<ざっくり言うと>
  • 和田政宗、「柴山文科大臣の教育勅語発言は従来の答弁を踏襲したものだから何の問題もない」と主張するも、その「従来の答弁」が安倍政権の下村博文答弁で、当時も大いに批判されていた。
  • 教育勅語に関する戦後の「従来の答弁」とは、「根本理念が国民主権と基本的人権に反する」という理由で衆参両院で排除・失効が決議された教育勅語は教育界から排除されており使用できないというものである。
  • 和田政宗は柴山発言を「従来の答弁を踏襲したもので何の問題もない」と言うが、実際には安倍政権だけが発足時から「従来の答弁を踏襲していない問題ありまくり」の政権であったことを証明している。
(スポンサードリンク)
安倍晋三とか麻生太郎とか稲田朋美とか杉田水脈とか、今の自民党には嘘やごまかしやでたらめな発言を平気でする人間がそろっていますが、その中でも酷い人間の一人である和田政宗が、またもや呆れた発言をしています。。


今回の柴山昌彦文科大臣が、「教育勅語には普遍性がある」「現代アレンジを用いることは検討に値する」などと言ったことに批判が集まっていることに対し、和田政宗はこのように擁護したのです。
>>平成26年に前川氏も「教育勅語の活用は考えられる」と答弁している
>>(柴山文科大臣の前任の)下村文科相は「教育勅語の内容そのものについては、今日でも通用する普遍的なものがある」と答弁。
>>柴山文科省の発言は従来答弁を踏襲したもので問題ない

 

それ、安倍政権が従来からクズだったってだけのことじゃん!


安倍以前の歴代政権から「教育勅語の活用は検討に値する」と言っていたのなら「従来答弁を踏襲したもので問題ない」と言うのもわかりますが、和田政宗が出してきた例は2例とも安倍政権のもの(実際には一連の流れの中での発言なので、実質は1例しか挙げてない)。下村と柴山という、安倍晋三が任命した文科大臣だけが教育勅語に肯定的な答弁をしているだけのことです。従来答弁の踏襲でもなんでもなく、「安倍政権の答弁は前からおかしかった」というだけのことです。下村が教育勅語の発言したときも批判殺到だったのを和田政宗は忘れてるんですかね?


なお、和田政宗が言及している前川喜平氏の教育勅語についての発言は、安倍政権側の支持であったことを前川氏が告白しています(参照)。
「たとえば、こういうことがありました。教育勅語について、明日の委員会で質問がある。どういう質問かというと『教育勅語は学校の教材として使うべきだと思うがいかがか』と。それを局長に訊くというので──私がその局長なんですけど──私の答弁は従来の文部科学省のラインで、教育勅語は戦後、排除・無効確認の決議が行われていて、これを教育の理念として使うことはできません、と。そして、学校の教材として使うことについても適切ではないと(いう答弁を予定していた)。こういう答弁で(文科省は)ずっときているわけです、70年間

「委員会がある日は朝、大臣と一緒に、こういう質問がありますからこういう答弁にしましょうという“答弁レク”っていうのをするんですね。その朝の答弁のレクのときに大臣がですね──普通は大臣の答弁だけ説明するんですが──この質問についてだけは局長答弁も見せろと言われて。『こうなってます』と見せたら『これじゃダメだ』と言われたわけです。答弁の最後に『教育勅語のなかにも普遍的に通用することが書いてあるので、この点に着目して学校の教材として使用することは差し支えない』と書き直せと言われたんです
結局前川氏の発言も下村文科相(当時)の命令だったわけです。


教育勅語は1948年に衆参両院で、教育勅語は「根本理念」が国民主権と基本的人権に反しているという理由により排除と失効の決議がなされています。
教育勅語等排除に関する決議(衆議院)

民主平和國家として世界史的建設途上にあるわが國の現実は、その精神内容において未だ決定的な民主化を確認するを得ないのは遺憾である。これが徹底に最も緊要なことは敎育基本法に則り、敎育の革新と振興とをはかることにある。しかるに既に過去の文書となつている敎育勅語並びに陸海軍軍人に賜わりたる勅諭その他の敎育に関する諸詔勅が、今日もなお國民道徳の指導原理としての性格を持続しているかの如く誤解されるのは、從來の行政上の措置が不十分であつたがためである。

思うに、これらの詔勅の根本的理念が主権在君並びに神話的國体観に基いている事実は、明かに基本的人権を損い、且つ國際信義に対して疑点を残すもととなる。よつて憲法第九十八條の本旨に従い、ここに衆議院は院議を以て、これらの詔勅を排除し、その指導原理的性格を認めないことを宣言する。政府は直ちにこれらの謄本を回収し、排除の措置を完了すべきである。

右決議する。
教育勅語等の失効確認に関する決議(参議院)

 われらは、さきに日本国憲法の人類普遍の原理に則り、教育基本法を制定して、わが国家及びわが民族を中心とする教育の誤りを徹底的に払拭し、真理と平和とを希求する人間を育成する民主主義的教育理念をおごそかに宣明した。その結果として、教育勅語は、軍人に賜はりたる勅諭、戊申詔書、青少年学徒に賜はりたる勅語その他の諸詔勅とともに、既に廃止せられその効力を失つている。

 しかし教育勅語等が、あるいは従来の如き効力を今日なお保有するかの疑いを懐く者あるをおもんばかり、われらはとくに、それらが既に効力を失つている事実を明確にするとともに、政府をして教育勅語その他の諸詔勅の謄本をもれなく回収せしめる。

 われらはここに、教育の真の権威の確立と国民道徳の振興のために、全国民が一致して教育基本法の明示する新教育理念の普及徹底に努力をいたすべきことを期する。

 右決議する。
このように、教育勅語はその根本理念が国民主権と基本的人権に反しており、教育界から排除し、失効しているというのが、本当の従来の答弁です。


和田政宗は「従来答弁を踏襲したもので問題ない」とか言ってますが、逆に安倍政権が発足時から「従来答弁を踏襲していない問題だらけ」の政権であったということの証明でしかありません。


和田政宗は、国会での質問内容が麻生太郎からも「レベルが低い」「軽蔑する」と言われてしまうような奴です。柴山文科大臣を擁護したつもりなんでしょうが、安倍政権全体を背中から撃ってるようにしか見えませんね。

にほんブログ村 政治ブログへ 
にほんブログ村 政治 ブログランキング
(スポンサードリンク)