが働いているシーンは見たことがありませんね(笑))

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在日コリアンの63万人中46万人無職(73%)というのは、このような計算で出した数字です。両親と子供2人の4人家族で、母親が専業主婦であれば、無職率は75%です。63万人中46万人無職は全然異常な数字ではないのです。


この「46万人無職=在日の生活保護受給者数46万人」と思っている人がいますが、もちろんそんなことはありません。世帯内に何人無職がいようが、世帯収入が十分であれば生活保護にはなりませんからね。家族6人中5人無職のさくら家も、生活保護家庭じゃないでしょ。


実際の韓国朝鮮人の生活保護人員数は35,546人です(平成30年(2018年))。日本人を含んだ全被保護人員数は2,068,958人ですので、在日韓国朝鮮人の生活保護受給者数は、日本全体の1.7%にしかなりません。


2.「生活保護の不正受給の95%が在日」というデマ

これも、何度か記事にしています。



厚労省によれば、平成30年(2018年)の不正受給件数は37,287件です(参照)。これの95%と言うと、35,422件です。在日コリアンによる不正受給が、35422件もあったと言うのでしょうか?


もちろん、そんなことがあろうはずがありません。世帯数別ですと、同年の在日コリアンの被保護世帯数は29,414世帯ですので(統計局HP)、もしも不正受給の95%が在日コリアンだと、不正受給数が全受給数を6000件も上回ってしまいます


不正受給数>全受給数 なんてことがあり得ないことは、小学校で分母と分子を習った人なら、すぐにわかりますよね。不正受給の95%が在日だなんていうのは、あまりにも酷い大嘘です。小学校3年生の算数ができる人なら、すぐにデマだと見抜けるはずなのですが、こんなデマを流している人たちは、小学校で分数を習わなかったのでしょうか? 


不正受給の国籍別割合は発表されておりませんが、もしも在日コリアンが大量に不正受給をしているのであれば、その人たちは受給資格を失い、在日コリアンの受給者数そのものが大幅に減少しなければなりません。「在日の生活保護がー!」と言っている人たちは、在日の生活保護が多いと文句を言いながら、在日の不正受給が多いと文句を言っています。しかし、この2つは同時には成り立たないのです。


ツイッターでデマを飛ばしている人たちが元ネタにしているサイトに、いくつか在日コリアンによる不正受給が紹介されていて、それをネタに「在日朝鮮人の不正受給がー!」などと彼らは言っていますが、上述のとおり、年間の不正受給数は、年間約40000件もあります。そのうちの数件、在日コリアンの不正受給を取り上げて、どうして「在日朝鮮人に不正受給が多い」などと言うことができるでしょうか。論理的な破綻も甚だしいといわなければなりません。


以上のとおり、在日コリアンに不正受給が多いという根拠は何ひとつないのです。在日コリアンを中傷したい人たちが脳内で生み出した妄想と言う他はありません。まして、不正受給の95%が在日だなんてデマは、分数ができれば騙されるはずがないデマです。それでもこれに騙される人は、自分の信じたいなら何でも鵜呑みにしてしまう人だと言わざるを得ないでしょう。


なお、不正受給というと、お金持ちなのに貧困を装ってるようなイメージをお持ちの人が多いでしょうが、実際のところは、高校生の子供のアルバイト代を申告していなかったというようなケースがほとんどです。不正の意図なしに不正受給になってしまったというケースが多く、「不正受給=悪人」というようなイメージは正しくありません。



3.「安倍総理が在日強制送還に着手」は井上太郎が流したデマ


ツイッターでデマを飛ばしている人たちは、デマ記事の「安倍総理が在日強制送還に着手」という記事を根拠に、「安倍首相最高!」と騒ぎ、「安倍批判は在日強制送還の防止のために在日がやってる」などと妄想を募らせます。


しかし、そもそも安倍総理が在日コリアンの強制送還に着手したということ自体が、100%大嘘です。


これの元ネタは解っています。井上太郎という人物で、青林堂などに執筆していますが、冗談抜きで発言のそのほとんどがデマという驚くべき人物で、実際にデマによる中傷で裁判を起こされ敗訴しています(参照)。


井上太郎が最初にこのデマを言ったのは、2013年4月です。なんと、今から7年も前なのです。
井上太郎は、このツイートを年1回ほどのペースで繰り返していました。 2013年に「いよいよ実行されてきています」と発言していたのに、2017年になってもまだ「いよいよ実行されてきています」のまま。おかしいですよね。そして、2020年になってもいまだ何ひとつ起きていません。


それに、井上は「3年ごとの滞在許可期限に合わせ延長の申請を却下」って言っていますが、そもそも生活保護を受け取れる外国人は永住者や日本人の配偶者に限られています。永住者なんだから、3年ごとに滞在許可期限が来ることもないし、延長の申請をする必要もありません。井上の言ってることはもうめちゃくちゃですね。(永住資格は7年ごとに更新する必要があるが、「滞在許可期限の延長」ではない)


第一、この強制送還について、これまで安倍総理自身はもとより、安倍政権の誰一人たりとも一言たりとも言及したことがないのです。安倍政権の誰か一人でも、「生活保護を受けている外国人を強制送還する」なんて発言しましたか? していませんよね。以上のことから、「安倍総理が生活保護受給外国人を強制送還する」などというのは、井上太郎が流したデマに過ぎないと断言できます。


2013年のデマに今頃「朗報だ」なんて言って、それが1万以上RTされ、そんな人間が「日本を取り戻す」とか言っているんだから、情けなくて涙が出ます。

こんなデマで支持されても、安倍総理ご本人も迷惑だと思うんですけどね。



4.被保護数の多さの理由は圧倒的高齢者数


今回のデマの元ネタになっているサイトには、他の外国人と韓国朝鮮人の生活保護受給者数を載せて、いかに在日朝鮮人が多く生活保護を多く貰っているかを強調しています。


ところが、生活保護の対象になりえる永住者や特別永住者の数を比べると、在日コリアンが他の外国人に比べてずっと多い上に、65歳以上の高齢者となると、在日コリアンが圧倒的多数を占めるのです。

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↑高齢者人口にこれだけの差がある。(2018年6月

在日コリアンの被保護数は、他の外国人に比べて多いのはこういう理由です。これについても、以前詳しく書いておきましたので、そちらの記事をご参照下さい。



以上のとおり、合計何万回RTされたかわかりませんが、その全てが完全にデマです。


このブログでは、外国人生活保護については、本当に何度も何度も記事にしてきました。詳しく知りたい方は、過去記事を参照して見てください。「外国人生活保護に違憲判決が出た」だの「日本以外に外国人に生活保護を与える国なんかない」だの「外国人の生活保護受給者が増えている」だの、ここで取り上げなかったデマがいくつもあります。実際には違憲判決なんか出ていませんし、欧州先進国は外国人に生活保護を与えていますし、外国人の生活保護受給者はここ数年減り続けています。


もう、本当に、情報ソースもないようなまとめサイトを信じるのはやめてください。デマは愛国でも保守でもなんでもありません。純然たる悪です。








 



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