<ざっくり言うと>
  • 渡邉哲也の「デモや集会への参加を含め、外国人に政治活動は認められていない」という主張は完全に間違い。
  • 衆議院は、外国人が国会に請願書を提出することが可能だと明記している。国会への請願という政治活動が認められているのに、政治デモや集会への参加が認められないわけがない。
  • デモや集会への参加は憲法21条が保障する言論・集会の自由であり、国籍制限はない。
  • 渡邉哲也は「内政干渉」の意味を理解していない。
  • 渡邉は、自分の主張の実例としてケント・ギルバートを挙げているが、そのケント・ギルバートは渡邉の見解を完全否定している。
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目次

似たようなことを3回も記事にするのも何なんですが、前回前々回の記事に、さらに補足とまとめをさせていただきます。渡邉哲也の、「外国人に政治活動は許されない」という発言についてです。



渡邉哲也、「外国人の政治評論は許されるが政治活動は許されない」とデマを吐く


渡邉は、以下のように説明しています。
>>評論までは許されるが政治活動は許されない。
>>外国人による内政干渉をゆるさないために、
>>すべての外国人にそれを求めるスタンスが正しいのですよね。
>>それを是認すれば、悪用する人も許さなくてはいけなくなる。
>>(ケント・ギルバートは)ある意味実例であるといえる。
>>Q.政治的発言は許されますか。
>>A.評論の範疇であれば許される。活動を促す行為などは否定される。 活動と評論の境目です。
>>Q.外国人がマスコミに入り自国に有利な報道をする、も政治的活動ですね
>>A.評論の範疇を超えればですけどね。


前回前々回、の記事をお読みくださった方はもうお分かりだと思いますが、ここで渡邉哲也が言っていることは全て嘘です。


前々回記事で書いた通り、日本国憲法21条は、言論や集会の自由を保障しており、これは日本人だけでなく外国人にも適応されます。したがって、外国人であっても政治デモや政治集会に参加する自由は保障されています。


そして、前回記事で書いた通り、公選法でも外国人による選挙活動は禁止されておらず、総務省も、外国人が選挙活動をできることを公選法ガイドラインで明記しています。


渡邉が勘違いしているマクリーン判決で出た「わが国の政治的意思決定又はその実施に影響を及ぼす活動等外国人の地位にかんがみこれを認めることが相当でないと解される」政治活動とは、投票やリコールなどのことであり、決してデモ参加や政治集会のことではありません。


もちろん、これまで日本で「外国人による評論までは許されるが、政治活動は許されない」なんて判決が出たことも法律が作られたことも、一度たりともありません。100%完全に渡邉の創作ですので、騙されないでください。



衆議院も渡邉哲也の主張を完全否定


もしも渡邉の主張通り、「評論まで」しか許されず、政治デモの参加さえ外国人には認められないのならば、外国人が国会に請願や陳情書や意見書を提出するなど、あってはならないことのはずです。


ところが、衆議院のHPにはっきりとこう書いてあります。

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国会における請願の取り扱い

国民が国政に対する要望を直接国会に述べることのできる請願は、憲法第16条で国民の権利として保障されております。国籍・年齢の制限はありません。したがって、日本国内に在住の外国人の方及び未成年の方も請願することができます。
外国人も国会に請願書を提出するという政治活動が可能なのに、デモに参加することが認められないわけがありませんね。


渡邉の言ってることが100%間違いだと、誰の目にも明らかだと思います。


誰か、渡邉にこの衆議院のHP見せてやってくれませんか? 前回の総務省の見解と合わせて、渡邉の反応を見たいです。


「内政干渉」を勘違いしている渡邉哲也


渡邉は、以下のように述べています。


>>評論までは許されるが政治活動は許されない。 
>>外国人による内政干渉をゆるさないために、
>>すべての外国人にそれを求めるスタンスが正しいのですよね。
>>それを是認すれば、悪用する人も許さなくてはいけなくなる。



そもそも「評論までは許されるが政治活動は許されない」というのが渡邉の創作であり、間違いなのですが、渡邉は「外国人による内政干渉をゆるさないために」などと言っています。渡邉の中では、政治デモなどの外国人の政治活動は内政干渉の一種なのでしょう。(それにしても、渡邉の言う「悪用」とは何なんだろう?)


しかし、もちろん外国人がデモに参加しても、内政干渉にはなりません。これは、同じ勘違いをしている人が大勢いるので、何度か記事にしています。

 


