<ざっくり言うと>
  • 葛飾区議・鈴木信之、「生活保護が過去最高を更新。その中でも外国人の生活保護は過去10年で2倍に激増」と言い、あたかも外国人生活保護が急速なペースで増えているかのように見せかける。
  • 実際には、過去10年での増加率は約1.5倍~1.6倍。日本人の生活保護の増加率と外国人の生活保護の増加率にはほとんど差がない。
  • 鈴木信之は、分母を言わずに分子だけを見せるという卑怯者の典型例の手法を用いてミスリードをしている。このように国民を騙すことを何とも思わない卑怯な男を議員にしては絶対にいけない。
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先日丸山穂高問題で、丸山穂高を擁護し、さらに核武装も主張している葛飾区議、鈴木信行を紹介しました。本人は別人のブログをRTしただけだと言っていますが、本人のブログを読んでも、丸山穂高の戦争発言について「不穏当だが、未来永劫戦って取り返すことを否定する必要はない」「核武装して国防力を強化することは大賛成」と言っていますので、同じことだと思うですけどね。


さて、この男、前回の参院選にも核武装を掲げ出馬して、供託金没収での落選の後、葛飾区議会選挙に出馬し、どういうわけか当選してしまったのですが、そのときこの男が掲げたのが「外国人生活保護廃止」です。


しかし、この男の主張する外国人生活保護廃止は、嘘と卑怯に満ちていました。そして、憎悪を煽り、有権者を扇動しています。このような絵にかいたような卑怯者の典型例が二度と政治家になどならぬよう、どのような嘘だったのか、どんな卑怯なことをしているのか、ここに記録を残しておきたいと思います。できるだけ多くの人に拡散していただきたいと思っております。


これが、この男の主張です。

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この選挙ポスターの嘘を暴いていきましょう。

「激増する外国人生活保護」という卑怯すぎるミスリード


皆さんは、この男のポスターのこの文章を読んで、どのように解釈されるでしょうか?
激増する外国人生活保護

現在日本では、生活保護を受給する世帯数が、過去最多を更新し続けていますが、その中でも外国人の生活保護支給は四万世帯を超えて、金額にして1200億円にも達しています。これは10年前と比べると2倍近くも激増していることがわかります。
そしてその内訳は4分の3を朝鮮人・支那人といった反日国家の外国人が占めています。

(略)

このままでは日本が悪質な外国人たちによって食いつぶされてしまいます。
おそらく、この文章を読めば、100人に100人が

「外国人の生活保護が、日本の生活保護受給世帯数が増えている主原因」

「外国人生活保護は日本全体の生活保護の増加率よりはるかに大きく増えている」

「外国人生活保護は日本の生活保護の大きな割合を占めている」

などと読むことでしょう。


しかし、それは完全に間違いです。


この男のポスターの実に卑怯なところは、個別の数字には大きな嘘がないのに、一部を隠すことで、全く事実と異なる印象を与えているところです。「嘘なんかついてないよ」と言い訳しながら、人をだますことができるという、実に卑怯な手段です。


まず、「生活保護受給世帯数が過去最多を更新し続けている」というのは、鈴木信行が葛飾区議選に出た時点(2017年)では事実でした(この1年ぐらい減少が始まりましたが)。


しかし鈴木は「激増する外国人生活保護」という見出しをつけ、「生活保護が過去最高を更新。その中でも外国人の生活保護支給は4万世帯を超え、10年前の2倍に激増」と主張しています。これを読めば、100人に100人が、外国人生活保護の増加率は日本全体の増加率よりもずっと急であると読み取ることでしょう。おそらくわざとやっているのでしょうが、完全なミスリードです。


以前、丸山穂高のデマを暴く記事で紹介しましたが、少なくともこの7年ほど、日本全体の生活保護受給世帯数に対する外国籍世帯の受給数は、増えるどころか、わずかではありますがむしろ減っています。

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鈴木は「この10年で外国人生活保護が2倍に激増」と言っています。この表は最新のデータのものなので、鈴木が選挙に出たのは平成29年(2017年)の時点での最新データであった平成27年(2015年)7月31日時点のデータと、その10年前の平成17年(2005年)7月31日時点のデータとの比較をしてみましょう。

世帯数
  日本全体 外国人
2005 1,012,855  28,499 
2015 1,602,551  44,965 
倍率1.6倍 1.6倍

人員数
  日本全体 外国人
2005 1,433,227  46,300 
2015 2,127,841  69,914 
倍率1.5倍 1.5倍
(※ 2005年の外国人の人員数は正確な数は不明で、100人前後のズレの可能性あり)

1.5~1.6倍を「2倍近くも激増」というのもどうかと思いますが、日本全体の生活保護増加率と、外国人の生活保護増加率には、ほとんど差がないことがわかります。


これで「外国人の生活保護が10年間で2倍近くも激増!」「日本はたかられている」悪質な外国人たちによって日本が食いつぶされる」だのと主張する鈴木信行は、あまりにも卑怯すぎる


鈴木信行の卑怯なところは、分母に全く言及していないことです。


日本全体の生活保護が163万世帯で総額3兆8000億円だという分母は全く言わずに、4万世帯、1200億円という分子だけを強調する。日本全体の生活保護世帯数も外国人の保護世帯数もほとんど同じ比率で増加しているのに、外国人世帯だけ取り上げて「10年で2倍近くも激増!」と書き立てる。


鈴木が分母に一切言及していない理由は明らかですね。都合が悪いからです。外国人の生活保護と日本人の生活保護の増加率が殆ど同じであることがわかってしまうと、「外国人に日本が食いつぶされる!」と言ってヘイトを煽れなくなるからです。


鈴木信行がやっているこの「分母を見せないで分子だけを見せる」という手法は、卑怯な論法としてよく活用されます。


鈴木のやっていることは、「日本の犯罪者の大半は毎日コメを食っていた。コメは危険だ」と言うようなもの。犯罪者以外も毎日コメを食っていることを隠して、「犯罪者はコメを食っている」ということを強調して「コメは危険だ」と主張するのが鈴木信行のやり方です。


以前、危険物質DHMOという記事を書きましたが、鈴木のやっているのはまさにこの方法。卑怯者の典型例です。こんな卑怯な男が区議をやっているという事実には驚愕せざるを得ません。


しかも、この男はこのポスターを、つい先週、6月4日にも自身のブログに貼り付けています。それもこのポスターの制作年月日を書かずに。2019年6月の時点では、日本全体の生活保護は微減を始めており、外国人の生活保護受給人数は4年以上も減少を続けています。

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それなのに「生活保護が過去最高を更新」「外国人生活保護が激増」という情報をいまだに宣伝し続ける。どれだけ卑怯なのか、この男は。


どんな主義主張があろうと、嘘をついて人々のヘイトを煽るような人間だけは、絶対に政治家にしてはいけません。鈴木信行という卑怯者は、民主主義国家において絶対に政治家にしてはいけない男であると言わざるを得ません。


しかし、これぐらいで驚いてはいけません。この鈴木信行という男の嘘つき卑怯ぶりはとどまるところを知りません。次回は「たかられる続ける日本」という嘘を見ていきたいと思います。

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