＜ざっくり言うと＞
  • 常磐道あおり運転暴行事件の犯人が在日韓国人金村竜一だというデマがネット上に流れたが、実際の容疑者の名前は宮崎文夫だった。
  • 「金村竜一」という話の初出は５ちゃんねると思われる。
  • 情報ソースがわからないものを拡散することは決してしてはいけない。一人一人が、情報ソースを確認する意思を持とう。
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目次

「常磐道の煽り運転＆暴行事件の犯人は在日・金村竜一」というデマ広がる


8月10日に起きた常磐道の煽り運転＆暴行事件について、ネット上では容疑者特定前に「犯人は金村竜一という在日」というデマがあふれかえりました。


↓皆様、こういう差別ツイートはツイッターへの報告をお願いします

なんでネットの噂に乗っかって、こんな下劣な差別語を平然と垂れ流せるのでしょう。毎度毎度、事件があるたびにヘイトデマに利用する連中が現れますが、なんで学習しないんでしょうね。きっと差別をするのは、彼らにとっては趣味で、エンターテインメントなんでしょうね。


さらにこんなツイート↓が2万件以上もＲＴされ、3万件以上の「いいね」をもらう。

「急にメディアが静かになっている」とか、なんでこういう妄想を垂れ流すのやら…。なんでそんなのを鵜呑みにするのやら…。


さらに、世の中には驚くべき人もいるもので、「嫌韓歴長いので通名報道でも分かるようになりました」などと言う人まで…。それ、単に妄想が強化されただけだからね…。苗字と顔立ちで在日かどうかわかるって、そりゃあエスパーだよ…。

このブログを始めて以来ずっと言い続けていることですが、こういうネットで拾ってきたいい加減な情報を拡散するのはやめましょう。 もちろん、今回もデマです。



本当の容疑者の名前は宮崎文夫だった


事件から数日たった8月16日に、容疑者が指名手配されました。宮崎文夫（43）だそうです。

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（神戸新聞8月17日）


金村竜一じゃありませんでしたね。これでまた一つ、「ネット情報の噂を信じてはいけない」ということが証明されたと思います。


さて、では、「金村竜一」という話はどこから出てきたのでしょう？


ソースは５ちゃんねるで、しかもガセと書き込み主が認めていた


こちらのサイトによれば、「金村竜一」という名前が最初に登場するのは8月13(火) 8時37分の5ちゃんねるの書き込みらしいです。

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ツイッターを検索してみても、たしかにこれよりも早い時刻で容疑者を「金村竜一」だとするツイートは見当たらなかったので、おそらくこれが初出というのは事実でしょう。


驚くべきことに、この書き込みをした人物、自分自身で「ガセ」だと認めているのです。

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「ガセにきまっとるやんｗｗ」とか「ググればネタだと分かるだろ・・・」などと書き込んでいますが、冗談と言うのはみんなで楽しく笑えるものであって、こういうものは「ネタ」だと言ってばらまいていいものじゃないと思います。

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何にせよ、この「金村竜一」デマをバラまいた人たちは、自分では一切情報ソースを確かめることなく、ただのネットの書き込みを鵜呑みにし、拡散していったことがわかります。一人一人に、情報ソースを確かめようという意識が少しでもあるなら、こんなデマがバラまかれることなどなかったでしょうに。


情報ソースがわからない情報を拡散する真似は、もういい加減やめましょう。インターネットが一般に普及して20年以上が立ちます。そろそろネットの噂を信頼してはいけないということを常識にしましょう。


フェイクニュースは命にかかわる


遊び半分でデマを流すのも、それを鵜呑みにするのも、もういい加減やめましょう。以前も書きましたが、「こいつが犯人だ」というネットのデマが広がったために殺人事件にまで至ったケースも存在します。

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（↑メキシコで、ネットデマがもとで無実の人間が焼き殺された。しかも、それを大勢の市民が止めることなく、逆に携帯電話でその様子を撮影していた）


「ネットのネタが殺人に繋がるなんてないだろｗｗ」と思っている人は、BBCの記事（日本語です）を読んでみてください。このメキシコの件に限らず、無責任な噂のせいで人命が失われた事件など世界にはいくらでもあります。ルワンダ虐殺も、関東大震災時の朝鮮人虐殺も、全てデマから始まったのですから。


冗談とかネタとかいうものは、みんなで愉快に笑い合えることをいうのです。「犯人は在日」などというデマを吐き憎悪を助長しそれを楽しむなど、人間のするべきことではありません。


京アニの時も「犯人は在日」というデマがあっという間に拡散しましたが、もういい加減にしましょう。


もう、いい加減、憎悪を煽るのを楽しむなんて下衆な行為はやめましょう。


そもそも、日本の犯罪の95%は日本人によるものです。外国人犯罪は、在日・来日・すべての国籍合わせても、５％程度なのです。「日本の犯罪の殆どが在日」みたいな妄想は捨てましょう。


デマで憎悪を煽るのは犯罪と同様罪づくりであり、時には人の命にまで係わります。人間として、決してやってはいけない行為です。ネットの噂を信じて拡散してはいけない、ということを、一人一人が常識として持つようにしましょう。


追記：勝手な犯人特定は犯罪行為


今回の常磐道煽り運転在日認定の件は読者からのコメントで知ったのですが、驚いたことに、在日認定だけでなく、同乗者の女性の特定まで行われていたんですね。（参照）


個人の名前を晒し「こいつが犯人だ」などとやるとは信じがたい人権侵害です。スマイリーキクチ中傷事件が有名ですが、誰かを勝手に犯人に仕立て上げ攻撃することは犯罪です。スマイリーキクチ中傷事件では何人も検挙されています。


東名高速での煽り運転で、無関係の建設会社を犯人に結び付けて中傷した件でも、11人が書類送検されています。


京アニの時も、実在のNHK職員の名前を出して「こいつが放火犯を手引きした」などというデマが流れましたが、そのようなデマを流した人は、NHKから訴えられても文句は言えないと思います。（いっそNHKは一人残らず全員訴えて一人一人から数百万円ぐらい賠償金を取っていただきたい）


ネット上で「犯人はこいつだ」などとやる人は、「まだ皆が知らないうちに情報を拡散して情報通扱いされたい」とか「悪い奴を叩いて楽しい」とかその程度の軽い意識でやっているのだと思いますが、犯罪を叩いているつもりで、自分が犯罪者になりかねません。そして、そのようなデマ情報は、上述のような殺人事件にさえつながることさえあります。


もう、ネット上の情報をもとに「こいつが犯人だ」なんてやるのはやめましょう。今度は自分が犯罪者になります。

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タグ ：
嫌韓デマ
在日認定