<ざっくり言うと>
  • トランプ応援団のデマを集めてみた。
  • (1月25日時点で少なくとも45のデマを確認)
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↑現実

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日本学術会議の時と同じく、数えきれないほどのデマが流れています。そのほぼ全てに、すでに数々のメディアによりファクトチェックがなされています。今回は、ネットに流れている量のほんの一部ではありますが、デマとファクトチェックを集めてみました。不正選挙を主張する人たちは「メディアのファクトチェックの方がデマだ! ツイッターの噂話の方が正しいんだ!」と主張するでしょうが、記事を読み、どちらが信憑性があるか、ご自分の頭で考えてみてください。

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目次

デマ1.投票率が100%を超えている 


事実:古い登録者数のデータと当日の投票者数を比べた結果



米国では日本と違い投票するためには有権者登録をしなければなりませんが、選挙当日にも登録可能でです。11月1日付の登録者数と、11月3日の選挙当日の投票者数を比べたために、登録者数よりも投票者数の方が多いという誤解が生じました。ウィスコンシン州は公式ツイッターでこのデマを否定しています。
このデマは、トランプ支持として知られるFOXニュースさえも、明確に否定しています。



デマ26『ウィスコンシン州の投票率が高すぎる』もご参照下さい。

デマ2:バイデンの票が急に増えた


事実:郵便投票が数えられただけ




「バイデンジャンプ」と呼ばれるデマ。単に郵便投票を数えて一気にその分を足した結果、バイデンに149,520票入った一方、トランプには31,803票しか入らなかっただけのこと。ちなみにこの急な増え方の原因となったミルウォーキー郡の票はトランプの要望により再集計が行われましたが、最初の集計よりもバイデンの票が増える結果に終わりました

デマ3:不正疑惑のため州兵が導入された 


事実:不正疑惑のためではなく、単に手伝うため




黒瀬深などが拡散したが、現地で「不正疑惑のため州兵導入」などという報道は一切ない。CNNも、トランプ支持のFOXも、どちらもただ膨大な作業を「手伝うため」と報道している。

デマ4:死者が投票した! 1900年1月1日生まれの人が大量に投票した!


事実:親と勘違いされた、生年月日にプレースホルダとして仮の数字を打ち込んだ、別の情報を流用したデマ、など




ペンシルベニア州やミシガン州などで、死者が投票したという噂が立ちましたが、理由の一つは親と同じ名前で勘違いされたというような単純なもの。


もう一つは、有権者登録の際に、生年月日にプレースホルダとして、仮の数字を入れていたというもの。「生年月日が1900年1月1日の投票者が大勢いた」というのはこの理由によります。


米国にある「政府説明責任研究所」というところの説明によれば、同じことは4年前の選挙の時にもあり、有権者登録の際、正確な生年月日がすぐわからなければ、とりあえず1900年1月1日とか1850年1月1日とかの数字を仮に入れておくことはよくあることだそうです(参照)。
 The analysis showed 45,880 votes were cast by individuals whose dates of birth were more than 115 years prior to the 2016 general election. It is important to note that some state registration systems indicate a missing date of birth by adopting filler dates, such as 01/01/1900, 01/01/1850, or 01/01/1800. The vast majority of votes cast by individuals appearing to be over 115 years old had these three erroneous birthdates.

(分析によれば、2016年の総選挙の前に115歳以上になっている人たちから、45880票が投じられていた。ここで注目すべきことは、登録システムによっては、生年月日がわからない時でも仮の数字を入れなければならないということだ。そのため、1900年1月1日、1850年1月1日、1800年1月1日などの数字を入れることになり、115歳以上とされた登録者の大半は、この3つの誕生日のどれかが登録されていた)
国土安全保障省国家保護・プログラム総局」も、全く同様のことを解説しています。
Taken out of context, some voter registration information may appear to suggest suspicious activity, but are actually innocuous clerical errors or the result of intended data practices. For example, election officials in some states use temporary placeholder data for registrants whose birth date or year is not known (e.g., 1/1/1900, which makes such registrants appear to be 120 years old). In other instances, a voting-age child with the same name and address as their deceased parent could be misinterpreted as a deceased voter or lead to clerical errors.
もしも本当に悪意を持って不正投票をするのなら、1900年1月1日とか、そんな数字じゃなく、もっとあり得る数字を入れるはずですよね。なお、ミシガン州は公式ツイートで、死者が投票したという噂を完全否定しています。
ペンシルベニア州で21000人の死者が有権者名簿に記載されているという主張もなされていますが、先月既にこれについては同州の裁判所が根拠なしとして棄却しています。



