<ざっくり言うと>
  • 前回の続き。
  • 丸山穂高は「日本全体の生活保護受給世帯数が減っているのに、外国人の受給者が増えている」と発言したが、この1年間の数値を見ると、外国人の受給世帯数は453世帯、1871人減少している。
  • また、日本全体の生活保護受給世帯の減少率0.15%に対し、外国人の生活保護受給世帯は約0.97%減少しており、外国人の生活保護受給世帯の方が減り幅が大きかった。
  • 丸山ほだかの「日本全体の生活保護受給世帯数は減っているのに外国人の受給世帯数は増えている」という発言は、どう調べても間違い。丸山穂高は国会で国民に謝るべきである。国民に間違った情報を与えた時、国民に謝ることができないなら、国民の代表たる国会議員の資格はない。
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~改めて丸山穂高の発言を検証する1:「この景気状況」で、日本全体の生活保護受給世帯数は減っているのか?~


さて、丸山が言っていた「44965世帯」の謎は前回記事で解けました。年次調査と月次調査という、そもそも調査方法が違う2つを比べて、「外国人生活保護受給世帯数が増えている!」とか言っていたわけですね。どうしようもねえな、こいつ。まだ過去記事を読まれていない方は、先にそちらをお読みください。


今回の一連の記事↓

では、あらためて、丸山穂高発言が事実であるか、検討してみましょう。


丸山穂高は、「この景気状況の中で日本全体の生活保護受給世帯数は減っているにも関わらず、外国人の受給者が増えている」と言いました。
しかし、日本全体の生活保護受給人員数は、平成27年(2015年)をピークに減り始めているんですが、世帯数は、平成30年(2018年)3月の確定値までは、まだ減少を始めていません。この1年で減ったのでしょうか? 調べてみると、厚労省のプレスリリースに、ここ1年間の速報値が載っていました。「この景気状況」のなか、日本全体の生活保護受給世帯数は、どのくらい減っているのでしょうか?

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厚労省のプレスリリース


おお! たしかにこの1年間、世帯数が減少しています! 「この景気状況の中」、この1年間で、生活保護受給世帯数は、1,640,011世帯から1,637,611世帯に減少!! なんと0.15%も下がったのです! すごいぜ、「この景気状況」での生活保護受給世帯数減!!!


………。って、おいおい、丸山穂高。お前、日本全体における外国人受給世帯数が2.95%から2.85%に下がったというオレの記事に対して、「ワロタ」「統計のトの字からやり直した方がよい」とか言ってたのに、お前は日本全体の受給世帯数が0.15%下がったのを「この景気状態の中で生活保護受給世帯数が減っている!」って、アベノミクス成果として声高に叫んでたのかよ…。「ワロタ」とか言ってるけど、お前が国会議員なんて、こっちは全然笑えねえよ…。
第一、この1年間で生活保護受給世帯数が0.15%減ったのなんて、「この景気状況」のせいじゃなくて、日本全体の人口が減っただけって可能性だってあるんじゃねえの? この1年間で日本全体の人口は0.22%減ってるぞ。(総務省統計局HP


日本全体の生活保護受給者が減ったのが、景気のせいなのか、人口減少のせいなのか、それはもっと詳しく検証しないとわかりませんし、今回のテーマでもないので割愛します。でも、丸山穂高は、国会やツイッターで主張した以上、日本全体の生活保護受給世帯数の減りが、人口減少のせいじゃなくて、「この景気状況」のおかげであることをちゃんと証明するように。



~改めて丸山穂高の発言を検証する2:この1年間の日本全体の生活保護受給者数と外国人世帯の受給者数の変化を比較する~


さて、では改めて、平成30年(2018年)1月と、平成31年(2019年)1月の、日本全体と外国人世帯の生活保護受給数を比較してみましょう。果たして、本当に丸山穂高の言う通り、この1年、「日本全体の生活保護受給世帯数が減っているのに、外国人の受給者は増えている」のでしょうか? (平成30年1月の数字は政府統計のポータルサイト参照。平成31年1月の日本全体の数字は厚労省のプレスリリース、平成31年1月の外国人の数字は今年4月24日の国会審議での厚労省職員の答弁から引用)


表にしたものがこちらです!!

