<ざっくり言うと>
  • 「韓国の焼き肉店『イバドム』の米国での広告に芸者が使われている。日本文化のパクリ! 日本企業になりすましている!」とデマサイト『netgeek』が記事を配信。
  • 実際には「イバドム」と提携している日本料理店「GEISHA HOUSE」の広告だった。
  • 「GEISHA HOUSE」で検索すればすぐに真相は分かったはずだが、『netgeek』はそんなことさえしなかったのである。
  • ネット最低のデマサイトの一つである『netgeek』は決して信じてはいけない。
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前回の「『サムスンが日本企業に成りすましてオーストラリアでCM放送』はデマ」という記事について調べていたら、デマを吐きすぎて遂に裁判沙汰になったあのデマサイト『netgeek』にこんな記事がありました。

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韓国焼き肉店「イバドム」の米国法人のCMに芸者が使われており、「日本企業に成りすましている」という記事です。

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『netgeek』にはこう書かれています。
2枚の写真はイバドムの現地法人がFacebookページ(閉鎖済)にアップした広告。焼き肉の店なのになぜか「芸者ハウス」と書かれており、顔を白く塗った芸者が箸で寿司をもつ様子が撮られている。「STEAK&SUSHI」と書かれており、一貫して日本を彷彿とさせる広告だ。

韓国の食文化をアメリカに届けるはずが、やっているのは日本文化のパクリ。この広告は韓国で問題視され、炎上することとなった。
しかし、これもデマでした。そもそも『netgeek』に載っているという時点でデマだと判断したほうがよいので今更わざわざ言う必要もないかもしれませんが、簡単に詳細を記事にしておきたいと思います。



~GEISHA HOUSE はイバドムの現地法人ではなく日本料理店である~


イバドム」というのは韓国の大手チェーンなんだそうで、今回の芸者の広告自体はコラージュでもなんでもなく本物です。しかし、これはイバドムが作った広告ではありません。


『netgeek』は「焼き肉の店なのになぜか『芸者ハウス』と書かれており~『STEAK&SUSHI』と書かれており、一貫して日本を彷彿とさせる広告だ」などと書いていますが、それもそのはず、当たり前。「なぜか」もなにも、GEISHA HOUSEは日本料理店なのです。


Geisha House で検索するとすぐにHPが見つかります。ね? Japanese Restaurant って書いてあるでしょ?

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公式HPによれば、Geisha House は1971年にオープンしたラスベガス最初の鉄板焼き屋(Hibachi restaurant)で、創業者はジミー・ニシヤマという人なんだそうです。そこが、韓国のイバドムと提携して、同じ店舗で GEISHA HOUSE の日本食とイバドムの韓国料理を出すことにしたみたいですね。

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↑ラスベガスの同じ場所で出店

つまり、この芸者の広告は、韓国料理店の広告ではなく、日本料理店 GEISHA HOUSE の広告なんです。GEISHA HOUSE としては、普段通り芸者を広告に使ったってだけなんでしょうね。で、提携しているから、ちゃんとイバドムのロゴも入れておいた…と。


『netgeek』は芸者広告について「日本を彷彿とさせる広告だ」とか非難してますが、日本料理店なんだから当たり前。日本を彷彿とさせない方が不思議。これぐらいのこと、「GEISHA HOUSE」で検索すればすぐわかることなんですが、『netgeek』はそんなことさえしなかったわけですね。


第一、この芸者広告のロゴでもちゃんと「Korean BBQ」と書いてあるんですけどねえ…。本当に日本企業だと勘違いさせたいなら、Korean BBQなんて書くわけないだろ…。

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というわけで、「『イバドム』が芸者を広告に使うことで日本料理店になりすましている」はデマでした。本当に『netgeek』は平気でデマを吐きますね。このようなデマサイトを決して信頼してはいけません。