また、中には大統領選と関係ない情報を流用したデマも存在します。



デマ5:バイデンの票が急激に増えたのにトランプの票が増えなかった


事実:単純な入力エラー



ミシガン州でこの噂を最初に拡散した人物も、単にtypo(入力ミス)であったことを認め、疑惑のツイートを削除しました。


デマ6:トランプの票が山に運ばれて埋められた 


事実:全く別の映像を流用したデマ



孫向文が流したデマ。孫が「トランプの票が捨てられている」として流した動画は、「サウジアラビアが8万箱の腐った鶏肉を廃棄」という動画だった。


孫が拡散したデマ動画の元ネタはこちらから確認できる。



デマ7:トランプの票が捨てられている


事実:大統領選と関係ない画像の流用



「トランプの票が捨てられている」として拡散された画像はどれも大統領選と関係ない画像の流用だった。

デマ8:トランプの票が燃やされた


事実:いたずら動画



トランプの票を燃やす画像が拡散したが、市は燃やされたものはサンプルの投票用紙であることを公式に発表した。本物にはあるバーコードがなかった。トランプの息子たちもこのデマ動画を拡散した。

トランプの息子たちのツイートは既に削除されているが、日本のデマゴーグ孫向文はいまだこのツイートを削除していない。

デマ9:トランプ支持者にサインペンを使わせて投票を無効にさせた 


事実:サインペンで書いたものも集計されている。



アリゾナ州の州務長官自ら「どんなペンを使っても数えられている」とツイートして疑惑を否定しました。


デマ10:郵便投票で機械的に製造されたバイデン票が見つかった 


事実:ただのデマ



既に情報元は発覚しており、カルフォルニア州の有権者が自分で記入した投票用紙を送る際に、間違って返信用の封筒ではなく、投票用紙が送られてきた際の封筒に入れてしまったために起きた誤解だったことが判明している。


なぜかNY在住の男性がこの用紙を根拠に「記入済みの投票用紙が送られてきた」と主張したが、NY州は公式ツイートで「そのような事実は報告を受けていない」と完全否定している。


デマ11:不正を防ぐために投票用紙にはGPSが埋め込まれている 


事実:篠原常一郎の妄想



おそらく日本だけで拡散しているデマ。

デマ12:中国から大量の偽の投票用紙が送られてきた


事実:篠原常一郎の妄想




一切根拠のない妄想。

デマ13:ミシガン州の郡でも共和党6,000票が民主党にカウントされていた


事実:速報値の誤りですぐに修正された



ミシガン州の公式発表によれば、単なるヒューマンエラーで、すぐに発覚して修正されており、公式集計には反映されておらず、単発のミスであり、他の群で同様のミスが起きているという報告はないとのこと。また、速報値での同様のミスは過去にも起きており、意図的な不正ではないと発表している。
The error in reporting unofficial results in Antrim County Michigan was the result of a user error that was quickly identified and corrected; did not affect the way ballots were actually tabulated.

This was an isolated error, there is no evidence this user error occurred elsewhere in the state, and if it did it would be caught during county canvasses, which are conducted by bipartisan boards of county canvassers.

