<ざっくり言うと>
  • 自民党、日本国憲法の「基本的人権」の意味を理解できていないことが判明。
  • 自民党、基本的人権を「法律に触れない限り」自由ということだと、大日本帝国憲法時代と変わらぬ人権理解を示してしまう。
  • 自民党、「公共の福祉」ではなく「公益」や「公の秩序」を理由に、言論の自由を含む基本的人権を制限できるという憲法改正案を作ってしまう。
  • 中学レベルの憲法理解や人権理解も怪しい自民党に、現代民主主義国家の政党を名乗る資質なし。
  • 自由と民主主義を愛するのであれば、自由と民主主義を破壊する自由民主党だけは、決して支持してはならない。
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↑人権に対する理解が大日本帝国憲法時代から全く進歩できていない、時代逆行人権抑圧無能詐欺集団、自民党。

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大日本帝国憲法時代から進歩がない自民党の人権理解 


自民党には嘘つきとか卑怯とか権力欲とか金銭欲とか様々な特徴がありますが、自民党の最も根本的な本質は「頭が悪い」ことかもしれません。


前回の憲法改正漫画では、ダーウィンの発言を捏造するという詐欺師ぶりを披露した自民党ですが、今回は中学生レベルの憲法理解が身についていない知能の低さを晒してくれています。基本的人権についての自民党の説明がこちら

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基本的人権について、「人間が生まれながらにして持っている、人間らしく生きる権利を永久に保障する」「言論の自由」「職業選択の自由」まではいいのですが、「法律に触れたり、人に迷惑をかけない限り自由」というという説明は完全に間違いです。


何故なら、どんなに人権が抑圧されている国家だって、「法律に触れない限り自由」「人に迷惑をかけない限り自由」というのは変わりないからです。ナチスドイツだって、ソ連だって、中国だって、北朝鮮だって、どんな国でも、法律に触れない限り自由ですし、人に迷惑をかけない限り自由です。その「法律」や「迷惑」の範囲が問題なのです。


実際、大日本帝国憲法では国民の基本的人権は「法律の範囲内」という制限がついていました。
第22条 日本臣民は法律の範囲内において居住及び移転の自由を有す

第29条 日本臣民は法律の範囲内において言論著作印行集会及び結社の自由を有す
だから、国民の言論の自由が法律により制限され、新聞や書籍に検閲が入り、政府によって発禁処分を食らったりしていたわけです。


現在の日本国憲法では、基本的人権は不可侵のものであり、それを侵す法律はそもそも違憲という考え方です。「法律に触れない限り自由」などという自民党の説明は、大日本帝国憲法時代のものです。自民党の人権理解は、80年前から進歩がないようです。前回の進化論マンガで「唯一生き残ることが出来るのは 変化できる者である」とか自分で言ってたくせに、80年前から人権に対する理解度が変化できていない。この頭の悪さが今の自民党です。


公共の福祉を理解できていない知能欠損自民党:「公益及び公の秩序」のために基本的人権を侵害する自民党憲法


さて、こういうことを書くと、「じゃあ、法律を侵してもいいというのか! 人を殺しても自由なのか!」とか言ってくる、知能が欠損した人が現れそうですが、もちろんそういうわけではありません。ある個人の基本的人権と、ほかの個人の基本的人権がぶつかったら、これを調整せねばなりません。この考え方が「公共の福祉」の考え方です。


日本国憲法には
第13条 生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

第22条 何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。

第29条 財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。
と書かれており、個人の人権は「公共の福祉」によってのみ制限されます。


人が2人以上いれば、必ず互いの権利がぶつかります。例えば、「タバコを吸う権利」と「受動喫煙を拒否する権利」がぶつかったとき、それを調整するのが公共の福祉です。分煙や禁煙が行われているのは、公共の福祉により、タバコを吸う権利が制限されているからです。


ところが、知能欠損集団である自民党は、公共の福祉が理解できていません。自民党は別の憲法改正推進漫画で、公共の福祉のことを「公益」と説明しているのです。

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こんなバカ丸出しの説明をよくもまあ恥ずかしげもなく発表できるなあと驚かされるのですが、自民党はそもそもこの説明の何がおかしいのかさえ理解できないほど、知能が欠損しているのでしょう。


