ざっくり言うと
  • 毎日新聞が、朝日新聞が報じたのとは別の文書に、「本件の特殊性」などの文言があることを報道
  • 和田政宗、上念司、高橋洋一、保守速報、アノニマスポスト、netgeek、はちま起稿、KAZUYAなどが、毎日新聞を曲解し、「朝日新聞は別文書を見て『書き換えがあった』と勘違いしたバカだ」と言い出す。
  • 翌日、朝日新聞はその可能性を否定する記事を発表
  • 財務省が書き換えを認める方針を決定する。朝日の捏造と言っていた連中は、果たしてどんな哀れでネトウヨらしい惨めな言い訳をしてくれるのか。
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毎日新聞が朝日新聞報道とは別の文書に「特殊性」などの文言が存在していることを指摘


朝日新聞が3月2日に報じた財務省による決裁文書の書き換え疑惑。朝日新聞は「本件の特殊性」などの文言が消されていることを報じましたが、6日後の3月8日、今度は毎日新聞が、別の決裁文書に「本件の特殊性」などの文字があったと指摘しました。

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(↑毎日新聞3月8日

わかりにくいので説明しますと、朝日新聞が報じたのは、2015年〜16年に国が森友学園と国有地を取引した際、財務省近畿財務局の管財部門が、局内の「決裁」を受けるために作成した2つの公文書についての書き換え疑惑です(決裁文書Aとします)。一方、毎日新聞が報道したものは、財務局が国土交通省大阪航空局に予定価格を通知した文書(決裁文書B)と、森友学園に通知した文書(決裁文書C)で、別のものです。朝日新聞は、決裁文書Aについて、財務省が疑惑発覚後に(佐川氏の答弁に添うように)書き換えて国会に提示されたとで書き換えられた、と報じました。


まともな頭があれば、「他の文書にも同じ文言が! やっぱり朝日の報道は正しかったのか?」となりそうなものです。事実、独協大学教授の森永卓郎氏はTBSの『Nスタ』に出演し、「本件の特殊性っていうのが別の決裁文書にあったってことは、役人は前例踏襲で仕事しますから、本来の決裁文書にもあったんじゃないかと疑われます。かなりの確率で、財務省が改ざんしたんだと思いますよ」と指摘していました。

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和田政宗と、新聞も読めない仲間たち


ところが、元次世代の党で現在自民党の和田政宗が、こんなツイートをしました。

和田政宗は、朝日新聞が決裁文書B、Cを見て、決裁文書Aと勘違いし、「内容が違う! 書き換えられたんだ!」と早とちりしたのではないか、と指摘しているわけです。


まあ、単純に鵜呑みにしないで、自分の頭で報道の裏を考えるのは大切なことではありますが、今回の和田政宗の指摘は、はっきり言ってバカバカしい。なぜなら、朝日新聞は初報の段階で既に朝日新聞が確認した改竄前の文書と国会議員に提出された文書は「起案日、決裁完了日、番号が同じで、ともに決裁印が押されている」と報道していたからです。つまり、最初に報じた段階で、朝日新聞は和田政宗が指摘したようなことははっきりと否定しているわけです。

したがって、まともに新聞を読むだけの知能さえあれば、取り違えの可能性はなく、朝日新聞が捏造したか、財務省が改竄したかのどちらかと考えるのが当たり前なわけです。それで別文書からも同じ文言が出てこれば、捏造の可能性は限りなく低くなり、財務省が改竄したという蓋然性がぐっと増すわけです。まともに新聞を読む知能があれば、和田氏のような発想はありえなく、上で紹介した森永氏のような解釈になるわけです。それなのに、この和田政宗のツイートを見て、「真実を暴いた!」「凄い!」「朝日の捏造確定」と言うような奴が大勢いるのだから理解できない。そろいもそろって、脳みそどこに捨ててきたんでしょう?
当然のように、保守速報アノニマスポストはちま起稿netgeek、KAZUYAなどのネトウヨサイトは、あっという間に和田政宗のツイートに群がりました。やっぱりこいつら、新聞を読む知能もないというより、新聞を読んでもないんでしょうね。