As with other isolated user errors that have occurred in the reporting of unofficial results both in this and previous elections, this is not the result of any intentional misconduct by an election official or because of software or equipment malfunctioning or failing to work properly. (参照1参照2
門田隆将などは、こうした集計中にすぐ発覚したミスまでも「不審点が明らかに」「民主主義の根幹が揺らいでいる」などと騒いでいるが、組織的な不正の報告は一切存在せず、このような集計中の単発のミス(しかもすぐに修正された)が選挙結果に影響を与えることはまずないと考えられる。


デマ31「ドミニオンのエラー率は68%」も参照。

デマ14:CNNやRCPがアリゾナ州などのバイデン当確を取り下げた 


事実:取り下げたのではなく、最初から当確を出していなかっただけ。






デマ15:不正が確認されて、ジョージア州で再集計決定


事実:僅差の場合、再集計は普通に行われること。



もともとジョージア州の州法では、両者の差が0.5ポイント以下なら候補者による再集計の申し立てを認めている。くつざわ亮治は「ジョージア州がバイデン勝利を撤回し手作業再集計開始」などというデマ動画をYouTubeで流しているが、そもそも州は勝者の公式発表をしておらず、「ジョージア州がバイデン勝利を撤回」というのはデマである。


ツイッター上では、↓このように再集計をあたかも不正の証拠であるかのように騒いでいる者がいるがデマ。ジョージア州が再集計になることは何日も前からメディアは伝えていた。

そして、実際再集計でも結果は変わらなかった。





デマ16:ネバダ州で引っ越した人が投票している! 不正だ! 


事実:引っ越して30日以内の人は旧住所で投票できる




トランプ陣営は「ネバダ州ですでに引っ越した人が投票している」として訴えを起こしたが、ネバダ州の法律では引っ越して30日以内であれば旧住所で投票ができる。合法的な投票行動にすぎません。

デマ17:中国のSF Expressで投票が行われた! 不正だ!


事実:中国在住のアメリカ人が国際便で郵送しただけ。



「ツイッター速報」や「もえるあじあ」や門田隆将など、いつものデマ拡散者たちが拡散したが何のことはなく、在中国米国人が国際郵便を使っただけのことです。

デマ18:ネバダ州で不正集計が発覚し、15万票が無効になった。


事実:地方選挙の話で、大統領選のことでさえない。不正集計でもなく、あまりの僅差のためやり直しになっただけ。



ネバダ州クラーク郡選挙区Cにおいて、15万3000票が投じられた地方選挙がやり直しになったのは事実だが、大統領選の話でさえないし、それは両候補者の差が僅か10票(全体の0.0065%)という超僅差であったためであり、不正集計や不正投票のためではない。



デマ19:ワシントンのトランプ応援デモに100万人集まった


事実:NBAの優勝パレードなど写真を流用したデマ




ワシントンで行われたトランプ支持者のデモの写真として、黒瀬深や岡田祐二(自民党)などが、NBA優勝パレードの写真や「ウィメンズマーチ」の写真を使い、参加者を大幅に誇張。実際の参加者は保守系のFOXニュースでも「数万」としている。「100万」はこのデモの主催者が付けたタイトルに過ぎない。(「Million MAGA March(100万人のMake America Great Again行進)」と自称していた)



デマ20:ドミニオン社の集計機によるバイデン票の水増しやトランプ票の削除があった


事実:手作業による再集計でも、集計に間違いがないことが確認された




ジョージア州では州全域でドミニオン社の集計機が使われたが、手作業による再集計でも結果は変わらず、ドミニオン社の集計機による陰謀は存在しなかった。また、ペンシルベニア州・ミシガン州では一部の郡でドミニオン社の集計機が用いられたが、それらの郡の合計ではトランプが勝利している。

ミシガン州アントリム郡でも手作業による再集計が行われたが、ドミニオンによる集計と結果が変わらなかった。(デマ31参照)

デマ21:米軍がドイツにあったドミニオン社のサーバーを強襲して奪取した


ファクト:こんな妄言、信じる奴は頭がおかしい





はっきり言って、こんなバカな話信じる奴は頭がどうかしています。日本に置き換えて考えてみればわかりますが、米軍が東京の会社にいきなり家宅捜索に来てそこのサーバーを押収したなんてことがあれば、明白な主権侵害です。米軍にそんな権限はなく、これが事実なら大問題で大ニュースです。これがツイッターやまとめサイトでしか報じられていないことが、これが事実ではない証拠だと言えるでしょう。AP通信によれば、陸軍もこのデマを否定しているとのこと。