~韓国人が寿司屋を開くのは「なりすまし」?~


さらに、『netgeek』はこんなことも言っています。
アメリカでは韓国人が日本人になりすまして寿司屋を開く事例が少なくない。イバドムがやろうとしたのはまさにそういうことだったのではないか。
そもそもイバドムは日本料理店になりすまそうとなどしていなかったので、この批判は的外れなわけですが、『netgeek』に限らず、「韓国人が日本人に成りすまして寿司屋を開くなど許せん!」みたいなこと言う人は少なくありません。しかし、韓国人がアメリカで寿司屋を開いて何が悪いのでしょう? こういうこと言う人の脳内では、日本人しか寿司屋を開いちゃいけないんでしょうか? 外国に行けば、外国人が経営している日本料理店や寿司屋がゴロゴロしていますが。


日本国内を見たってわかります。日本のフランス料理店をフランス人がやってますか? イタリア料理店をイタリア人がやっていますか? 日本にあるインド料理店だって、インド人じゃなくてネパール人がやってるなんて珍しくないですよ。中には「インド料理」を名乗りながら、堂々とネパールの国旗を出しているインド料理店もあります。スリランカ人がやっているインド料理店やカレー屋もたくさんあります。

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↑相模原にあったインド料理店「ひまわり」。国旗は思いっきりネパールである。


もしも「日本人が握った寿司!」「日本人が経営する寿司屋!」とか宣伝しながら韓国人が握ってたらサギになりますが、そうでないかぎり、韓国人がアメリカで寿司店を開こうが何の問題もありません。ネパール人が経営するインドカレー屋と同じです。それで「なりすましだ!」とか文句垂れる方がおかしい。アメリカで日本人が中華料理店やっちゃいけないんですかね? 日本人がフランス料理店やっちゃいけないんですか?


こういうことを言うと、「韓国人が握った変な寿司のせいで日本の寿司が誤解されたらどうする!」とか言う人が出てきそうですが、天津飯や中華丼を「中華料理」として提供し、ナポリと全く関係ない「ナポリタン」、ミラノと関係ない「ミラノ風ドリア」、トルコと関係ない「トルコライス」を提供している日本が非難出来るこっちゃないですね。


次回、同じく『netgeek』による「『サムスンが富士山使用』デマと『ヒュンダイ相撲』」に続きます。

追記:『政治知新』や『アノニマスポスト』なども同じことを記事にしていた


自民党
の田村雄介の弟が運営していることで知られるヘイトデマサイト『政治知新』や、おなじみデマサイト『アノニマスポスト』、そのほか『カイカイch』『U-1ニュース』『えら呼吸速報』『東アジアニュース hatenanioのblog』 など、2ちゃんねるまとめサイトやデマサイトでも、同様の記事が掲載されていました。

↓ヘイトデマサイト『政治知新』
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↓「コリアンバーベキューを知らせる広告には芸者ニダ!」と煽りタイトルをつけるヘイトデマゴミサイト『カイカイch』
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↓おなじみデマサイト『アノニマスポスト』
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↓「擬態」などと煽り文句をつけるデマサイト『えら呼吸速報』
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↓「日本企業に偽装したとバレて炎上」とデマタイトルで煽る『U-1 News』
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デマ拡散にばかり熱心で、恥ずかしくないんでしょうか? 嘘をつくことはいけないことだと、幼児のころに教わらなかったのでしょうか?


これらの記事が元ネタとしている『ヘラルド経済』記事には、ちゃんと「現地で日本料理店を既に運営している協力会社」という文言があるんですよね。仮にそこを見落とそうが、Geisha Houseでググればすぐに真相は分かったはず。それにもかかわらず、勝手に誤解し、怒り、2ちゃんねるとかツイッターとかに書き込まれたヘイト文言を集めて、「背乗り」「なりすまし」「本当に卑しい」などと煽る。


なぜこうもろくに調べもせずにヘイトに参加できるのか理解できませんが、みなさんはこういうデマサイトに加担しないように気を付けてください。

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