<ざっくり言うと>
  • 安倍政権は、黒川氏が退職したら「業務に著しい支障が生じる」から黒川氏の定年を延長したのに、実際に退職しても支障がないことを刑事局長が認めてしまう。
  • 安倍政権はその場その場で自分たちに都合のいい嘘をつくだけの組織になり果てている。
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↑息を吐くように嘘を吐く総理大臣。
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安倍政権という組織は、その場その場で都合のいい出鱈目をひねり出すだけなので、どこからほころびが生じます。今回は、法務省刑事局長がこんなことを言い出しました。
賭けマージャンで辞職した黒川弘務・前東京高検検事長の定年延長問題を巡り、法務省の川原隆司刑事局長は4日の参院法務委で、黒川氏の退職により「捜査に特段の支障は生じない」と答弁した。(毎日新聞6月6日
おかしいですよね。今年1月31日に、わざわざ違法な閣議決定までして、定年退職直前の黒川弘務氏の定年を延長したわけですが、安倍政権はその際、国家公務員法第81条の3を根拠にしていました。その国家公務員法第81条の3には、以下のように書かれています。
第八十一条の三 任命権者は、定年に達した職員が前条第一項の規定により退職すべきこととなる場合において、その職員の職務の特殊性又はその職員の職務の遂行上の特別の事情からみてその退職により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる十分な理由があるときは、同項の規定にかかわらず、その職員に係る定年退職日の翌日から起算して一年を超えない範囲内で期限を定め、その職員を当該職務に従事させるため引き続いて勤務させることができる。
また。安倍政権は
「東京高等検察庁管内において遂行している重大かつ複雑困難事件の捜査公判に対応するためには、同高等検察庁検事長黒川弘務の検察官としての豊富な経験・知識等に基づく管内部下職員に対する指揮監督が必要不可欠であり、同人には、当分の間、引き続き同検事長の職務を遂行させる必要がある」(参照
として黒川氏の定年を延長させていました。


また、3月6日には森法務大臣は
黒川検事長につきましては、東京高検、検察庁管内において遂行している重大かつ複雑困難事件の捜査、公判に対応するための管内部下職員に対する指揮監督が必要不可欠ということで、人事院規則一一―八との関係では、七条三号の業務の性質上、その職員の退職による担当者の交替が当該業務の継続的遂行に重大な障害を生ずるときに該当するところでございます。(参照
つまり、黒川氏は「必要不可欠」な人材であり、退職されたら「公務の運営に著しい支障」が生じ、「業務の継続的遂行に重大な障害」が生じてしまうがために、黒川氏を留任させたのです。


そうであれば、実際に黒川氏が退職した今、「必要不可欠」な人材が失われたわけで、「公務の運営に著しい支障」「業務の継続的遂行に重大な障害」が生じていないとおかしいですね。


ところが、刑事局長は、黒川氏の退職により「捜査に特段の支障は生じない」と答弁しました。黒川氏を慰留しないで辞表を受理したことの正当性を主張ようとしたがために、1月の閣議決定の不当性が浮き彫りになってしまったのです。


安倍政権というのは、その場その場を取り繕うだけで、嘘に嘘を重ねる組織になり果てています。安倍政権だけでなく、自民党も、もはや自由でも民主でもなく、ただその場その場で自分たちに都合のいい嘘を吐くだけの嘘つきのたまり場になってしまいました。トップが腐ると組織全体が腐るという良き例だと言えましょう。


自民党支持の人でも、いい加減これ以上自民党が腐っていくのを放置するのはやめにしましょう。安倍晋三という人間がいる限り、自民党の嘘つき体質が変わることはないでしょう。

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