さらに、篠原常一郎や加藤清隆レベルのデマゴーグになると、なんと米軍とCIAの間で銃撃戦になり、CIA長官が捕まってキューバの基地に送られ尋問されているとまで言っています。

もう完全に頭がおかしい

デマ22:バイデン派が一般調達局(GSA)の長官の家族の死体袋を並べて脅迫を行い、バイデンへの政権移行を認めさせた。 


事実:GSA長官の家族ではなく、新型コロナによる死者を象徴する死体袋



GSAがバイデンへの政権移行を認めないせいで、コロナ対策の引継ぎができず、より多くの人が死ぬことになるという批判の意味で、新型コロナによる死者を象徴する死体袋を並べた抗議活動が行われた。それをどういうわけかトランプ信者は「GSA長官の家族の死体袋だ」「脅迫だ」と拡散した。

死体袋を使った行政等への抗議活動はBody Bag Protestと呼ばれ、米国内外で過去にも行われている。

デマ23:ペンシルベニア州は州議会が選挙人を選ぶことに決定した


事実:そのような提案をした議員がいるというだけ。




ペンシルベニア州の共和党議員の一部が、バイデンの勝利認定を認めない決議案を議会に提出したが、結局採決に至らないまま、議会は会期を終えて解散した。加藤清隆などが、州議会HPに掲載されていたこの未決の決議案を見て「ペンシルベニア州議会が選挙の不正を公式に認めた」と勘違いしただけ。


また、これとは別に、トランプ陣営は選挙を無効にして州議会に選挙人を選ばせるよう裁判所に訴えたが、州最高裁は「州民の選挙権を奪おうという異常な提案」と非難し、全会一致で却下した。



デマ24:バイデンが8000万票も取るなんておかしい。不正の証拠だ 


事実:トランプも7400万票を取っており、全体の投票率が高かっただけ。





これまでの最高得票が2008年のオバマの6950万票だったのに、バイデンが8000万票も取るのはおかしい、不正の証拠だ、という妄想。バイデンだけでなく、トランプも7400万票も取っているので、全体の投票率が例年より高くなっただけ。今回の投票率は67%弱で、例年60%前後の投票率よりかなり高いが、コロナを原因とした郵便投票によって投票率が高くなることは事前予想の通り。また、もともと世論調査でも優勢だったバイデンがトランプの票を数百万票上回ることも事前の予想の範囲内。

デマ25:CNNがトランプ再選の可能性を報道


事実:9月の番組で大統領選の展開を予想したもの



我那覇真子や加藤清隆などのデマゴーグが「CNNがトランプ再選の可能性を報じた」と拡散し、CNNも選挙に不正があることを認めた証拠だとネトウヨたちは騒いだが、実際には9月に大統領選を開設した番組だった。

デマ26:ウィスコンシン州の投票率90%は高すぎる


事実:これは登録有権者数を母数とした数字。また、ウィスコンシン州は元々投票率が80%以上の高い州



日本と違い米国では有権者登録が必要。この投票率は全有権者ではなく、もともと選挙に行く気のある有権者登録をした人を母数としているため、普通の投票率よりも高いのは当たり前。

また、ウィスコンシン州では、4年前の投票率も84%、8年前の投票率は87%もあり、今回は8年前の投票率を数パーセント上回っただけ。コロナ禍による郵便投票の増加により、アメリカ全体の投票率が増えただけ。

さらに言えば、ミネソタ州の投票率の方が高い。

デマ27:ミシガン州がバイデン勝利の認定を拒否


事実:共和党員2人が反対しただけで、すぐに撤回し全会一致で勝利認定された。



デマ28:AP通信の「司法長官が『選挙不正はなかった』と述べた」という報道はフェイクニュースだと司法省が発表


事実:司法省は「調査が終了して選挙不正がなかったと結論付けられたというのは誤報だ」と述べており、AP通信の報道のことは誤報だと言っていない。



AP通信は、司法長官の「調査しているが、今のところ結果を覆すような不正は見つかっていない」という発言を報道。これが孫引きされ「司法省が選挙不正はなかったと結論を発表した」とうデマが拡散。司法省が否定したのはこのデマであり、AP通信の報道はデマではない。