世帯数

 日本全体(a)  外国人(b) b/a
平成30年1月1,640,011世帯46928世帯 2.86% 
平成31年1月1,637,611世帯46475世帯2.84%
変化率 -0.15% -0.97%6.6倍

人員数

 日本全体(a)  外国人(b) b/a
平成30年1月2,118,857人70422人 3.32% 
平成31年1月2,093,324人68551人 3.27% 
変化率-1.21%-2.66%2.2倍

外国人の方が大きく減ってるじゃねえか!!!



おい、丸山穂高! なーーーーーーーーーーーーーーーにが「この景気状況の中で日本全体の生活保護受給世帯数は減っているにも関わらず、外国人の受給者が増えている」だ!! 全然違うじゃねえか!!


お前、日本全体の生活保護受給世帯数が0.15%減ったのを、「この景気状況の中、日本全体の生活保護受給世帯数は減っている!」と強調してたけど、外国人世帯は0.97%減ってるよ! グラフの傾斜角で言えば6.6倍だよ! 人員数では、日本全体の減りはこの1年で1.21%。外国人は2.66%減ってるよ! 世帯数でも、人員数でも、日本人の生活保護受給者の減りより、外国人の生活保護受給者の減り方が大きいよ!! 実数でも453世帯、1871人減ってるよ


これをどう読めば「この景気状況の中で日本全体の生活保護受給世帯数は減っているにも関わらず、外国人の受給者が増えている」ことになるんだ? 教えてくれよ、丸山穂高。


それとも、お前の脳内だと、1,640,011世帯から1,637,611世帯になった(-0.15%)のは「減っている」と表現するけど、46,928世帯から46,475世帯になった(-0.97%)のは「増えている」って表現するの? 46928と46475だと、46475の方が多いって小学校で習ったの? 苦手なのは算数? それとも国語? それとも両方? 小学生用の塾に行き直した方がよさそうだね、丸山君。


たしかに、外国人受給世帯が増えていると勘違いしてしまったのは、2017年2月の国会審議では厚労省から年次調査の数値を言われ、2019年4月の審議では別の厚労省職員から月次調査の数値を言われ、その2つを比較してしまったためだから、仕方ない部分もなくはない。


だが、生活保護に関するデータは、一般人でも見られるようにネットで公開されている。ちゃんと自分で調べれば、外国人の生活保護が減っていることぐらいわかったはずだ。


改めて、はっきりと言います。丸山穂高の「日本全体の生活保護受給世帯数は減っているのに外国人の受給世帯数は増えている」という発言は100%、完全に間違いです。この1年、外国人の受給世帯数は、実数も、日本全体に占める割合も、両方とも減っています。それどころか、この6年間、日本全体の生活保護受給者に占める外国人の割合は減り続けています。


間違った発言をして国民を騙してしまった丸山君は、国会でしっかり全国民に向けて謝ること。「私が間違っておりました。日本全体の生活保護受給世帯は減っておりますが、外国人の受給者は、それよりも大きな割合で減少しておりました」ってね。


それができないなら、国会議員をやめるべきです。意図的であろうとなかろうと、国民に対して嘘を言ったわけですから、間違いを認めて国民に謝らないといけない。それができない奴に、国民の代表たる国会議員の資格などない。


なお、丸山穂高がデマを吐いたことを誤魔化そうと、「そもそも外国人が生活保護を貰ってること自体がおかしいんだよ!」と話を逸らす人が必ず出てくると思いますが、そういう人はこちらの記事を読んでおいてくださいね。



~余談:ぼやき~


今回、政府統計のポータルサイトの数字を何度も見たり切ったり貼ったりしたんですが、このサイト、平成と西暦がごっちゃになってて混乱する…。今回、記事作成中に「平成27年」「2017年」を何度も間違えた。どっちか統一してくれ。「令和元年は平成31年だから…」とか計算するのは面倒なので、できれば西暦に統一してください。 

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↑一覧表から「平成29年度」をクリックすると、「2017年度」というタイトルのデータが出てくる…。


しかし、今回みたいなファクトチェックは、大手メディアにちゃんとやってもらいたいぜ…。

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