安倍総理は国連で、難民を受け入れている国に970億円の支援をすることを表明しました。その一方、日本は難民受け入れには消極的で、2014年に5000人の難民申請がありましたが、そのうち日本が難民として認定して受け入れたのは11人であったそうです(「難民を助ける会」参照)。難民の受け入れについて、海外記者に問われた安倍総理はこのように答えました。

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 (10月3日TBS『報道特集』)

>>人口問題として申し上げれば
>>我々はいわば移民を受け入れるよりも前に
>>やるべきことがあり



難民問題を人口問題扱いし、
難民を移民扱いしやがった!!


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国にいられなくなって命からがら逃げている難民と、他の移民とを同列に考えるなど、これが一国の総理の発言でしょうか。国連で演説し、自他ともに先進国と見なされ、「積極的平和主義」などと言って世界平和に積極的に関わっていくと発言しているくせに、全く信じられない当事者意識の無さです。

そして、その「『移民』受け入れより前にやるべきこと」というのがこれです。

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「女性の活躍」
「高齢者の活躍」
「出生率」



難民問題を労働力移民問題扱い!


先ほど「人口問題」と発言した意味がよくわかりますね。「女性」や「高齢者」「出生率」は、全て日本の労働力人口に関する問題です。つまり、安倍総理は「難民は日本経済に役に立たないから受け入れない」と表明したも同然です。このインタビューは海外のメディアでも報道され、日本の当事者意識の低さを世界に示しました。

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ガーディアン

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ガーディアン

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ロイター

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auburnpub.com


安倍総理の考える「積極的平和主義」の正体など、こんなものです


かつて日本は湾岸戦争の時に「カネは出すけど人は出さない」と言われたのがトラウマとなり、今回の安保法案でこれまでよりも自由に他国に自衛隊を送って、積極的に軍事行動ができるようになりました。これを手土産に日本は国連常任理事国入りを目指しているのだという報道もあります。

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東京新聞10月1日


その一方、難民受け入れという、それこそ平和に貢献する行為に対しては、カネは出すけど受け入れは拒否するという態度を明確に打ち出しました。そんなことしても、国連での発言権や存在感は増しませんからね。


元国連難民高等弁務官で世界的に有名な緒方貞子さんは、「難民の受け入れくらいは積極性を見いださなければ、積極的平和主義というものがあるとは思えない」と発言していますが、その通りだと思います。一国平和主義を否定しながら、目の前で困っている多くの難民の受け入れは拒否して他人任せ。これのどこが「積極的平和主義」なのでしょうか?


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朝日新聞9月24日


結局安倍総理の言う「積極的平和主義」など、「積極的軍事行動」によって日本の世界での影響力を上げようという以外のものでは全くありません。


安倍自民党の目指している日本とは、「強い日本」「世界で影響力、発言力のある日本」であり、その裏打ちとして、世界で最も強く影響力や発言力のある米国と一体化した軍事行動というものがあるのです。それを厚顔無恥にも「平和主義」などという言葉をつかって誤魔化しているにすぎません。


憲法も「法的安定性」も無視し、衆議院議員定数削減の約束も守らず、「アベノミクス」解散と銘打った選挙で「安保法案の信を得た」と詭弁を述べ、国内での批判も無視して安保法案を強行採決し、一国平和主義を否定しながら難民受け入れは拒否する。


安倍自民党の目標は日本をアメリカのような「強い国」にすることであり、基本スタンスは「強きをたすけ、弱きをくじく」ことであるといっても過言ではないでしょう。私はこれまでの戦後日本を愛してきました。しかし、自称愛国者たちが支持する安倍政権の目指す日本は、とてもではありませんが、愛すべき「美しい国」には全く見えず、ただ醜い強権政治国家にしか思えません。

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