デマ29:CNNが「スムーズな政権移行のためにテロが必要」と発言


事実:「スムーズな政権移行をしないと安全保障の危機」という内容の発言を曲解したもの



9.11の委員会報告書では、前年の大統領選でスムーズな政権移行が行われなかったことが、安全保障上の危機になったことが指摘されている。CNNの社長はこのことを指して、スムーズな政権移行の必要性に言及したが、西村幸祐は英語を誤読し「トランプを失脚させ、スムーズな政権移行には9.11のようなテロが必要」と言っているとデマを流した。

デマ30:副大統領候補のカマラ・ハリスがまだ辞任していないのは不正がバレてトランプに逆転されることを恐れているから。 


事実:過去の副大統領候補が前職を辞任したのはみんな1月になってから。



デマ31:ドミニオンのエラー率は68%


事実:何を分母に、何を分子にして「エラー率68%」などと言っているのかさえ意味不明。





「ミシガン州のアントリム郡のドミニオンのログを調べたらエラー率が68%だった」というレポートが発表されたという話。まず、これを公式のレポートと勘違いしている者が多いが、民間業者 Allied Security Operations Group のレポートであり、しかもその業者は「投票率100%越え」というデマを流した過去もある。そのレポートにある「エラー率68%」が何を分母に、何を分子にして「エラー」と言っているのかさえ不明。少なくとも「投票の68%が数え間違い」という意味ではない。


アントリム郡が調査対象にされたのはトランプ票がバイデン票に数え間違えられたことがあるからだが、デマ13で紹介した通り、それは単発のヒューマンエラーであり、ドミニオンのシステムによるものではない。また、デマ20で紹介した通り、ジョージア州で手作業で再集計したも結果が変わらなかったことから、ドミニオンの集計ソフトを利用した票の操作はなかったと断言できる。


そもそも、彼らが調べたアントリム郡では、トランプが勝利している。彼らはトランプの勝利はドミニオン不正のおかげだったとでも言いたいのだろうか?

デマ31.5:不正調査の結果、アントリム郡の選挙結果がひっくり返った


事実:アントリム郡は最初からトランプ勝利。ひっくり返った事実などない。


米国の大学からもデマアカウント認定された門田隆将の新たなデマ。門田は「唯一の司法監査」と言っているが、実際にはトランプ陣営が行った調査であり、司法監査ではない。
また、門田は「選挙結果はひっくり返った」と言っているが、11月21日の選挙結果認定の時点でアントリム郡はトランプ勝利となっていた。

さらに、12月に行われた手作業による再集計でも結果は同じだった。不正調査によってひっくり返った事実はないし、手作業の集計でも結果が変わらなかった事実は、少なくとも集計ソフトによる不正は存在しなかったことの裏付けと言える。

デマ32:ジョージア州で怪しいスーツケースから票を取り出してこっそり足す不正行為が発覚 


事実:怪しいスーツケースではなく、普通にジョージア州で使ってる票を入れる公式のバッグ。



外部から票が持ち込まれた事実は一切確認されていない。

デマ33:ジョージア州で同じ票が3回集計機にかけられた


事実:投票者数と投票数の差が違わなかったことから、ありえない。また、手作業での再集計でも結果が変わらなかった。



ジョージア州フルトン郡で「同じ票が3回スキャンされるのを見た」という証言があったが、もしもそうであれば、投票者数と投票数の間に大きな差が生じるはずである(投票者数と投票数は別々にカウントされる)。しかし、投票者数と投票数に差は生じなかった。

また、手作業での再集計でも結果は変わらず、同じ票を3回機械でスキャンしてバイデン票を水増ししたという事実は存在しないことが確認された。

デマ34:ジョージア州議員がペンシルベニア州で票集計に参加していた 


事実:似た人間の動画で言いがかりをつけただけ。動画の人物はマスクで顔が半分隠れているので、髪と目しか確認できない。



ジョージア州のエレナ・ペアレント議員が、ペンシルベニア州で集計に参加していたという意味の分からない主張。なんでジョージア州議員がペンシルベニアで集計アルバイトをせねばならないのか、それに何の意味があるのか全く意味不明だし、彼女が選挙期間中ジョージア州を離れた証拠もない。選挙期間中の彼女のツイートは全てジョージア州内から発信されていた。

