<ざっくり言うと>
- 加藤清隆(自称政治評論家)、沖縄タイムス記者の「逮捕前の実名公表は異例」という発言を曲解し、「どう考えてもおかしい。大量殺人鬼を擁護するのか?」と、どう考えてもおかしい発言をする。
- 実際には「実名公表は異例」と言っているが、実名公表を批判はしておらず、事件報道と人権との問題に「悩みたい」と述べているだけ。加藤の「大量殺人鬼擁護」などという批判は的外れがすぎる。
目次
加藤清隆、『沖縄タイムス』記者のツイートを大曲解
自称政治評論家の加藤清隆。このブログではこれまで2回取り上げています。
- 「マスコミが丸山穂高を隠し録りした!」というデマで丸山穂高を擁護する、民主主義の欠片も理解していないバカウヨ達
- 加藤清隆(自称政治評論家)の「『日本の外相は韓国大統領より格上というのは世界の常識』とタイが報道した」はデマ
参院選報道に埋もれていたが、沖縄タイムズの記者が京都アニメーション放火事件の犯人の名前を公表したことについて「(京都)府警が実名を発表したのは異例のこと」と容疑者の人権問題と批判。どう考えてもおかしい。大量殺人鬼を擁護するのか?殺人放火という凶悪犯罪だぞ、大丈夫か、沖タイ。
— 加藤清隆(政治評論家) (@jda1BekUDve1ccx) July 22, 2019
「人権問題と批判」とか「大量殺人鬼を擁護」とか、何のこと言ってんのかなーと思ったら、どうやら沖縄タイムスの阿部記者のこのツイートのことを言っているらしいです。
京アニ放火事件の「男」は、まだ逮捕されていない。府警が実名を発表したのは異例なこと。
— 阿部岳 / ABE Takashi (@ABETakashiOki) July 21, 2019
メディアも普通は匿名で「男性」と書く。今の「実名+容疑者」表記も異例。
事件の重大性が理由だと思う。事件報道と人権の問題に唯一の正解はきっとないけど、異例なことを覚えておいて、また悩みたいと思う。
これが「大量殺人鬼を擁護」しているように見えるんだとしたら、加藤清隆、頭悪すぎだろ!
「異例だ」とは言っていますが、今回の異例な実名公表や実名報道や「容疑者」との呼称を、間違った判断だとか間違った報道だとか言っておらず、「悩みたい」と言っているわけです。事件の重大性、報道の使命、容疑者の人権の間で「悩みたい」というのは、事件報道をする記者として極めて正常な悩みだと思いますけどね。
まして、どこどう読んでも「大量殺人鬼を擁護」してなどまったくない。加藤清隆のあまりの的外れっぷりには呆れて開いた口がふさがりません。
逮捕状請求前の実名報道が異例なのは事実
加藤清隆は「『(京都)府警が実名を発表したのは異例のこと』と容疑者の人権問題と批判」と言っているので、どうやら彼の脳内では、「異例」という言葉を使ったのが批判に聞こえたらしいです。
しかし、「異常」なら批判の言葉でしょうけど、「異例」は単なる事実でしょう。逮捕状取得前の実名公表が異例であること自体は事実で、『沖縄タイムス』だけでなく、他の新聞社もそのように報じています。

>>逮捕前に異例の公表に踏み切った。(毎日新聞)

>>逮捕状取得前の氏名公表は極めて異例だが、
>>西山課長は「事案の重大性を鑑みた」と説明した。(日経新聞)

>>逮捕状を請求する前の容疑者について氏名を公表するのは異例だ。
>>府警は記者会見で「事態の重大性を鑑みた」と説明した。(President Online)

>>警察は(略)「事案の重大性を考慮した」として
>>逮捕していない容疑者の名前を公表する異例の対応を取りました。(NHK)

