ざっくり言うと
  • 安倍がまた国会で嘘を吐いた。今度は前川氏を巻き込む嘘。嘘は他人を巻き込む。
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安倍晋三という男は、嘘をつくということに抵抗がないのでしょうか。これほどまでに嘘つきな男など、麻原彰晃並みの犯罪者以外で私は他に知りません。


さて、山本幸三地方創生大臣(当時)が、「1校に限る」と決定する2か月前の段階で「1校しか認められない」と京都府側に伝え、京都産業大学の獣医学部新設を断念させようとしていたことも発覚し、偉大なる安倍晋三首領様のお友達であらせられる加計幸太郎様の経営していらっしゃる加計学園のために、特別に優遇して『岩盤規制突破』をしてあげた、ということに疑いをはさむ余地はまるでなくなっていますが、昨日5月14日の集中審議で、安倍晋三はこの期に及んでも「加計ありき」を否定しました。


京産大と加計学園をちゃんと比較することなく、加計学園が最初から勝者に決まっている出来レースだったのではないかという疑念にしたい、安倍晋三は、前文科時間の前川氏の名を出し、このように述べました。

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前川前次官ですらですね、京産大はすでに出していたんですが、そのことはまだ準備がまだ十分じゃないという認識の上に、熟度は十分ではないという認識の上に、加計学園しかなかったとおっしゃっていたわけであります。
つまり、安倍晋三は、京産大の計画は熟度が十分ではなく、ちゃんと比較した結果、加計学園に決まったと言っており、安倍政権を真っ向批判している前川前次官でさえそのことを認めている、と述べているわけです。


ところが、前川氏は、そんな発言は全くしていない。それどころか、私自身はその記事を読んでいないが、『サンデー毎日』のインタビューで前川氏は「京大のiPS細胞研究所とタイアップする、というそれなりに立派な構想だった」「国家戦略特区法が求める国際的な競争力はむしろ京産大の方があったかもしれない」と述べていたそうである。(参照


この指摘に対し、この期に及んでも安倍を妄信する安倍信者のネトウヨたちは、「前川は確かにそういう発言をした」と、安倍擁護を展開しました。

安倍のこの主張に対し、当の前川氏が反論をしましたので、全文を引用したいと思います。

5月14日の衆参両院の予算委員会において、安倍首相は再三にわたり私の名前に言及しましたが、その発言内容は私の事実認識に反するものでしたので、以下の点を明らかにしておきたいと思います。

 1 国民民主党玉木雄一郎衆院議員の質問に対し、安倍首相は、「(加計学園は)ずっと構造改革特区のときから岩盤規制に穴を開けようとしてきたのは事実であります。安倍政権になってからも構造改革特区については安倍政権では4回却下をしているわけであります。そこであの前川前次官ですらですね、前川次官ですら、京産大はすでに出していたんですが、そのことをですね、そのことはまだ準備が十分ではないという認識の上にですね、熟度が十分でないという認識の上に、加計学園しかなかったということをおっしゃっていたわけであります。」と述べましたが、この発言は事実に反します。

 国家戦略特区ワーキンググループが2016年10月17日に京都府・京都産業大学からのヒアリングを実施したこと及びその内容については、その当時私は全く知りませんでした。文部科学省はこのヒアリングに呼ばれていなかったからです。「加計学園しかなかった」という認識は持っていましたが、それは首相官邸や内閣府が初めから加計学園の獣医学部新設を認めようとしていたこと、すなわち「加計ありき」という認識を持っていたということです。2016年10月17日の京産大の提案内容を知らされていない私が、加計学園の提案と京産大の提案とを比較考量することは不可能でした。

 したがって、加計学園と比べて「(京産大は)まだ準備が十分ではない」「熟度が十分でない」という認識を私が持っていたとする安倍首相の発言は事実に反し、極めて心外です

 2 公明党中野洋昌衆院議員の質問に対し、安倍首相は、「これまでの国会審議を通じて、柳瀬元秘書官のみならず、前川前次官も含め、誰一人として私から国家戦略特区における獣医学部新設について、何らの指示も受けていないことが、すでに明らかになっています。」と述べました(共産党田村智子参院議員の質問に対しても同様の答弁あり)。

 たしかに、私は、国家戦略特区における獣医学部新設について、安倍首相から直接の指示は受けておりません。

 しかし、私は、2016年9月9日に和泉洋人首相補佐官に首相官邸へ呼ばれ、国家戦略特区における獣医学部新設について速やかな対応を求められました。その際、和泉補佐官は「総理は自分の口から言えないから、私が代わっていう。」と発言されましたので、私はこれを安倍首相自身の意思だと受け止めました。

