<ざっくり言うと>
  • 菅義偉の学術会議任命拒否正当化はデタラメを並べ立てているだけ。
  • 菅義偉の学術会議批判は思い付きを言っているだけで論理的に崩壊している。
  • 自分の行為を説明しないで敵を作って矛先を逸らすのは卑怯者のやること。
  • これを許せば「説明しない政治」がまかり通ることになり、もはや民主主義国家とは呼べない。
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↑保身のために嘘と思い付きを並べ立て、敵を作って矛先をそらそうとする現職総理大臣

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学術会議任命拒否問題での菅義偉の主張のあまりのでたらめさは、目を覆いたくなるほどひどいものの連続で、こんな人間が総理大臣をやっているのかと驚かされてばかりです。今回は、菅義偉の発言を追い、いかに嘘とでたらめにまみれているか、いかにこれが日本の政治にとって危機的な問題であるかをまとめてみました。
目次
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リストを見ないで「総合的・俯瞰的」な判断をする菅義偉


まず、菅義偉は、6人の任命拒否について「総合的・俯瞰的」に判断したと言いました。

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10月5日

つまり、6人の任命が、総合的・俯瞰的な活動を確保する観点からふさわしくないと判断したわけですが、どうふさわしくないのか、全く説明していません。


その後、6人の任命拒否について、「105人のリストを見ていない。自分が見たときにはすでに99人だった」と主張しました。

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10月9日

誰が省かれたのか見ていないのに、どうやって総合的・俯瞰的に判断したのか、意味不明もいいところです。


さらに、自分が任命拒否した人物について、加藤陽子氏以外は名前も知らなかったことを認めています。



名前も知らないまま、どうやって総合的・俯瞰的に判断して任命拒否したのか。デタラメもいいところです。


報道で言われている通り、杉田和博官房副長官が勝手に政権に批判的な人間を削り、菅義偉はそのまま任命拒否をし、問題になって適当にごまかしているのでしょう。



「人事に関わる」で逃げる卑怯な菅義偉


ひたすら「人事に関わることはお答えを差し控える」で逃げているところは、卑怯の極みと言わざるを得ません。質問に答えず議論から逃げて、何が政治家でしょうか。


橋下徹などは、「人事のことは説明しないのが普通だ」などと言って菅義偉が説明しないことを正当化していますが、想定内のことであれば、説明しなくてもいいかもしれません。しかし、今回の学術会議の任命拒否は、法的に全く想定されていないことです。2004年の政府の文書にも、任命拒否は「想定せず」と書かれていることが明らかになっています。

 

想定外のこと、超例外的なことをしたのですから、説明が必要なのは当然です。想定外・例外的なことをしておいて、説明さえしないのであれば、いかなるルールも無力になってしまうことでしょう。



学術会議を敵にすることで自分の正当性を主張する卑怯者


説明をしない菅義偉は、学術会議そのものを敵にすることで、自らの正当性を主張しようとします。自分への批判から目をそらさせるために敵を作る。卑怯者の常套手段です。


まず、菅義偉は、学術会議の人選が「指名」できるとデマまで吐いて、学術会議を非難し始めました。



実際には推薦制であり、指名はできません。菅は、そんなこともろくに知らずに適当な思い付きで任命拒否をしたのでしょう。


さらに、学術会議の会員の出身大学などが偏っていると言い出しました。「旧帝大が45%を占める」などと非難し始めました。学歴コンプレックスなのか知りませんが、みっともない苦し紛れのその場氏の語としか思えない学術会議非難を始めました。




そもそも、優秀な学者を選べば、東大や京大などに偏るのは当たり前です。ノーベル賞受賞者を見れば、そのほとんどは東大や京大など旧帝大出身や旧帝大の所属であるように、優秀な学者を選べば旧帝大出身比率が高くなるのは当然です。


さらに、学術会議は既に独自の選考基準として、地域性などに配慮する規定を入れており、10年前は東大出身者が30%を占めていたのが、現在は17%に下がっています。



さらにさらに、菅義偉が任命を拒否した6人のうち3人は私大に所属している学者でした。「旧帝国大学が半数近くを占め、それ以外の国公立大学は17%、私立大学は24%にとどまっている」と主張しながら、私大の学者を3人も任命拒否する。全く理屈になっていません。



「若手が少ない」とも主張していましたが、任命拒否された宇野重規氏はは50代前半で、60代が多数を占める学術会議の中で若手の方です。菅義偉は、任命拒否をした理由を、あとからその場その場で適当にでっち上げているのだということがはっきりとわかります。