>>逮捕前の氏名公表は極めて異例だが、
>>「事案の重大さを考慮した」と説明している。(夕刊フジ)
とまあ、このように、『毎日新聞』から『夕刊フジ』まで、右派左派問わず「異例」としているんですよ。これらも全部警察発表を批判しているんですかね? そんなわけないですよね。もし警察の実名発表を批判してるんだったら、それを使った実名報道するわけないですもんね。
加藤清隆のツイートにはアホがゴロゴロぶら下がってるし、沖縄タイムスの阿部記者のツイートにもアホな批判がゴロゴロしていますが、逮捕状請求前の容疑者の氏名公表が異例なのは事実ですからね。そして、なんでそれが異例なのかって言うと、人権への配慮ですよ。無実の人間を犯人扱いしたらいけませんからね。
推定無罪の原則と判決前の実名報道の問題
阿部記者のツイートにこんなのがぶら下がっているこんなツイートを見ると、ホンマにアホやなあと思います。
無差別殺人者に人権などあるはずがない❗
— 🍀白神🎌 (@narit_by) July 21, 2019
悩む?神経大丈夫だろうか😵
「神経大丈夫だろうか」って、お前が大丈夫か? 新聞記者が事件報道と人権との間で悩むのは当たり前だろう。むしろそこで全く悩まない記者がいるとしたら、それこそ神経大丈夫かと言いたくなる。
多分、こいつら何にも理解してないんでしょうけど、日本を含めた先進国では推定無罪が原則なんですよ。
「容疑者」という言葉はほとんど「犯人」と同一視されてしまっていますが、本来は「容疑者=犯人」ってわけじゃないので、有罪判決確定前の実名報道は、実質的な「推定有罪」になっているのではないかという批判もあります。実際、世の中、冤罪事件ってのはいくつもあったわけで、マスコミが氏名も報道したのに冤罪だったなんてことも少なくないわけです。中には逮捕前にマスコミと警察によって犯人扱いされた松本サリン事件みたいなものもあるわけでして、容疑者の情報の報道には慎重になるのが当たり前です。
(松本サリン事件では、妻が意識不明に陥った被害者でもある第一通報者が疑われ、逮捕状請求さえされていない段階で、警察が情報を公表して犯人扱いの報道がなされた。結局冤罪だったわけだが、今回の加藤清隆やそのフォロワーたちのような「大量殺人鬼を擁護するのか?」「無差別殺人者に人権などあるはずがない」という声は、このような推定有罪対応を加速させるものに他ならない)
今回の場合は、事件の被害が極めて甚大であり、また、ほとんど現行犯逮捕同然で、容疑者が犯人であることがほぼ確実であるために、警察も逮捕状請求前の実名報道に踏み切ったのでしょうし、マスコミも「容疑者」と呼んでいるのでしょう。
沖縄タイムスの記者はそれを批判はしておらず、「今回の警察やマスコミの対応は異例のことである」という事実を指摘したうえで、
「異例の処置の理由は事件の重大性」
「事件報道と人権の問題に唯一の正解はないからこれからも悩みたい」
と言ってるにすぎません。ましてや、どこをどう読んだって「大量殺人鬼を擁護」なんかしていない。
このツイートを「大量殺人鬼を擁護」しているように読む加藤清隆は、日本語理解力が絶望的と言わざるを得ません。
それに、仮に阿部記者が本当に実名報道を批判していたって、それは報道の在り方についての意見であって、大量殺人鬼を擁護していることになんかならないんですけどね。
加藤は「どう考えてもおかしい。大量殺人鬼を擁護するのか?」「大丈夫か、沖タイ」とか言っていますが、どう考えてもおかしいのは加藤清隆の方ですし、大丈夫でないのも加藤清隆の方です。
〇〇評論家なんて名乗るのに資格はいらないわけですが、評論するためにはある程度の日本語力は必要なわけで、こんな出鱈目な曲解する日本語力で政治評論家なんて自称しちゃだめだと思いますよ、加藤君。
この加藤清隆のツイートが記事執筆時点で2400件以上RTされてるんですが、どうなってるんですかね…。加藤清隆って男は日本語力は絶望的なのに、デマ拡散機としては極めて優秀みたいですね。実に情けない。
Share News Japanが加藤のツイートを拡散する悪夢の連鎖:沖縄ヘイト、さらには何故か朝鮮ヘイトにまで繋げる
加藤清隆がバカなこと言ってるだけならまだしも、それを拡散するバカがいるから困ります。Share News Japanとかね。

(↑デマヘイトサイト『Share News Japan』。「『異例』と批判」と書いてあるが、記者は「異例」とは言ったが批判はしていないぞ)

(↑「平壌運転」「安定の沖縄クオリティ」など、加藤の妄言を朝鮮ヘイトや沖縄ヘイトにつなげる『Share News Japan』)
前回の国立メディア芸術総合センターデマも、あっちこっちのまとめサイトが拡散していましたが、この「デマツイート」→「まとめサイトが拡散」の地獄の連鎖、いい加減やめてもらえないもんですかね。
今回の件からも分かる通り、加藤清隆の言うことなんぞ傾聴に値しません。こいつも『虎ノ門ニュース』の一員らしいですが、『虎ノ門ニュース』のレベルが知れるというものです。自分の知能を守りたいなら、そんなアホだけ集めたようなネット番組見ないにこしたことはないですね。
ちゃんと相手の発言を読む能力があれば、加藤清隆みたいなおかしな曲解はしないはずです。こういう曲解をする奴に騙されてはいけませんし、なによりも、自分がそういう曲解をする奴にならないように気をつけないといけません。
あと、加藤君も『Share News Japan』も、『沖縄タイムズ』って言ってるけど、正しくは『沖縄タイムス』だからね。