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↑保守速報

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↑アノニマスポスト

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↑はちま寄稿

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↑netgeek
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「アホの朝日新聞」とか「ただのバカだったの?」とか書いていますが、アホでバカなのは新聞記事も読めないこいつらであることは言うまでもありません。KAZUYAは「証拠曖昧でも言ったもん勝ち?」なんて書いてますが、「朝日新聞が勘違いした」って何の証拠もない言ったもん勝ちやってるのはお前らの方だろ! どこまでバカなんだこいつら。保守速報、はちま起稿、netgeek、アノニマスポスト、KAZUYA、その他和田政宗に乗っかって「朝日新聞が別文書を勘違いした」なんて騒いだ奴らは、新聞さえ読めない、発言を聞くに値するだけの知能を持っていない連中だと断言していいです。


デマサイトだけでなく、高橋洋一、上念司、有本香など、いつもの連中は当然のごとくこれに乗っかりました。
特に上念司は酷かったです。和田政宗の何の根拠もない憶測を「さすが」「現時点で最も可能性が高い」と称賛。一体何を根拠に「現時点で最も可能性が高い」などと言っているやら。もちろん根拠は上念のただの願望です。願望と現実の区別も付けられない男、それが上念司。


そのうえ、自分は和田政宗に乗っかりながら、「朝日新聞に乗っかった野党は全滅w」と嘲笑、さらには「習近平涙目!!w」と意味不明なコメント。そして「毎日新聞が朝日新聞の間違いを指摘」だの「決裁文書が複数あることは、和田議員が指摘した別の決裁文書との取り違えの疑惑の傍証」だと言い出す始末。上念の脳内では、起案日や決済完了日や番号まで同じ決裁文書が複数あることになってるんですかね? 上念司が新聞記事を正しく理解する知性がないということがこれではっきりとしました。 そのうえ、至極真っ当なリプライを「クソリプ」と呼んで反論。そしていつも通り悪魔の証明を持ち出す頭の悪さ。
後述しますが、財務省は結局書き換えを認めたわけですから、悪魔の証明でも何でもなく、結果として朝日新聞に立証責任などなかったわけです。何にも疑惑のないところで、朝日新聞が「財務省が改竄した!」と言っていたのなら、上念の宇宙人云々の話も筋が通りますが、現実は財務省が改竄していたわけなので、上念の主張は全くの的外れだったということになります。上念司、この男の知能は本当にネトウヨと寸分変わらないですね。


結局こいつらは「朝日新聞だから捏造だ!」と言うネットのバカと何一つ変わらないってことです。そのレベルの人間の発言なんて、信頼するに値しないことは言うまでもありませんね。今回のことはそれのはっきりとした傍証になったと思います。バカだなあ、新聞記事の意味もわかってないのか、、、

翌日即、朝日と毎日の反論


新聞記事を理解するだけの知能もない連中が意味不明な騒ぎ方をした翌日の3月9日、朝日新聞と毎日新聞は、即それらの解釈を否定する記事を掲載しました。


朝日新聞は、具体的にどこが書き換えられたかの詳細を報じ、「毎日新聞が報道したのとは別の文書である」ということを明言しました。

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(↑朝日新聞3月9日

毎日新聞は「別文書にも疑惑の表現があった」と報じました。毎日新聞は、朝日新聞が取り違えたともそうでないとも書いていませんが、意図としては書き換え疑惑の補強でしょうね。

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(↑毎日新聞3月9日

財務省は書き換えを認める方針、自民党は佐川に全責任を押し付ける稀代の卑怯ぶりを発揮


この疑惑が報じられてから1週間と少し経ちましたが、本日3月10日、ついに財務省が書き換えを認める方針であることが報じられました。

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毎日新聞3月10日

佐川国税庁長官がこの前日に辞めたことは、財務省が書き換えを認めることを決めたことと関係がありそうですね。もし書き換えを認めた段階で佐川氏がまだ国家公務員をやっていたら、絶対に証人喚問は免れませんが、辞めてしまったからには「民間人だから証人喚問は難しい」という言い訳ができますからね。事実、自民党の森山裕国対委員長が既にそういう発言をしています。


しかも、佐川氏がトカゲのしっぽではなくて頭だと発言。佐川に全責任を押し付けて、すべての幕引きを図ろうとしています。本当にどこまで卑怯なんですかね、安倍自民は。こんな卑怯な政権与党、日本の歴史上かつてありましたかね?

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(↑どこまでも卑怯な自民党。朝日新聞3月9日

さて、財務省が書き換えを認めたことで、朝日の捏造だと言っていた連中が、どんな哀れで惨めな言い訳をしてくれるか楽しみです。

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