「既得権益だ」とネトウヨレベルの主張をし始めた菅義偉


説明できないから説明から逃げて、学術会議そのものを敵にして自分の正当性を主張するという、あまりにもみっともない、どこぞの独裁国家みたいなことを繰り返す菅義偉。ついには「学術会議は既得権益だ」とネトウヨレベルのことを言い出しました。

学術会議「閉鎖的で既得権益」 菅首相、組織改革を主張 衆院予算委スタート

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 衆院予算委員会は2日午前、菅義偉首相と全閣僚が出席して、基本的質疑に入った。首相は日本学術会議の会員選考について「閉鎖的で既得権益のようになっている」と批判。改革の必要性を強調した。自民党の大塚拓氏への答弁。

 首相は「会員約200人、連携会員約2000人の先生と関係を持たなければ、全国で90万人いる(研究者の)方が会員になれない仕組みだ」と問題視。会員候補6人の任命拒否問題について「推薦した方をそのまま任命する前例を踏襲するのはやめるべきだと判断した」と正当性を訴えた。(時事通信11月2日
総理大臣がこのレベルとは、本当に悲しくなります。こんな低レベルな主張を国会でできる人間が総理大臣をやっているって、自民党の劣化、日本政治の劣化はあまりに酷いものです。。

学術会議が「既得権益」という妄想


まず、学術会議の業務に給料は出ず、会議などで日当が支給されるだけです。「年金が出る」というデマもありましたが、年金ももちろんありません。金銭的には全く「既得権益」呼ばわりされるようなものではありません。菅が言ってる既得「権益」って何なんでしょうか。



むしろ、自分の時間を使って参加しているものであって、既得権益などというものとは逆のものだろうに、既得権益まみれである自民党が平然とこんなことを言う。恥というものを知らないのでしょうか。

選挙から推薦に変わったことを理解していない菅義偉


さらに、菅義偉は、いまだに推薦のシステムを「閉鎖的だ」と非難しています。推薦ではなく立候補と選挙にしろということなのでしょうか? おそらく菅義偉は、もともと選挙制だったことを知らないのでしょう。明治大学の西川伸一教授が言うには、選挙制だと弊害が多かったから推薦制に変わったとのことです。


 選挙だといろいろと弊害があったんですね。派閥がつくられたり、票集めをしたりとか。何十年も前には買収に近いようなこともあったやに側聞しています。そこまでしてなりたがった人がいたようです。そういう悪弊があってお互いに推薦することになりました。票集めのしようがありません。いくら特定人物への推薦者が多くても、最終的には選考委員会が、専門分野のバランス、地域性、ジェンダーなどを考慮して会員を選んでいますから。
つまり、菅義偉は、「一部の大学に偏りがある」だの「民間が少ない」だの言っていますが、むしろ推薦制にすることで偏りをなくしているのです。推薦→委員会による選考であれば、専門分野のバランスや地域性やジェンダーを考慮することができますが、選挙だと男ばっかりとか東京ばっかりとかありえますからね。


「偏りがある」と言いながら同時に「推薦制だから駄目だ」という菅義偉の主張は偏りがあります。

学者の世界を理解していない菅義偉


さらに、菅義偉は「会員約200人、連携会員約2000人の先生と関係を持たなければ、全国で90万人いる(研究者の)方が会員になれない仕組みだ」などと言っていますが、これも愚かとしか言いようがありません。


自民党という組織は、実力ではなく党首や幹部と関係を持たなければ出世できないのでしょうが、学者の世界はそういうものではありません。学者の世界には論文というものがあります。政治の世界と違い、学者の評価は基本的に論文で決まり、別に会員や連携会員と個人的な関係を持たなくても、論文によってその実力は知れ渡ります。


「会員や連携会員と関係を持たなければ会員になれない仕組みだ」など、何の根拠もない思い付きを国会答弁で堂々と述べて学術会議を貶めて自分の保身を計るのもいい加減にしてもらいたいものです。



未だ何の説明もしていない卑怯者 


結局、菅義偉の言っていることは、1から10まですべてデタラメです。自分の勝手な思い込みで「指名できる」などと言い、間違いだとわかれば「帝大に偏ってる」と言い、「会員や連携会員と関係を持たなければ会員になれない」と、何の根拠もないことを恥ずかしげもなく国会で答弁する。典型的な政治家失格の愚物と言う他はありません。


さらに、学術会議を敵にして逃げを計っている菅義偉は、いまだに「どうして6人を任命拒否したのか」を何も説明していません。


帝大に偏っている、推薦制に問題がある、そういうことが事実であるのなら、学術会議の選考の仕方の再考を命じるべきであり、6人の任命拒否の理由に全くなっていません。なぜこの6人なのか、何の説明にもなっていません。