にほんブログ村 政治 ブログランキング
コメント
そもそも人権が守られなかったらどうなるかも全くわかってないんでしょうね。
人権が無いと「ある日突然自分が容疑者にされ、そのまま実刑判決喰らって刑務所行き」
なんて事が起こりうるから慎重に運用(それでも日本はかなりザルですが)されているのに、
「自分が逮捕されるなんてありえない」とかいう意識が根底にあるんでしょう。
以前、北朝鮮で刑事訴訟の被告になってそのまま刑務所(収容所ではない)に送られた人の話を読んだ事がありますが、
その人はある日突然逮捕されて警察署で凄惨な拷問(歯が何本も無くなったそうな)を受け、
そして無理矢理自白させられた後に刑事裁判が開かれたそうな。
容疑が「党や国家を裏切った」という事で、弁護士は何一つ弁護をせず、
そのまま検察の求刑通りに刑が確定し、刑務所へ送られたと。
刑務所でももちろん人権は無く、
トイレの穴から這い上がってくるネズミ(ご馳走)を捕まえた時は「今日は最高の一日だ!」と大喜びだったそうで。
流石はネトウヨさんの理想の国だけあって、ネトウヨさんが望む通りに正義(笑)が執行されていますね。
脱愛国カルトを筆頭にしたデマ情報を論破する防波堤サイト。
まあ、デマ情報拡散勢力に目の敵にされますな桑原ニキを含む方々いつもご苦労様です。
もう与党が謎のデマ情報を元に野党中傷や地方国会議員がデマ情報で色々動く国になり果てたので、民間の人間が膨大な情報を精査しないといけないなんて理不尽だなと。
最近のtwitterからのまとめサイトやインチキニュースサイトから伝染拡大の負のスパイラル
これって風土病になりつつあるように思えるのが情けないな。
沖縄タイムスの主張も真っ当だと思うのですけどねえ。
加藤清隆だが、在名の中京テレビがメジャーデビューさせた。
歩くデマの武田邦彦も未だに在名のCBCに出ている。
こういう連中を識者として登場させるメディアそのもののリテラシーが問われているのではないか。
「天賦人権説」という言葉があるように、人間が生まれながらにして持っていて、権力によって侵されない基本的な権利が人権です。
例え無差別殺人者だろうと、誰かが彼の人権を剥奪する事はできません。
阿部記者とその批判者の間で人権に関する認識に大きな隔たりがあるため、批判者にこの加藤のデマをデマと認識してもらう事は難しいでしょう。
まずは人権教育が必要ですね。
右寄りの自分も、今回の沖縄タイムスは珍しく真っ当だと思ったしな。
こんなしょうもない1文で愛国(笑)気分ですか楽しそうですなあ
記事中に松本サリン事件への言及を追記しました。
「逮捕前の実名公表は異例」と報道していたのだが、
加藤清隆には「逮捕前の実名公表はおかしい」と都合よく聞こえたのだろうねぇ!
この人他の局は一切、見たり聞いたりしないのか?
自分の思うようにしか聞こえないなら、耳鼻咽喉科にでも行った方が良い。
この場合は精神科ないしは心療内科でしょう。
だいたい何故こう言う連中は遙古代に滅びさった政治体制や習慣を矢鱈目ったら崇拝するんでしょうね?
NHKでも「異例」と付けていたと記憶してるわ俺
「うーんまあ、極めて凶悪な犯罪だしな そういう事もあるよな」と思った
犯人擁護だ!とは微塵も思わなかったけど
私正常ですよね……?
やれマスコミ批判やれ韓国批判につなげるコメントだらけでした
コメントは全部は見てないけど流石に一つ二つのツッコミがあると信じたい
報道、この場合沖縄の立場からですが、それが「偏向報道」なのでしょうか?
賛成の人もいるという立場は重々承知ですが、大抵、叩く相手は日米両政府という権力であり、反権力という立場はジャーナリズムとして当然だと思うのです。
賛成派を報道しない事と、反権力とは違うと思いますが、全国紙と同調の中立的な報道と、地方紙は
要するに、全国紙と地方紙が一緒である必要性は無いと思います。
しかし、それ以外の報道が、沖縄でやりづらいというのは否定できません。
戦後の影響が強すぎるのもあるからでしょうが・・・。
お前の物差しは壊れてんだからどっかで修理してもらえもうサポート期間終了かもしれんが。
>正しくは『沖縄タイムス』だからね。
こういうところからして雑さ、出鱈目ぶりが表れていますな。
だから「異例」と「異常」の違いに気づくこともない。
