教育勅語に関する記事をこれまで2つ書き、そこでは「国民道徳協会」が作った現代語訳が、いかに原文とかけ離れた、嘘の翻訳がなされているかということを紹介しました。(詳しくはこちら


そうしたら、笑ってしまうことに、あまりにもタイムリーに、産経新聞が国民道徳協会の嘘の現代語訳を使って教育勅語を擁護する記事を書いていたのでご紹介します。


普段、記事本分ではあまり「バカ」のような言葉は使わないようにしているのですが、今回ばかりはそれ以上に適切な単語が思い浮かばないので使わせてもらいます。

 
産経新聞、バカすぎる!!!



産経新聞の記事を読んでいると、「この会社は採用試験で成績が悪かった順に採用しているんじゃないか」と疑ってしまいます。知能があまりにも低く、知性はみじんも感じさせない。どこどうやればここまでバカなやつが新聞記事を描けるのか、不思議でなりません。
 

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3月13日、産経新聞は電子版にこんな記事を載せました。

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>>教育勅語のどこが悪いというのか
>>毎日新聞よ、無知と偏見の他者攻撃はみっともない


見出しからしてこれですが、はっきりと言わせてもらいましょう。


教育勅語のどこが悪いのかもわからないのか。
産経新聞よ、無知と偏見丸出しの教育勅語擁護はみっともないぞ。



産経の主張内容を読んでみましょう。


「教育勅語の精神は親孝行、友達を大切にする、夫婦仲良くする、高い倫理観で世界中から尊敬される道義国家を目指すことだ」  

稲田朋美防衛相は8日、参院予算委員会でこう述べた。その通り、教育勅語の口語文訳は次のようである。  

「私は教育の根本もまた、道義立国の達成にあると信じます。国民の皆さんは、子は親に孝養を尽くし、兄弟・姉妹は互いに力を合わせて助け合い、夫婦は仲むつまじく解け合い…」

これのどこが悪いのかさっぱり理解できない



どこが悪いのかさっぱり理解できないのは、お前が原文じゃなくて口語文訳を読んでいるからだよ!!!

 

擁護するにも批判するにも、原文じゃなくて口語文訳を使うってどういうことなんですかね。産経の知性のなさを感じさせます。


以前述べた通り、この口語文は、「国民道徳協会訳」とされていますが、実際には自民党の佐々木盛雄という人物が作った訳です。その内容は原文とはかけ離れた、全く似ても似つかない偽物であり、それを読んでも教育勅語の問題点がわからないことは、こちらで詳しく解説しました


しかし、産経は驚くことに、原文ではなく、この大嘘で塗り固められた口語文訳を使って教育勅語擁護をし、逆に教育勅語批判を批判しているのです。この阿比留瑠比という産経記者は、「教育勅語の何が悪い」と言っていますが、どうして教育勅語が戦後廃止されたのかも理解できないような人間が新聞記者を務めているという事実に驚かされます。産経人事部って何を考えてこんなに頭が悪い人間を記者にするの?


産経新聞阿比留瑠比記者は、一生懸命自分の知能の無さをアピールするかの如く、こう続けます。

確かに教育勅語には「法律や、秩序を守ることはもちろんのこと、非常事態の発生の場合は、真心をささげて、国の平和と安全に奉仕しなければなりません」という部分もある。だが、これも基本的人権を損なうような過激な主張だとは必ずしも思えない。

だから「国民道徳協会」の口語訳を基に論じてんじゃないよ!!!



「基本的人権を損なうような過激な主張だとは必ずしも思えない」って、そりゃそうだよ!! 基本的人権を損なうような過激な主張に見えないように、原文とかけ離れた嘘の翻訳してるんだから。


この部分、原文ではこうなっています。

常ニ國憲ヲ重シ國法ニ遵󠄁ヒ
一旦緩󠄁急󠄁アレハ義勇󠄁公󠄁ニ奉シ
以テ天壤無窮󠄁ノ皇運󠄁ヲ扶翼󠄂スヘシ

「常ニ国憲ヲ重シ国法ニ従ヒ」(常に憲法を重視し、法律に従え)は何の問題もありません。


しかし、次の個所、産経が引用している現代語訳では「非常事態発生の場合は、真心を捧げて」となっていますが、原文は「一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ」です。直訳すれば、「緊急事態発生の場合は、勇気をもって公に奉仕しろです。産経が引用している佐々木盛雄による現代語訳にある「真心」なんて単語はありませんし、佐々木盛雄訳には、真心を「何に」捧げるのかが書いてありません。実際には「公」に捧げるのです。


この「公」が何を指すかでここの受け取り方は変わりますが、明治42年に当時の文部省が発行した英訳では、この個所を courageously offer yourselves to the State(勇気をもって、自らの身を国家に捧げろ)と訳しています。このことから、明治政府は「義勇公ニ奉シ」の「公」を「国家」のことだと考えていたことがわかります。産経はそんなこともわからぬまま、佐々木盛雄による嘘っぱちの現代語訳を読んで「いいことが書いてある」なんて言うのだから、頭の悪さは宇宙に突き抜けんばかりです。

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さらに、最も問題なのが、次の部分です。佐々木盛雄訳(「国民道徳協会」訳)が「国の平和と安全に奉仕しなければなりません」と訳した部分は、実際には「以テ天壌無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ」です。


「天壌無窮」とは「天と地とともに永遠に続く」こと。「皇運」とは「皇室の運命」。「扶翼」は「助けて守る」ことです。つまり、ここの正しい現代語訳は、


天と地とともに永遠に続く皇室の繁栄を守らなければなりません。


となるのです。


原文は「皇室を守れ」と言っているのに、それを「国の平和と安全に奉仕」と訳す、大嘘だらけの佐々木盛雄訳

そして、それに見事に騙される産経新聞。どこまでバカなんだ!!


そして、産経は教育勅語批判を非難したうえで、このようにまとめています。

 己の無知と偏見に基づき、他者を攻撃するのはみっともない。もって他山の石としたい。(論説委員兼政治部編集委員・阿比留瑠比 あびるるい)

お前が言うな(大笑)!!


「教育勅語の何が悪いのか」と書いていることからも、この産経新聞編集委員の阿比留瑠比が、これまで指摘されてきた教育勅語の問題点に関する書籍を一冊も読んでいないことは想像に難くありません。読んでいたら、「国民道徳協会」の訳なんかに頼りませんからね。


原文を読まず、佐々木盛雄(国民道徳協会)による大嘘だらけの現代語訳に騙され、無知偏見に基づき、教育勅語批判者を攻撃する産経新聞編集委員・阿比留瑠比。みっともないにもほどがある!!!



以て他山の石としたいものですね。


いやあ、それにしても驚きました。


最後にもう一度言わせてもらいます。

産経新聞、頭悪すぎ!!!



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