菅義偉は、安倍政権下で、「ごねれば終わる」ということを学んでしまったのでしょう。ただひたすら説明を拒否し、愚にもつかないようないいわけでも何でもいいから言い続ける。最初は問題になっても、ひたすら逃げてるうちに、だんだん国民がつかれてきて、「もういいよ」「いつまでやってるの」「次の話に行こう」となるのを待っているのでしょう。


説明しない。嘘をつく。ごまかす。敵を作って矛先を逸らす。


およそ民主主義国家の政治家のすることではありません。菅義偉は、総理どころか政治家完全失格と言う他はありません。



DAPPIと櫻井よしこでわかる、学術会議任命拒否が問題である理由


この問題で学術会議を非難し、菅義偉を支持している人は、このDAPPIのような考えを持っている人が多いのではないでしょうか。今回任命拒否された岡田正則氏と門田隆将のやり取りです。

岡田氏の考えがお花畑すぎると非難するのは自由ですが、DAPPIはそれで「任命拒否は妥当」と言っています。「考えがお花畑すぎるから、任命拒否は妥当」だと言っているわけですから、学問的成果でも何でもなく、政治的な思想によって任命拒否をすることを是としているわけです。


さらに、櫻井よしこも、「政府は今回の任命拒否の理由を明らかにしていない。そのため推測するしかないが、任命されなかった6人の候補者の行動を見ればある程度、理由は推測できるのではないか」と言い、安保法制反対や護憲活動などを理由として挙げています。



まさに語るに落ちるというものでしょう。DAPPIや櫻井は、任命拒否された学者が「お花畑」であったり、安保法制に反対していたりすることを任命拒否の正当化の理由に挙げていますが、それこそまさにこの任命拒否が不当であることの証明に他なりません。


おそらく菅政権(杉田和博官房副長官)は、DAPPIや櫻井と同じような発想で任命拒否をしたのでしょう。学問的な理由ではなく、政治的な理由、自分たちと相いれない政治的思想だという理由により、任命を拒否したのでしょう。まさに政治権力による学問の自由の侵害以外の何物でもありません。


さらに、DAPPIのように任命拒否を肯定している人たちは、政権交代を想定していないのでしょう。例えば、大げさな話、政権交代により共産党政権ができたとしたら、「共産党を非難する者は任命拒否!」なんてやっても文句は言えなくなります。DAPPIや櫻井よしこはそれでいいのでしょうか?


学術会議任命拒否問題は、今回の1回にとどまりませんこれを認めた場合、永遠に許されることになって今います。首相が恣意的に好き嫌いで判断し、説明さえしない。今後、これが永遠に許されるようになってしまいます。


今回任命拒否を是としている人たちは、たまたま菅政権が自分に近い政権で、たまたま拒否された人たちが自分が嫌うようなタイプの人間だったから任命拒否を正当化しているだけです。自分たちと真逆の政権が誕生したとき、真逆の理由で任命拒否することが可能になります。そういうことを想定していないのでしょう。



「多様性」を破壊する菅政権:学問の自由と民主主義の破壊


菅義偉は、「多様性」を持ち出して、今回の任命拒否をしました。


しかし、DAPPIのツイートを見てもわかる通り、今回のことを許せば、今後、総理大臣個人の政治的意図と、独断と偏見により人事が可能になるので、多様性はより崩壊することでしょう。多様性を持ち出しながら任命拒否という手段に出る菅義偉の手法は矛盾に満ちています。


学術会議任命拒否問題は、学術会議だけの問題にとどまりません。これを許せば、国立大学学長の任命拒否も可能になり、日本の学問は政治にコントロールされるものになってしまうことでしょう。そんなのは先進国でも何でもありません。


ここではっきりと学術会議任命拒否にNOを突きつけねば、「国民に結果だけ押し付けて説明しない」ということがまかり通ることになります。たとえ自民党支持だろうが、菅政権支持だろうが、学術会議をどう思おうが、説明もしない任命拒否を許してはいけません。説明しない政治は、もはや民主主義国家とは呼べません。


そもそも根本の問題として、任命拒否は法律違反です。ここを間違えてはいけません。合法だというのならば、過去の国会答弁との整合性が全くつきません。橋下徹などは「過去の法解釈の方が間違えてる」などと言っているようですが、立法時点で法解釈が間違ってるなどは破綻を極めています。もしも合法だというのであれば、法的に想定されていない任命拒否をするだけの正当な理由説明が必要なはずですが、その説明さえ拒否しています。


ルールを無視してはゲームが成り立たないように、菅義偉のやっていることはルール無視のごり押しです。これは、学術会議の短期的な問題ではなく、学問の自由、ひいては民主主義そのものに関わる大問題なのです。


最後に、NEWSポストセブンの記事を紹介しておきます。菅義偉という男が、総理大臣以前に人間として最低の存在だとわからせてくれます。



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