こんなアホにそうだそうだとリツイートする奴が容疑者のところへカチコミかけるんだろうなとマジで心配です。
「応援団 肩書き『自称』の 人ばかり☠」
「噛みつくの 好きだが元は 勘違い☠」
「この人に 読解力は 望めない☠」
「安倍ヨイショ やめたら何で 飯を食う☠」
この加藤って人、警察の会見も沖縄タイムスの阿部記者のツイートもまともに聞いてなさそうだし読んでなさそう
追記を拝読いたしました。
勉強になります。
・・・・・・で裁判で有罪と刑が確定して初めて実名報道がなされるんじゃないの?!
ま、刑務内容についても色々と見直されなければならないみたいだけど・・・・・・。
推定無罪の原則から考えれば本来そうあるべきですね。
そもそも実名を報道する意味も分かりませんが。
ただこのような主張をするとなぜか「被害者の人権がー」と言われて叩かれます。
容疑者の実名報道でなぜ被害者の人権が守られるのか全く分かりません。
推定無罪の原則を考えるとそれが正しいはずなんですけど、例えばオウム事件みたいなときに、最高裁で刑が確定するまで何もわからないってのはさすがにきついですよね…。事件背景の検証なんかもできなくなってしまう。
刑が確定するまで名前を含めた犯人の個人の特定につながる情報を公開できないとなると、オウムという組織が起こしたということさえ、公開されないことになるかもしれません。刑が確定するまでに10年以上かかってますから、国民は事件が起きてから10年間もの間、何にも知らないままということになるかもしれません。
本当に難しいところです。警察だけが全ての情報を握って公表しないというのは、それはそれで恐ろしいことですし…。だからこそ沖縄タイムス記者も「悩みたい」と言っているのでしょう。
>ただこのような主張をするとなぜか「被害者の人権がー」と言われて叩かれます。
>容疑者の実名報道でなぜ被害者の人権が守られるのか全く分かりません。
激しく同意。
かなり以前だと容疑者の実名が世間に見せびらかされる事で家族が警察に問い合わせやすくなる等と言ったカキコを見かけたな。
容疑者とされたらその人物の家族に警察から連絡が行く筈なのに、謎だよな!!
やはり所謂「被害者」の心のケア(介護?世話?)を疎かにして容疑者と被害者(ひいては世間の一般の人)と対立させる事で、支配者(要するに権力者とその背後の有力者)は自分達が支配する状態の安定に利用しているのだろうか?!
>>26
「名前を含めた犯人の個人の特定につながる情報」は所謂「学会」等に対して公開されるのならいいだろう(「事件背景の検証」も所謂「学会」等の仕事の1つの筈だから)。
ただ一般の人に対して「容疑者」とされる人物の名前を世間に見せびらかす事は、今の我国においてはその人物とその家族(或は家族だった人又は-趣味を含む-その人物と同じ好みである赤の他人)に関しても世間に酷い偏見を持たせるんじゃないだろうか?!
特に「容疑者」とされた人物が実は冤罪だった場合、例え無罪判決を勝ち取っても「容疑者」だった人物及びその家族(或は家族だった人又は-趣味を含む-その人物と同じ好みである赤の他人)に対する偏見は簡単には消えないんだよな。
その事から考えても、「本当に難しいところ」である事は間違い無いな。
この部分を変更(今更で悪いけど・・・・・・):
×容疑者と被害者(ひいては世間の一般の人)と対立させる事で、
↓
○容疑者と被害者(ひいては世間の一般の人)と対立させる事で(要するに「分割支配」の一種として)、
これが凶悪犯擁護に見えるとか完全に頭がおかしい。報道関係者が「極悪人は問答無用で晒されるべき」なんて、ぽぺぺん並みの幼稚で下らないバカげた知能を持っているわけがないのである。報道でどうして「犯人」ではなく「容疑者」と言うのかさえ分かっていないバカだというのがよくわかる。そんな基本もわかっていないバカだから、デマに騙されるし、妄想で「韓国はファウルが他国に比べて尋常じゃなく多い」などと出鱈目を吐くことができるし、朝鮮学校の子供に向けられた差別発言を擁護するという人間の所業とは思えないクズ行為を平然とやってのける。
このツイートが擁護に見えるのは、ぽぺぺんの頭が決定的におかしいからに他ならない。ぽぺぺんは他人に頭おかしいとか言う前に、これまでの批判から自分を見つめ直して人生を一から出直すべきだ。