ざっくり言うと
  • 自民党・西田昌司が財務省に「なぜ5日の時点で政府にも国会にも与党にも報告しなかった! 報告を受けていれば国会対応を変えて、異常事態を防げたんだ!」と激怒
  • その後、官邸は5日の時点で報告を受けていたことが判明する。しかし、国交省や財務省に、与党や国会に報告するよう命じることもしなければ、国会対応を変えることもせず、異常事態を招いてしまった。
  • 思わぬ形で安倍晋三その人を撃ってしまった西田昌司は、この問題に「佐川事件」と名前を付け、すべてを佐川のせいにしようとする印象操作にシフトするという、自民党らしい打開策を講じる。
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14文書、300以上の書き換えが発覚した財務省の公文書改竄問題。日本憲政史上類を見ない異常事態と言っても過言ではないでしょう。


さて、3月2日に朝日新聞がこの問題を報じたわけですが、これまではこの手の文書について「怪文書じゃないですか」などという態度をとってきて、国会でも朝日新聞批判を展開していた安倍政権が、今回は報道開始直後から一度も朝日新聞批判をしなかったので、「安倍総理は最初っから知ってたんちゃうか」という疑問まで持たれています。ちなみに、テレビ番組でこの疑問を投げかけられた田崎史郎は、「安倍総理は内輪の席では結構朝日批判をされてた」と擁護(?)。ほんと、これなんの擁護?

それはそうと、財務省が公に文書改竄を認めて発表したのは3月12日で、官邸に報告したのはその前日の11日でした。


ところがその後、5日の段階で国交省が書き換え前の文書の存在を財務省に報告していて、財務省はその段階で書き換えが事実であることをほぼ把握していたことが発覚します。これに対して、自民党西田昌司がキレた! 国会で財務省に対し、どうしてさっさと説明しなかったのか、とても強い口調で怒ったのです。

(与党国対で理財局長から、5日の時点で把握していた事実を聞かされ)「いい加減にしろ!」と怒ったわけです。

一部ではあるけど、(文書が)ある事実がその時判明したわけじゃない。なんでそのことを、我々与党にも、国会にも、政府にも、報告しないんだね! (「そうだそうだ」と声が上がる)

その報告をしていれば、当然国会対応変わるんですよ。こんな事態にならない。野党が出てこないような異常事態にならないんだよ! (「そうだそうだ」と声が上がる。)

(太田財務局長を指さして)なんで報告しなかったんだよ!
このように、大変力強く、速やかな報告をしなかった財務省を批判しました。


ところが、その後驚きの事実が判明します。なんと、5日段階で官邸は国交省から書き換えの可能性の報告を受けていて、6日には安倍晋三・菅義偉・麻生太郎の3人もその事実を把握していたのです。

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(↑毎日新聞3月15日

そう、財務省からの報告は受けていなくても、官邸は国交省から5日には報告を受け、6日には安倍晋三総理大臣その人も報告を受けていたのです。ところが、官邸はその情報を与党にも国会にも報告せず、また、財務省や国交省に銘じて与党や国会に報告させることもせず、国会対応を変えることもなかったのです。「黙殺した」と非難されても仕方ありませんね。


西田昌司くんは、財務省に「なんで報告しなかったんだ! 報告を受けていれば当然国会対応も変わって、こんな異常事態にはならなかったんだ!」と怒っていましたが、なんと安倍政権は報告を受けていたのに、国会対応を変えず、異常事態を招いたわけです。西田くんは、対応が遅れた責任、対応のまずさの責任をすべて財務省理財局に押し付けたかったのでしょうが、逆に安倍政権の対応のまずさを批判する形になってしまいました。


さて、財務省を撃ったつもりが、安倍晋三・麻生太郎・菅義偉を撃ってしまった西田昌司くん。これはまずいと思ったのか、翌日にはこの問題に「佐川事件」と名前をつけて、印象操作を図っていました。さすが自民党。安倍晋三はよく「印象操作だ!」と怒っていましたが、これ見てもわかる通り、自民のほうが何倍もひどい印象操作しとるやんけ…。
結局、嘘に嘘を重ねてるから、こんなことになるんでしょうね。嘘を吐き、ごまかし、隠蔽し、改竄し、数で押し通し、時が経って皆が忘れるのを待ち、また嘘を吐き、ごまかし、隠蔽し、改竄し、数で押し通り、時が経って皆が忘れるのを待つ。この5年間安倍政権が繰り返してきたこの手法も、そろそろ終焉にしてほしいものですね。

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