もちろん、公共の福祉と公益は全く異なる考え方です。公共の福祉は個人の人権を尊重する考え方ですが、公益は個人よりも集団を重視する考え方です。自民の説明だと、公益によって個人の基本的人権を制限してもいいことになります。


例えば、政府がTPP推進を「公益」と思えば、TPP反対運動を「公益」の観点から制限することが可能になってしまいます。中国で成立した国家安全法のような恐るべき人権抑圧法さえ、「国家の安全と安定を守るという公益のためだ」と言えば可能になってしまいます。


個人の人権と個人の人権の折り合いをつけるという考えである公共の福祉とことなり、公益によって基本的人権が制限できるとなると、何を「公益」とするかによって、いくらでも人権制限が可能になってしまうことでしょう。


実際、自民党が野党時代に作った自民党の憲法改正草案では、現行憲法で「公共の福祉」とされているものが、「公益及び公の秩序」に変えられているのです
日本国憲法第十二条

この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであって、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負う。
自民党憲法改正草案第十二条

この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力により、保持されなければならない。国民は、これを濫用してはならず、自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚し、常に公益及び公の秩序に反してはならない
日本国憲法第十三条 

すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
自民党憲法改正草案第十三条

全て国民は、として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公益及び公の秩序に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大限に尊重されなければならない。
ごらんのとおり、自民党の憲法改正草案では、公共の福祉という言葉が削られ、「公益及び公の秩序に反してはならない」とされています。国の考える公益(国益)に反する言動は許されず、「公の秩序を乱すな」という理由で政府批判やデモなども制限できてしまうのです。


しかも、「すべて国民は、個人として尊重される」が「全て国民は、として尊重される」に変わっています。自民党が個人の権利というものを制限しようと考えていることがはっきりと見て取れます。


さらに、憲法21条を見ると、恐るべきことが書いてあります。
日本国憲法第二十一条

集会、結社及び言論、出版その他の一切の表現の自由は、これを保証する。
自民党憲法改正草案第二十一条

集会、結社及び言論、出版その他の一切の表現の自由は、保証する。

2.前項の規定にもかかわらず、公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない。
自民党の憲法改正案では、公益及び公の秩序を害する集会、言論、結社、出版は認められないわけです。「公益」や「公の秩序」に反すると判断されたら、言論まで制限されるのです。自民党の憲法改正草案が現実化したら、中国の国家安全法のような人権抑圧法案さえ、「公の秩序」を保つためだとして、成立してしまうことでしょう。


自民党の憲法改正草案では、基本的人権はまさに「法律の範囲内」でしか認められないのです。国民は個人として尊重されず、個人の人権は「公益及び公の秩序」によって、実質無制限に制限可能になってしまうのです。


いかに自民党という組織が恐ろしい人権抑圧団体であるか、自民党の憲法説明や憲法改正草案を見るとよくわかります。

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中学生レベルの憲法理解も怪しい自民党に、民主主義国家の政党を名乗る資質なし


ちょっと頭のいい中学生であれば、「公共の福祉」と「公益及び公の秩序」が違うものだと理解できることでしょう。


ところが、自民党の知能レベルでは、「公共の福祉」を理解できていないから、基本的人権を「法律に触れない限り」のものだと説明してしまったり、憲法改正案で「公共の福祉」を「公益及び公の秩序」などと書き換えてしまうのです。自民党はこのような中学生レベルに達しているかも怪しいような脆弱な憲法理解と人権理解で、憲法改正を主張しているのです。


憲法に対する理解度がこの程度だから、平然と憲法解釈を変えたり、首相補佐官が「立憲主義」という言葉を知らなかったり、「法的安定性は関係ない」とか言ってしまったりするのです。


政治家というものは、法律というルールを作ることが仕事なのですから、誰よりもルールに詳しくないといけないはずですが、自民党の憲法理解は中学レベルに達しているかも怪しいです。誰にルール作りをさせるにしても、現行ルールを理解するだけの知能もない連中にだけは任せるわけにはいきません。


自民党という組織は、政党どころか、民主主義国家の成人を名乗るに値するだけの知識も知能も持ちわせず、民主主義国家にとって害毒にしかならない嘘つきと卑怯者と知能の欠損したバカの集合体に過ぎません。どんな思想良心を持っていようが自由ですが、自由と民主主義を愛するのであれば、自由民主党だけは死んでも支持してはならない存在です。自民党を支持することは、民主主義国家の国民として自殺をするのに等しいです。

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