 また、内閣府から文科省担当課に伝えられた内容を記録した文書(「官邸の最高レベルが言っている」や「総理のご意向」と記された文書)からも、私は加計学園の獣医学部の平成30年度新設が安倍首相自身の強い意向だという認識を持っていました。

 したがって、安倍首相が加計学園の獣医学部新設に自分が関与していないと主張するための材料として、私の名前に言及することは極めて心外であり、私の名前をこのように使わないでいただきたいと思います。

 2018年5月15日

       前川喜平

つまり、前川氏は、安倍の言うように京産大と加計学園とを比べて「加計学園しかない」と言ったのではなく、京産大の提案内容を把握しておらず、当時「加計ありき」で動いていたことを証言しているのであって、京産大の提案が不十分なものであるなどということは全く言っていないわけです。


安倍やネトウヨが主張しているのは2017年7月24日の国会での答弁の事らしいです。2016年9月9日に和泉総理補佐官に呼び出された前川氏は、「総理は自分の口からは言えないから代わりに自分が言う」と述べ、獣医学部新設への対応を求められました。その時前川氏は、和泉補佐官が加計学園のことを言っていると認識したそうなのですが、自民党の小野寺議員に「どうしてそれを加計学園のことだと認識したのか」と問われた一幕です。


7月24日の議事録を見ると、前川氏は「『その時点において』獣医学部を作りたいという意向を持っていた学校法人は加計学園のみでございました」と述べています。


そして、小野寺議員に「前川さんも実は、獣医学部をつくる、その成熟した計画があるのは加計学園の岡山理科大しかなくて、京産大もある面ではまだそこまでいっていない、そういう認識だったということか」と聞かれて、はっきりと「実際に京産大がどの程度具体化した計画を持っていたかということは、その時点で私は承知しておりませんでした」と述べています。

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つまり、前川氏が京産大のことを「具体化したようなものではなかった」と述べたのは、2016年9月9日時点で、京都産業大学の計画の内容を承知していなかった、ということであって、安倍が主張するように、「京産大の計画は熟度が十分でない」という認識を持っていたのではないのです。こんなことは、当時の議事録を読んで、まともな国語の読解力があれば間違えることなく理解できることです。


この現代文の偏差値が40にも届きそうにない解釈は、どうやらいわゆる保守界隈のまとめサイトでは有名な話だったようです。安倍晋三は自分のfacebookで『保守速報』記事を紹介したことがあるような男ですので、そういうネトウヨまとめサイトを読んで、それを鵜呑みにしてこんなことを国会答弁で行ったのかもしれません。議事録を読んだうえで、「前川氏が京産大と加計学園を比較の上で『加計しかない』と言っていた」と認識したのなら、政治家をやれるだけの文章理解力が欠如していますし、まとめサイトを鵜呑みにしたのなら、政治家以前に人間として終わっています。


息を吐くように嘘を吐く、史上最低最悪の嘘つき総理大臣、安倍晋三。今回は前川氏を巻き込んだ嘘を吐きました。愛媛県の中村知事が、柳瀬氏の参考人招致での発言について、「嘘は他人を巻き込む」と批判していましたが、本当にその通りですね。


2%の物価上昇率目標さえ、最初「2年で」と言っていたのが6回にもわたり達成時期が延期され、ついには達成時期が撤廃されました。「外交の安倍」なんて言っていたくせに、北方領土も何も何の成果もなく、北朝鮮問題では完全に蚊帳の外に置かれています。この男にもはや見るところなどなく、ただただ嘘をまき散らすだけの害悪にすぎません。


安倍の嘘に国民全員が巻き込まれて早5年。もういい加減にしましょう。この男の嘘に振り回されるのは、もう終わりにしましょう。政治家以前に人間として、せめてもう少しまともで、もう少しまともな読解力を持った、まともな知性の持ち主に代わってもらいましょう。「安倍以外いない」? そんなことないです。安倍晋三の代わりがいないほど日本は落ちぶれていませんよ。「安倍以外いない」って言ってる人は、そんなにも日本人の能力を貶めるなんて反日ですか?(笑)


「与党が嘘をつく」→「野党が追及する」→「与党が嘘を認めず、さらに嘘をついて誤魔化そうとする」→「野党が追及する」→「与党がさらに嘘をつく」


もうこの無限ループは終わりにしましょう。これを終わりにするためには、最初の「与党が嘘をつく」を止めねばなりません。安倍晋三という膿を出さない限り、このループは終わりません。まずは最低限「安倍以外」。人間としてまともな知能をもった人間に代わってもらう以外に、この国が取るべき道はありません。

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