デマ35:郵便投票の署名を確認すれば不正投票だと発覚する


事実:署名確認が行われたが、不正は見つからなかった。




トランプは「郵便投票の署名を確認すれば不正はすぐに発覚する」と言い続けていた。しかし、ジョージア州で郵便投票の署名を実際に確認した結果、不正は見つからなかった。トランプの妄想はここに完全に崩れ去った。

デマ36:ミシガン州で共和党の選挙人が投票所から締め出され、選挙権を行使できなかった。


事実:「共和党の選挙人」なるものがそもそも存在さえしない。



わざわざアメリカまで行って陰謀論を日本に届けている我那覇真子が、大統領選のシステムに根本から無知であったことを証明したデマ。大統領選では一般投票で勝利した党が選んだ選挙人のみが、その州の選挙人となり、投票権を持つ。
ミシガン州では民主党が勝利したため、選挙人は民主党の総取りになり、「共和党の選挙人」はそもそも存在さえしない。その人たちは「もしも共和党が勝っていたら選挙人になるはずだった部外者」にすぎず、選挙権を持っていない。したがって投票所に入場できないのは当たり前である。

デマ37:ペンシルベニアなどの激戦州で共和党の選挙人がトランプに投票した。二重投票でこれらの州の投票は無効になる。


事実:「共和党の選挙人」なるものがそもそも存在さえしない。



「ペンシルベニア・ジョージア・ミシガン・ウィスコンシンなどで、共和党の選挙人がトランプに投票した」というデマが流れた。しかし、そもそもそれらの州ではバイデン(民主党)が勝っており、「共和党の選挙人」なる者はそもそも存在しない。単に「もし共和党が勝っていたら、共和党の選挙人になる予定だった人たち」が、「トランプの敗北を認めないぞ」というパフォーマンスをしたに過ぎない。

当然、二重投票なんて事実は存在しない。

デマ38:ペンス副大統領には結果をひっくり返す権限がある。ペンスは選挙人集計を拒否してトランプの再任を宣言する。


事実:そんなことは起こらなかった。



トランプとトランプ信者はペンスが結果をひっくり返すと妄想し、それを否定したCNNやNYタイムズなどのメディアをフェイクニュースだと非難したが、結果はCNNやNYタイムズが報じた通りになった。

デマ39:議会に乱入したのはトランプ支持者ではなくANTIFA。顔認証で確認


事実:統一教会のデマ記事




統一教会の『ワシントンタイムズ』という新聞が報じたデマ。顔認証システムを作った会社から抗議を受け、『ワシントンタイムズ』は記事を撤回し、謝罪した。しかし、『ワシントンタイムズ』の記事を元にしてデマを拡散したアノニマスポストや西村幸祐などは、謝罪も撤回もしていない。

デマ40:議会に突入したのはトランプ支持者ではなくANTIFA。ANTIFAのサイトに顔が載ってる。 


事実:ANTIFAのサイトに、警戒すべきネオナチや極右の人間として掲載されていた。



トランプ支持のデマ弁護士リンウッドが流したデマ。ANTIFAのサイトに顔が掲載されていたのは事実だが、それはANTIFAメンバーとしてではなく警戒すべき極右・ネオナチとしてだった。リンウッドはサイトをまともに読まずに真逆の情報を妄想したわけである。

