＜今回のデマ＞
  • デマ：ペンシルベニア州やジョージア州の選挙人が造反し、トランプに票を入れた。
  • デマ拡散者：加藤清隆など
  • 事実：共和党の選挙人団が勝手に集まって勝手に投票するパフォーマンスをおこなっただけで、州の正式な票はバイデンに入り、大統領選でのバイデンの勝利が確定した。
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選挙人投票でバイデンが正式に勝ち、大統領選挙は単純に予想通りの結果に終わりました。ところが同じころ日本では「ペンシルベニア」がツイッタートレンドに。

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何があったのかと思ったら、「ペンシルベニア州とジョージア州の選挙人がトランプを選んだ」という噂が流れたようです。（案の定、大統領選デマを悉く鵜呑みにする自称政治評論家の加藤清隆も乗っかっています）

なんで「選挙人投票でバイデンが正式に大統領に選ばれた」という普通のニュースを嘘扱いして、ツイッターで流れてきたような情報を鵜呑みにするのか、私には理解不能ですが、もちろんこれはデマです。


加藤清隆は「続報が待たれる」とか言う前に、今出てる情報を調べようとしないのか…。呆



「共和党選挙人」が勝手に投票しただけの無意味なパフォーマンス


どうやら調べてみると、このニュースを勘違いしたようです。



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他のニュースではあまり相手にされていませんが、トランプ推しのFOXニュースが "Republican electors in Pennsylvania, Georgia cast votes for Trump, hoping for court victories"（ペンシルベニアとジョージアの共和党選挙人がトランプに投票。勝訴を期待）という見出しの記事を報じたのを見て、ペンシルベニアとジョージアの選挙人がトランプに投票したと勘違いしたのでしょう。


しかし、ちゃんと読んでみましょう。Republican electors（共和党選挙人）と書いてありますね。このブログの読者はご存じの方が多いと思いますが、アメリカでは州ごとに選挙人というものがあります。あらかじめ民主党も共和党も選挙人を選んでおき、一般投票で勝った方がその選挙人を獲得する仕組みです。今回、ペンシルベニアやジョージアでは民主党（バイデン）が一般投票で勝利しましたので、これらの州では民主党選挙人が州の正式な選挙人となります。共和党選挙人に投票権はないのです。


ちゃんと読めば内容がわかります。
While Democratic electors in Pennsylvania and Georgia cast their states' electoral votes for Joe Biden on Monday, slates of Republican electors in those states cast votes for President Trump just in case legal challenges succeed.

（月曜日、ペンシルベニアとジョージアの民主党選挙人がバイデンに投票したが、共和党選挙人は訴訟が成功した場合に備え、トランプに投票した）

At roughly the same time, Republican electors in Georgia also cast votes for Trump, while Democrats cast the state’s official electoral votes for Biden.

（ほぼ同時刻に、ジョージアの民主党共和党が州の正式な票をバイデンに投じた一方、共和党選挙人はトランプに投票した）
同じことを、NYタイムズはこう報じています。
Elsewhere in the Capitol, a group of Republicans gathered for something of a shadow ceremony, anointing their own slate of pro-Trump electors. The group’s vote had no actual bearing on the Electoral College tally.

（ジョージア州議事堂の（正式な投票とは）別の場所で、共和党員が集まり「影の式典」とでも言うべきものを行った。彼らはトランプ支持の選挙人を指名したが、彼らの票には選挙人投票における実質的な意味はない）
ご覧のように、州の正式な票はバイデンに投じられました。共和党の選挙人は、勝手に集まって勝手に投票しただけです。法的には何の意味もない行為です。


『FOX』や『NYタイムズ』によれば、1960年の大統領選挙で、ハワイの民主党が同じようなことを行ったそうです。しかし、その時はまだ票の数え直しの最中でした。今回はもうトランプが勝利して得票がひっくり返ることなんて絶対にありえないと断言できる状況ですので、共和党選挙人の行為は単に「まだ諦めてないぞ」というパフォーマンス以上のものではありません。


いまだにバイデンの不正だと信じている信者がいますが、もういい加減にしましょう。トランプの不正主張は悉くファクトチェックされ、州裁判所に「フランケンシュタインの怪物のようなでたらめなつぎはぎ」と非難され、連邦地裁にも「異常」と非難され、９人中６人が保守派である（しかも３人はトランプ自身の任命）連邦最高裁でも棄却されています。司法長官も「不正は見つかっていない」と言い、サイバーセキュリティー庁も「不正はなかった」と結論付け、これでもまだ「不正はあったんだ」と言うのは、もはや悪あがきを通り越して妄想です。


事実は一つです。選挙前の予想通り、バイデンが勝利した。それだけです。

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アメリカ大統領選
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