・「真の愛国者」は被害者を想う


・寄せられた読者コメント

  先日の記事で、読者の方からこんなコメントが寄せられました。

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>>「例えば韓国人に日本人がレイプされる事件があった時、
>>まずレイプされた日本人を気遣うのが真の愛国者だ」

この言葉には、多くの人が共感できるのではないでしょうか。逆に、被害者を気遣うよりも、犯人が日本人か韓国朝鮮人かばかりに気がいくのがネトウヨのマインドなのだと思います。

「あじあにゅーす2ちゃんねる」の卑劣なデマ見出し

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事実、この事件、このブログでも何度か取り上げたデマサイト、『あじあにゅーす2ちゃんねる』は、こんな反応を見せていました。
 
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>> 【速報】 20箇所刺されたアイドル死亡!!!!
>>逮捕された岩埼友宏はやっぱり在日だった!!!
>> 犯人のツイッターが愛国心否定、国と大企業嫌い 


この見出し、

>>アイドル死亡!!!!


となっていますが、刺されたアイドルの冨田さんは、意識不明の重体ですが生きていらっしゃいます。

(なお、「犯人が在日」というのは、ネトウヨの妄想、希望に過ぎず、そんな情報は一切出てきておりません)

数ある2ちゃんねるまとめサイトの中でも、この「あじあにゅーす2ちゃんねる」は、特にデマがひどい人間と会思えないほど悪意に満ちた卑怯極まりないサイトの一つですが、もしもこのまとめサイトの管理人に、少しでも被害者を気遣う気持ちがあったのなら、このように「死亡!!!!」などと見出しをつけはしなかったでしょう。

むしろ、冨田さんが死んでいたことを望んでいるからこそ、こんな見出しをつけてしまったのではないか、ということさえ疑ってしまいます。犯人を在日認定した場合、冨田さんが亡くなっていれば、それだけ在日韓国人に対する憎悪を煽りやすくなりますから。


・シリアの時もそうだった

シリアで後藤健二さんと湯川遥菜さんが拘束された時も、カルトたちは在日認定に必死でした。


田母神俊雄が日本人人質を在日認定:支持者はイスラム国を在日認定

日本の「国体」のためには日本国民の命などどうでもよい! それが愛国カルト

ネトウヨがついに邦人人質まで在日認定した! ここまで来た偏見の闇

どこまでも自分勝手な在日認定を続けるネトウヨ! 妄想だけは世界一



後藤さんが拘束されたとき、後藤さんの名前がどうのだの、母親がどうだの、パスポートの色が違うだの、カルトたちは何でもいいから言いがかりをつけて、後藤氏を在日認定しようとしました。もちろん後藤氏は在日韓国人ではないのですが、本来であれば、「愛国者」であろうとなかろうと、人間としての心があるならば、彼の国籍に関わらず、安否を気遣うべきではなかったでしょうか。

ですが、中には平気でこんなことを言う人もいるほどです。



>>あんな奴は助けることはねぇ。自業自得だ


我々がシリア情勢などを少しでも知れるのは、後藤さんのような戦場ジャーナリストのおかげです。公的機関によるものでなくても、公のために、真実を世界に知らせるために戦場に赴いたジャーナリストに対し、「自業自得」と吐ける神経には、信じがたいものがあります。

日本人が拘束されても「助けることはねえ」「自業自得だ」と言い切るような人間が、「愛国太郎」などと名乗るとは滑稽もいいところです。日本人の命を気遣えない彼の、一体どこに愛国心があるのでしょう。

ネット上ではこんな書き込みがまかり通るほどです。

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参照

>>9条信者の後藤チョンコは死んでいいよ
>>見せしめになる


もはや人間としてどうかしています。後藤氏が「9条信者」なのか知りませんが、この書き込み主にとって、自分と思想良心の違うものは生きる価値などないのでしょう。



・敵愾心と愛国心は別物である


・「愛国心」を攻撃の言い訳に使ってはならない

このようなカルトたちの行動を見ると、彼らはまず「在日を攻撃したい」という欲求があり、「愛国心」はそれの言い訳に過ぎないことがわかります。もしも愛国心が先に来ているならば、言いがかりをつけて無理矢理在日認定などしないでしょうし、まして「アイドル死亡」だの「自業自得だ」「死んでいい」など、犯罪被害者が死ぬようなことを望むような発言はしないでしょう。

敵愾心と愛国心は、しばしば混同されがちです。敵愾心を煽りたいものは、愛国心を利用します。

・ゲーリングの教訓

かつて、ナチスドイツでヒトラーの後継者にも指名されたゲーリングはこう言ったといいます。


「国民を戦争に参加させるのは、つねに簡単なことだ。(中略)
とても単純だ。
国民には攻撃されつつあると言い、
平和主義者を愛国心に欠けていると非難し、
国を危険にさらしていると主張する以外には、
何もする必要がない。この方法はどんな国でも有効だ。」



今日本は戦争はしていませんが、カルトたちが在日韓国朝鮮人について行っているヘイトスピーチや、まとめサイトなどで見られる卑劣なデマは、まさにこれに相当するでしょう。

ネットでデマが飛び交い、テロなど敵愾心を煽る事態が頻発する現代に生きる我々は、70年前のこのゲーリングの言葉をしっかりとかみしめる必要があるのではないでしょうか。


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