このブログでは政治批判は控えて、そちらは姉妹ブログである「アベノリスクニュース」でやっていたんですが、今回はこちらでやります。


前回、教育勅語の問題点を指摘しました。教育勅語は、親孝行とか夫婦仲良くしろとか、まともなことが書いてありますが、それらは「朕カ忠良ノ臣民」(天皇の忠実な家臣としての国民)になるために必要なものとして書かれています。教育勅語に書いてある「徳目」は至極まともなものでも、その目的は天皇の「忠良ノ臣民」を作ることである点が、教育勅語の大きな問題点です。


しかし、稲田朋美大臣は、3月8日、国会でこのように述べました。

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NHK3月8日

>>「教育勅語の精神である、
>>日本が高い倫理観で世界中から尊敬される
>>道義国家を目指すべきだという考えは、
>>今も変わっていない」
 



教育勅語のどこをどう読んでも、こんなことは書いてありません

なので、直接稲田事務所に問い合わせてみました。
 (03-3508-7035)

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もちろん、言うまでもなく、極力丁寧にお電話しました。


私は、「教育勅語の原文を読みましたが、稲田大臣がおっしゃったような『高い道徳観で道義国家を目指す』という内容は書かれていないように思うのですが、どこに書かれているのでしょうか」とお聞きしました。


稲田事務所は、「直接的には書かれていなくても、内容を読めばそういうことになると思います」と答えました。


私は、「内容を読んでも、そのような解釈は出てきません」と答えました。


すると稲田事務所は、「親孝行などの考え方が間違っているとあなたは言うのですか?」と言ってきました。

出たよ!
教育勅語を理解していないやつの典型的な発言!!!



おそらく、この人も現代語訳しか読んでないのでしょう。


もちろん、誰も親孝行だとか勤勉だとか、そんなことは否定していません。


下の引用の、青い部分は常識的な徳目が書かれた部分ですが、問題は赤い部分です。


爾臣民父母ニ孝ニ兄弟ニ友ニ夫婦󠄁相和シ朋友相信シ恭儉己レヲ持シ博󠄁愛衆ニ及󠄁ホシ學ヲ修メ業ヲ習󠄁ヒ以テ智能ヲ啓󠄁發シ德器ヲ成就シ進󠄁テ公󠄁益ヲ廣メ世務ヲ開キ常ニ國憲ヲ重シ國法ニ遵󠄁ヒ一旦緩󠄁急󠄁アレハ義勇󠄁公󠄁ニ奉シ以テ天壤無窮󠄁ノ皇運󠄁ヲ扶翼󠄂スヘシ

是ノ如キハ獨リ朕󠄁カ忠良ノ臣民タルノミナラス又以テ爾祖先ノ遺󠄁風ヲ顯彰スルニ足ラン


青い部分はまともなことが書いてありますが、「一旦緩󠄁急󠄁アレハ義勇󠄁公󠄁ニ奉シ以テ天壤無窮󠄁ノ皇運󠄁ヲ扶翼󠄂スヘシ」とは、「国に危機があれば、勇気をもって公につくし、永遠に続く皇室の運命を守りなさい」という意味です。「12の徳目」とやらの12番目はこんなんだから、やはり問題ですね。


そして、「是ノ如キハ」(12の徳目)「朕カ忠良ノ臣民タルノミナラス」(天皇の忠実な家臣としての国民となるためだけでなく)「爾祖先ノ遺風ヲ顕彰スルニ足ラン」(あなたたちの先祖の教えを受け継ぐことでもある)と書かれています。


教育勅語は、天皇が「臣民」に与えたものであり、「高い倫理観で世界中から尊敬される道義国家を目指す」なんて国全体の目標のようなものは一切書かれておらず、「高い倫理観(「皇室を守る」含む)を持った『忠良の臣民』になれ」と書かれているのです。


私は稲田事務所に、「『朕カ忠良ノ臣民』とあるように、教育勅語の徳目は、世界から尊敬される道義国家になるためではなく、天皇の忠実な家臣としての国民になるためのものであると思うのですが」と聞き、稲田氏がどこから「世界中から尊敬される道義大国を目指す」なんて読み取ったのか伺いました。


そしたら、稲田事務所は、

「そのような解釈をされる方には何を言っても無駄ですので」

と言って、いきなり電話を切られました。


繰り返しますが、私は一言たりとも「バカ」とか「アホ」とか「頭おかしい」とか、言ってはいけない無礼な言葉は一切使っていません。あくまで、「教育勅語の目的は、天皇の『忠良ノ臣民』を作ることだとおもうが、『世界から尊敬される道義国家を目指す』とは、どこから読み取ったのか」という解釈を聞いたのです。


そうしたら、いきなり電話をガチャンです。


あまりに驚いたので、もう一度電話をかけて、稲田氏がどうやって教育勅語を解釈したのか聞こうとしたら、再び「そのような解釈をされる方とは話しても無駄です」と言われ、電話を切られました。


稲田朋美も滅茶苦茶ですが、事務所の対応も非常に驚きました。


「そのようなご意見があったと言うことは承っておきます」でもなく、「そのような解釈をされる方とは話しても無駄です」と言われて、いきなり電話をガチャンです。なんですかね、これ。


稲田事務所は何の論理的説明もすることなく、「そんな解釈をする人とは話しても無駄」で、ガチャン。


これが防衛大臣稲田朋美事務所の対応です。


現在の自民党には嘘つきと卑怯者がうごめいていますが、まさか事務所までこんなふうだとは驚きました。


「自分と考えが違うやつとは話しても無駄」と堂々と言ってのける、独裁体質が事務所まで染みついた自民党には、何一つ期待しても無駄でしょう。



===追記===

「国民道徳協会」というところが作った偽訳(どう偽物なのかは前回の記事参照)には、冒頭に

私は、私達の祖先が、遠大な理想のもとに、道義国家の実現をめざして、日本の国をおはじめになったものと信じます。(略)

私は教育の根本もまた、道義立国の達成にあると信じます 

と書いてあります。稲田はこの偽訳を読んだのでしょう。原文にはそんなことまーーーーーーったく書いてありません。

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