<ざっくり言うと>
- 加藤清隆、感染者の6割が外国人というとんでもなくあり得ない数字でデマを吐く。
- 実際には、国籍が確認されたうち、97%が日本人。
- 国籍が確認されていないのは、外国籍ではなく、そもそも国が国籍確認を求めていないからだと厚労省が説明。
- 外国人が多いという報告は都道府県から上がっていない。
- 厚労省は、「感染者の半数以上が外国人などはあり得ない。普通に、日本人の感染者が多いと考えている」と、完全否定。
- 加藤清隆を見たら、「あ、デマと差別の人だ」と考えるべき。

↑本日の差別主義者&デマゴーグ、加藤清隆
なぜ、この男はこんなにも何も調べずに差別扇動のデマを拡散できるのでしょうか。
厚労省統計では感染者の国籍は不明。ようやく情報が漏れて来た、と宮崎正弘氏。60%近くが外国人らしい。日本国民の積立や国家予算、地方自治体の負担などで成り立つ病院に、一銭も支払わない外国員が治療をうけるとは、と同氏は慨嘆。これが事実ならとんでもないことだ。厚労省、事実を明らかにせよ
— 加藤清隆(文化人放送局MC) (@jda1BekUDve1ccx) May 14, 2020
>>厚労省統計では感染者の国籍は不明。ようやく情報が漏れて来た、と宮崎正弘氏。
>>60%近くが外国人らしい。
なんと、加藤清隆によれば、コロナ感染者の60%が外国人らしいです。常識的に考えてあり得るわけがない数字だと何故わからないのか、全く不思議でなりません。(加藤清隆が情報源と言っている宮崎正弘も、このブログではまだ扱ったことがありませんが、かなりの凄腕ネトウヨであるらしいですね。しかし、今回は宮崎正弘の発言は確認できていないので彼については保留。こちらの記事によると、15年も前から「中国経済は自滅する」「中国経済は瓦解する」と言い続けているらしい…。さらに2013年には「中国共産党は3年以内に崩壊する!?」と言っているらしい…。)
さて、直近2週間ほどの数字が確認できなかったのですが、5月8日時点の日本国内の感染状況は、厚労省によれば以下のようになっています。

・感染症の感染者は15,547例感染者数15547例に対し、日本国籍6826名とはなっていますが、外国籍226名で、後は国籍確認中です。常識的に考えて、もしも外国籍が60%もいるのならば、国籍確認ができているうちの97%が日本人なんてことにはならないはずです。さらに、外国籍226名中、クルーズ船の乗員が149名いるので、市中での外国人感染者はさらに少ないわけです。
・患者9,270例(国内事例9,224例、チャーター便帰国者事例11例、空港検疫35例)
・無症状病原体保有者1,143例(国内事例1,024例、チャーター便帰国者事例4例、空港検疫115例)
・陽性確定例5,134例(国内事例5,134例).
・日本国籍の者6,826名、外国籍の者226名(他は国籍確認中)
(※外国籍の者には、長崎県のクルーズ船における陽性者数149名を含む。)
つまり、加藤清隆は、勝手に「国籍確認中」を「外国人」にしてしまっているのです。なんと差別的なデマを吐く奴でしょうか。
これについては、『INFACT』というサイトに既に記事がありました。そこでは4月18日時点での厚労省合評が言及されています。(4月18日時点の「国籍確認中」は4749人だった)
では、この「国籍確認中」の4749人は「外国籍」なのか。厚生労働省に確認した。対応した新型コロナウイルス対策本部の加藤拓馬課長補佐はそれを否定し、そもそも「国としてはPCR検査陽性者の国籍を確認して欲しいという要請はしていない」と話した。その上で、次のように説明した。
「元々は感染者の国籍を記載していなかったが、主にメディアからPCR検査の陽性者が日本国籍かどうか教えて欲しいとの声があり、日本国籍の者の人数を記載した。しかし、自治体によって日本国籍、外国籍を発表するところとしないところがあり、発表のあるものだけを記載している」
厚生労働省のホームページでは、当初、日本国籍が確認された人数だけを発表していたが(バズフィードの検証記事も参照)、4月13日以降は、「うち日本国籍の者●●人、外国籍の者●●人(他は国籍確認中)」といった形で、外国籍が確認された人数も合わせて発表するようになっている。
このように発表の仕方が変わったことについて、加藤課長補佐は、「インターネット上で日本国籍の者以外は外国籍であるとのデマが広まったため、現在の表記に切り替えた」と説明している。
(問)では、感染者の半分以上が外国人という情報についてはどうか?このように、厚労省もはっきりとデマだと断言しています。
(答)それはないと考えている。仮に、そういう話なら、厚労省に各地から言語対応を含めて話が来るはずだ。そういう話は全くない。
(問)外国人が多いという報告は都道府県からない?
(答)ありません。感染者の半数以上が外国人などはあり得ない。普通に、日本人の感染者が多いと考えている。
BuzzFeedNewsも、4月2日の段階で既に厚労省に確認を入れており、
「このタイミングで外国人観光客が増えていることは考えづらく、感染拡大の状況から考えても、確認中の方のほとんどが日本人であると推測されます」と答えています。現在9000人ほどが「国籍確認中」と扱いになっていますが、そのほとんどが日本人であることは当然でしょう。国籍が確認できたうち日本人が97%なのですから、国籍を確認していない人でも、日本人と外国人の割合は同程度と考えるのが自然です。ウイルスは日本人か外国人かなんて選ばないんですから。
訪日外国人が去年に比べて99.9%も落ち込んでいる現状、感染者の6割が外国人だなどということがあり得るわけがないことぐらい、誰でも常識的にわかります。また、加藤清隆は宮崎正弘の発言として、「厚労省統計では感染者の国籍は不明。ようやく情報が漏れて来た」と言っていますが、厚労省は上述のとおり国籍確認を要請しておらず、今さら退院者等の国籍が厚労省に上がってくることはあり得ないと考えられます。
よって、上記の加藤清隆の発言は全てが虚偽と断言してよいでしょう。
さらに、
>>日本国民の積立や国家予算、地方自治体の負担などで成り立つ病院に、一銭も支払わない外国員が治療をうけるとは
などと言っていますが、そもそも外国人が一銭も支払っていないというのが完全なる妄想です。来日外国人がほとんどいなくなった現状で、来日外国人の感染者などそう多いはずがないでしょう。そして、在日外国人であれば、普通に税金を払っています。
ウイルスは日本人か外国人か選んで感染したりしないのに、なぜ「感染者の6割が外国人」などということを妄想できるのか、私には想像がつきませんが、とにかく外国人を差別したい、排撃したい、という心が加藤清隆の中にはあるのでしょう。
このような差別扇動のデマツイートが、8000のRTと20000近い「いいね」を受けているのを見ると、大変悲しくなります。どんな主張にしろ、デマと差別は、右翼も左翼も保守も確信もなく、人類共通の敵だという認識が必要だと思います。混乱のさなかのデマは、本当に人の命にかかわります。
加藤清隆という名前を見たら、「あ、デマと差別の人だ」と考えてください。





にほんブログ村 政治 ブログランキング
コメント