「内政干渉」とは、以下のような意味です。
国家または複数国家が、他の国の政治・外交などに口出しして、その主権を束縛・侵害すること。(広辞苑)
他国の政治・外交に介入して、その国の主権を束縛・侵害すること。(デジタル大辞泉)
ある国家が他国の行動に強制的に介入して,ある事態を維持または変更しようとする行為。軍事力の行使,通商の制限・禁止,外交関係の断絶,ゲリラへの援助など干渉の形態はさまざまである。(マイペディア)
ある国の国内管轄事項に対し,他国が権限を侵犯して強制的に介入すること。干渉の形態はさまざまだが,一般に,軍事力の行使や軍事力による威嚇,通商・金融の制限や禁止,外交関係の断絶,賄賂などによる政治的工作,ゲリラへの援助,政府転覆などは内政干渉になるとされる。他方,単純な説得や勧告は内政干渉とはならない。そもそも,いかなる独立国も自己の主権保持をめざす以上,他国の内政,外交に干渉すべきではないのであって,国家は他国の管轄事項に対して広く〈不干渉の義務〉を有するとされる。(世界大百科事典)
他国が、ある国の内政問題に強制的に介入し、主権を侵害すること。(大辞林)
ご覧の通り、内政干渉とは、国家別の国の政治・外交強制的に介入して主権を侵害することです。


道路封鎖などの有形力を行使した場合はともかく、そうではない通常のデモ活動や集会であれば、外国人の一般人が何を言おうが、日本の政治や外交に強制的に介入して主権を侵害したことになどなりえません。政治デモや政治集会への参加は、内政干渉ではありません。憲法21条で、外国人にも保障された、言論の自由の内部の行為に過ぎません。


外国人がデモに参加したり署名の呼びかけをしただけで「内政干渉だ」とか言い出す奴は、「内政干渉」という言葉を辞書で引いたこともないのでしょう。渡邉哲也にしろ、石井孝明にしろ、そういう連中の言うことは信じないようにして下さい。



渡邉理論ならケント・ギルバートはアウト


渡邉哲也は、「評論までは許されるが政治活動は許されない」「評論の範疇であれば許される。活動を促す行為などは否定される」という「実例」として、ケント・ギルバートを挙げています。


つまり、渡邉の中では、ケント・ギルバートのやっていることは、評論であって、政治活動や、活動を促す行為ではない、ということなのでしょう。


では、これはなんでしょうか。

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産経新聞2017/10/26

ケント・ギルバートは、

「9条2項は異常。病気だ」
「憲法改正に賛成している人たちがきちんとした体制を保つ必要がある」
「日本は大きな国でたくさんの国と友好関係を持っているので、これからの国際的な活躍を期待されている。それに応えるためには憲法改正が第一歩になる」


などと言っています。これは「評論」ですか? それとも憲法改正のための活動を促す行為ですか? 線引きなんてできませんよね。


また、渡邉は、政治デモだけでなく、集会への参加も許されないと言っていました。
>>外国人は政治的デモや集会への参加、選挙への関与は出来ないわけです。


じゃあ、これは何ですか?

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ケント・ギルバートは、「新しい憲法をつくる国民会議」というところで講演をしています。これが政治集会への参加でなければなんですか? 政治集会への参加はダメだけど、政治集会で講演するのはいいとか言いませんよね、渡邉先生?


さらに、そこでケント・ギルバートは以下のように述べています。
日本は大国だ。自立した国になるのと同時に世界平和に貢献すべきだ、その第1歩が9条の改正である。真の平和を考えなくてもいい時代は終わった。日本人は目を覚ます時期に来た。
「新しい憲法を作る国民会議」の集会で、憲法改正の必要性を訴える。これが憲法改正という「政治活動を促す行為」でなければなんですかね?


さらに、ケント・ギルバートは、日本会議の集会でも講演しています。

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これも政治集会への参加のはずですし、日本会議は、安倍晋三や麻生太郎など、自民党の議員も大勢所属している団体です。


渡邉は「外国政府による工作員が紛れ込んでいる可能性もあり、間違った方向に世論が誘導される可能性もある」から、外国人の政治デモや集会への参加を「一律に認めないのが正しい」と言っていました。ケント・ギルバートは、総理大臣や副総理が加盟している団体の集会に参加して講演しているのですから、「世論が誘導される」どころじゃありませんね。総理大臣が誘導されてしまいます。渡邉の理屈では、ケント・ギルバートは完全アウトのはずですが、渡邉は、このへんどう脳内で理屈づけているんでしょうね。



ケント・ギルバート、渡邉哲也の主張を完全否定


渡邉は、「評論はいいが政治活動は許されない」という自分の主張の実例としてケント・ギルバートを挙げていますが、前々回記事で紹介した通り、そのケント・ギルバート自身が、渡邉の見解を完全否定しています。(参照
民主主義国家である日本で、私が「日本国憲法9条2項を削除しよう!」とデモをしても、国外退去や刑務所行きになる心配はない。「外国人だから」という理由で、言論の自由の一部であるデモなどの政治活動の自由を一切認めないなら、その国は民主主義国家とは呼べない。
自分の主張の実例として挙げたケント・ギルバートに、自分の主張を完全否定される渡邉哲也…。


3回の長きにわたって書いてきましたが、

「外国人は政治デモや集会への参加、選挙への関与はできない」

「外国人は、政治評論は許されるが、政治活動は許されない」

という渡邉の主張は、100%完全に疑う余地の欠片もなくデマです。


同じような主張をしている人は少なくないですが、そういう人には前回紹介した総務省の説明は、今回紹介した衆議院の説明、ケント・ギルバートの政治集会への参加を見せて、その間違いを正してやってください。

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