デマ41:議会に侵入したのはトランプ支持者ではなく共産主義者 


事実:ゲームのタトゥーを共産党のシンボルマークと勘違いしたデマ



ANTIFAだとか共産主義者だとかのデマが流れたが、すでにQアノン陰謀論者が複数逮捕されている。



さらに、FBIは「極左やANTIFAの関与を示すものはない」としている。




デマ42:ペロシ下院議長が米軍に国家反逆罪で逮捕されて軍事法廷行き


事実:こんなの信じたバカは脳みそ取り出して蟹みそでも入れておいた方がいい。



1月10日、突如日本のツイッターで「ペロシ逮捕」がトレンド入り。最初にこのネタをばら撒いたのは鳴霞という人物らしい。こんなのをツイッターでトレンド入りするほど信じた奴が大勢いたということに驚かされる。これほどまでに妄想の区別がつかなくなった奴は、もはや脳みそを入れ替えるしかないだろう。

他にも Conservative Beaver というデマサイトが流した「オバマ逮捕」などもある。

デマ43:ジョージア州上院選で共和党の票が減らされた 


事実:ただの開票速報の入力ミス。



正確に言うと大統領選ではなく上院選についてのデマだが一連のものなのでリストに加えておく。

ジョージア州上院選におけるNBCやCNNの発表のリアルタイムの開票速報で、共和党候補の票が減る瞬間があった。これを及川幸久などトランプ信者たちは「不正の証拠だ」と騒ぎ立てたが、3と5の単なる入力ミスなど、事実は他愛のないものであった。そもそもリアルタイムの速報値は選管への取材をもとにマスコミが発表しているものであり、この数値の増減は選管自身の集計とは無関係である。

デマ44:不人気バイデンが大人気のトランプに勝つなんておかしい。演説も人が集まっていない


事実:トランプは世論調査で一度もバイデンを上回ったことがない。演説については、コロナ対策も知らないバカの妄言。



トランプ信者は「不人気なバイデンが大人気のトランプに勝つわけがない。だから不正だ」と妄想しているが、米国の世論調査の平均値を出しているReal Clear Politicsの支持率データでは、2019年9月から一度もトランプはバイデンを上回ったことがない。

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また、集会や就任式で人が集まっていないのを「バイデン不人気の証拠」にしているトランプ信者もいるが、新型コロナも知らないのかと驚かされる。

コロナを気にせず集会に大勢に人を集めて実際に感染したトランプと違い、バイデンは選挙期間中、集会をバーチャルドライブイン形式にして入場制限をすることで感染対策を行い、就任パレードもバーチャルとなった。「演説に人が集まらない」と言って「バイデンは不人気だ」と言うトランプカルトは、コロナ対策という、そんな当たり前のことも知らないほど頭が悪いと言わざるを得ない。


また、高須克弥などは、バイデン就任式に人が少ないことを不人気の証拠としていたが、実際には2週間前の議事堂襲撃のせいで、議事堂周辺が封鎖されて一般人の立ち入りが禁止されたからにすぎない。



バイデンの就任式は3987万人が視聴したと推測されており、これはトランプの就任式の3835万人を上回った。



そもそも、不人気という話なら、4年前、トランプこそ泡沫候補とみなされており、実際に一般投票の得票数ではヒラリーの票はトランプを上回っていた。トランプ信者の脳内でバイデンがいかに不人気であろうと、不正の根拠には全くならないし、そもそもバイデンが不人気というのが彼らの妄想(願望)である。

デマ45:トランプが負けると世界が終わる


事実:終わらない。

むしろ議会襲撃事件で、トランプの危険性が世界に示された。



事実:組織的な不正の根拠一切なく、裁判所も公的機関も国際機関も全て不正の存在を否定


ここにリストアップしたものはネットで流れている不正選挙の噂のほんの一部ですが、そのほとんどはデマや妄言であり、組織的な不正が行われている証拠は一切何一つ出ていません。ネットで「不正だ」と騒がれているものについて、少し調べてみてください。そのほとんどに対して答えが見つかるはずです。


そして、ご存知の通り、トランプが起こした裁判はほぼ全てトランプの敗訴に終わっています。ペンシルベニア州の裁判所はトランプ陣営の主張を「フランケンシュタインの怪物のように出鱈目に縫い合わされたもの」とまで批判しています。



裁判所やメディアだけでなく、公的機関も次々と不正を否定しています。米国土安全保障省サイバーセキュリティー・インフラストラクチャー・セキュリティー庁も、デマを否定するHPを作り、大統領選で票が失われた形跡は全くないとの調査結果を発表しています。

 
 

米州機構(Organization of American States, OAS)は、13の国から28人のオブザーバーを派遣し、選挙の不正を監視しましたが、不正はなかったと結論付けました。



欧州安全保障協力機構(Organization for Security and Cooperation in Europe, OSCE)の監視団も、組織的不正の証拠はないと結論付け、トランプの態度を「大衆の信頼と民主主義を害する」として厳しく批判しました。



12月2日には、米国の司法長官も、「選挙結果を変えるほどの規模の不正は、現在まで確認できていない」と述べました。




不正だと訴えている人たち中には、篠原常一郎や加藤清隆など、「バイデン逮捕」などという妄想まで膨らましている人間がいますが、もちろん一切何の根拠もない妄言です。

アメリカのトランプ応援団がデマを流すのはまだしも、日本のネトウヨたちが日本語でデマを流して何がしたいのかよくわかりませんが、デマはすぐ鵜呑みにする彼らは、たとえどんなファクトチェックがなされようが、公式が否定しようが、そしてバイデンが正式に大統領に就任しようが、「不正があった」という妄想を決して捨てないことでしょう。


しかし、忘れてはいけません。彼らがこの大統領選でデマを吐き続けてきたことを。今回の大統領選は、門田隆将や加藤清隆や孫向文や百田尚樹や黒瀬深や篠原常一郎といったいつもの連中が、いかにネットデマを妄信し、無責任な発言を平然とできる人物かを、これまで以上に鮮明にしました。


このブログでは、今回の大統領選において、以下のような人たちの吐いてきたデマを取り上げました。

百田尚樹
有本香
門田隆将
加藤清隆
西村幸祐
石井孝明
石平
高須克弥
孫向文
我那覇真子
篠原常一郎
橋本琴絵
及川幸久
くつざわ亮治
飯山陽
渡邊哲也

藤井厳喜
アンドリー・ナザレンコ
澁谷司
大原浩
河添恵子
黒瀬深
海乱鬼
孫向文
ほんこん
kakikoSHOP
たかりん。7 新垢
にこ姉


これほどまでに完全否定されながらも、いつまでも不正デマにしがみつく彼らが求めているのは、正義でも事実ではなく、自分に都合のいい結果だけだということは明らかです。


事実よりも自分の願望を優先する彼らの言葉を信じることのないようにしましょう。デマと暴力は民主主義最大の敵です。



余談


↓なぜこういう人の脳内では、不正があったということが確定していて、「民主党支持者は見つからなければ不正をしてもいいと思ってる」なんて妄想ができるんだろう…。

むしろこの大量のデマを見れば、トランプ支持者こそ「勝てさえすればデマでもいい」と思ってるとしか思えないし、トランプ支持者がこれまで報じられたトランプの不正疑惑の確認さえ求めないところを見ても(例えばトランプは納税記録をいまだ開示していない)、共和党支持者が共和党のために不正をした人に処罰を求めるとは、夢にも思えないのだが。


ここで不正を訴えるネトウヨさんたちに対して、改めて宣言します。


先日百田尚樹の大予言の時にも言いましたが、もしもバイデン・民主党側による不正が発覚し、トランプが逆転勝利するようなことがあったら、全財産を百田尚樹に寄付して、このブログを閉鎖します。



こんな宣言が堂々とできるぐらい、ネトウヨさんたちの不正疑惑はどれもこれも全く低レベルな妄想にすぎません。


ネトウヨさんたちも、是非ともこれぐらいの宣言をしてほしいです。


最後に、このブログ同様にデマを集め、誰が拡散したかも紹介している記事がありましたので、こちらもご紹介しておきます。孫向文、加藤清隆、西村幸祐、橋本琴絵、小野寺まさるなどと言った人物が、どれだけデマ拡散ばかりしているか改めて確認できます。

 


さらなる追記


予想通り、百田尚樹の予言は外れました。

まともな知能があれば、百田の妄想など現実化するわけないとわかるので、こっちは予言でも何でもなく、単に当たり前のこと言っただけなんですけどね。

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