<今回のデマ>
  • デマ:外国人に健康保険金を食い潰され、川口市の健康保険料は他の自治体より高い。
  • デマ拡散者:孫向文
  • 事実:
    1. 埼玉県は保険料が高いどころか47都道府県で一番安い。川口市も県内の他の市よりも保険料が高い事実はない。
    2. 外国人によって健康保険が食いつぶされている事実はなく、外国人も健康保険料を支払っているし、逆に外国人が多い都道府県は保険料が安い傾向がある。
    3. 孫向文は根拠なく自分の妄想で発言するデマゴーグ(自分はその妄想を信じ込んでいるためにデマを吐いている自覚がゼロ)。絶対に信じてはいけない人間。
2021y03m10d_160520432

(スポンサードリンク)

世の中には、嘘をつくために生きてるんじゃないかと思えるほど嘘を吐く人間がいますが、その一人が孫向文です。コロナでも大統領選でも嘘を吐きまくっていた孫ですが、今度はこんな発言をしていました。

川口市に外国人が増えているのは事実で、国内で3番目に外国人が多い自治体だそうです。孫向文は、外国人のせいで川口市の保険料が高いと言いたいようですが、孫の発言ですので、もちろんデマです。


「外国人のせいで我々の生活が苦しい」というのは差別正当化の典型例ですね。孫向文自身中国からの移民なのに何を言ってるんだって気がしますが、今回はこのデマを取り上げたいと思います。



「友達から聞いた額」を根拠にする時点でおかしい


国民健康保険の金額が自治体によって異なるのは事実ですが、健康保険料は定額ではなく、収入や資産によっても異なります。


孫は「川口市在住の友達から聞いた額」が「他の市より約5000円も高い」と言っています。孫が川口市とどの自治体を比較したのか知りませんが、たまたまその友達の収入や資産で計算すると、川口市で支払う保険料の方が他のA市で支払うよりも5000円高い、ということはあり得るかもしれません。しかし、それは収入や資産額によって変わるので、別の人はA市で支払うより川口市で支払う方が5000円安いなんてこともあるかもしれないのです。


よって、「友達から聞いた額」を比較しても意味はなく、自治体ごとの保険料の高さを論じたいのであれば、平均的な所得の人が支払う保険料を比較しないといけません。これを「標準化保険料算定額」と言うそうです。今回はこれを利用して自治体ごとの保険料を調べてみます。


それにしても、自分に都合のいいことだと「友達から聞いた話」でもそのまま信じて自分の主張の根拠にしてしまうとは、こういう人は議論には不向きですね。



埼玉県は保険料が安い! 川口市も安い!


孫は埼玉県川口市の保険料が高く、それは外国人に保険を食いつぶされているからだと主張していますが、そんな事実は全くありません。実は、平均的な所得の人が払う保険料(標準化保険料算定額)は、埼玉県が47都道府県の中で最も安いのです。

2021y03m10d_120700955
移住支援.com

2021y03m10d_121056129
厚労省の平成29年のデータ

さらに、埼玉県内の自治体での比較でも、埼玉県内で一番高いのは本庄市です。しかし、その本庄市も全国平均を下回っているのです。(全国平均を1とすると、本庄市の保険料は0.970。埼玉県全体だと0.875)


2021y03m10d_122108021

したがって、外国人のせいで健康保険料が高くなっているとか、健康保険が食いつぶされているとかそんな事実はなく、孫の言っていることは完全に虚偽です。


まともなデータを見ないで、「友達から聞いた額」を根拠に、勝手な結論を妄想したようですね。孫向文という人物の発言はいつもこのようなものばかりです。孫向文の言うことは全てデマぐらいに思うのが妥当です。



むしろ外国人が多い地域の方が保険料が安い


孫は外国人が「自治体の健康保険金を食い潰す」と言っていますが、もしそうであれば、外国人が多い地域ほど健康保険料が高いはずです。


上で引用した厚労省のリストによると、平均的所得の人の場合、保険料が安い都道府県は

埼玉、神奈川、愛知、東京、茨城、千葉、群馬、静岡、長野、岩手

の順番でした。逆に保険料が高い自治体は

徳島、佐賀、山形、大分、熊本、山口、宮崎、島根、青森、愛媛

の順番です。孫の考えのとおり、外国人が多いと健康保険が食いつぶされて保険料が高くなるのであれば、埼玉や神奈川などに外国人が少なく、徳島や佐賀に外国人が多いはずです。


2019年発表の政府統計によれば、都道府県ごとの外国人の数は、多い順以下のようになっています。健康保険料が安い自治体ベスト10を黄色、高い自治体ベスト10を赤で色分けしてみました。

2021y03m11d_090534022

ご覧の通り、むしろ外国人が多い地域は保険料が安く、外国人が少ない地域の方が保険料が高い傾向があることがわかります。


今の数字は外国人の絶対数ですが、各都道府県の人口における外国人の割合も調べてみましょう。(計算式=(総人口ー日本人人口)/総人口×100)


こちらがその結果です。

2021y03m10d_125531540
(統計局HPの2019年の人口データから作成)


ご覧の通り、外国人の割合が高い地域の方が、外国人の割合が低い地域よりも国民健康保険料が安い傾向があることがはっきりと見て取れます。


恐らくこれは「外国人が多いから保険料が安い」ということではなく、「外国人は大都市圏に住む傾向があり、大都市圏の自治体は財政に余裕があって保険料を安く抑えられている」ということなのだと思いますが、孫向文が妄想しているような、「外国人によって保険が食いつぶされて保険料が高くなる」なんて事実は全く存在していません。



外国人も保険料を払っている


そもそも、孫向文はどういう理屈で外国人が「自治体の健康保険金を食い潰す」などと妄想したのでしょう?


もしも外国人は保険料を払わずに保険を利用しているなんてことがあるのであればその主張もわかりますが、日本では3カ月以上滞在する外国人には国民健康保険に加入する義務があります。ちゃんと払っていないとビザの更新ができずに帰国を余儀なくされたりするので日本人より深刻です。外国人も保険料を払っているのですから、外国人のせいで健康保険が食いつぶされるという主張はナンセンスです。



外国人は高齢化率も低い


支払う保険料以上に医療費がかかれば健康保険が圧迫されるということはあるかもしれません。一般的に言って、高齢者には医療費が多くかかりますが、高齢化率が高い都道府県の方が、高齢化率が低い都道府県より、健康保険料が高い傾向があります。都道府県別の高齢化率のリストに、保険料が高い県ベスト10に赤、低い県ベスト10に黄色を塗ってみました。

img_0ce2d635d8676088b69ee7e5d927c492333557

もしも川口市の外国人に高齢者が多ければ、「外国人のせいで川口市の保険料が高くなっている」なんて主張も少しは成り立つかもしれませんが、川口市のHPの人口統計(2020年)を見ると、日本人は65歳以上の割合が24.2%もあるのに対し、外国人は65歳以上の割合がたったの2.57%しかないのです。

2021y03m10d_153119991
(川口市のHPの統計データから作成)

したがって、外国人に多額の医療費がかかって保険を圧迫するということは考え難いです。



デマゴーグ孫弘文を信じるな


以上、見てきたように、孫向文の主張は、全てデマです。


彼は、「川口市に外国人が多い」という事実と、たまたま友達が言った「川口市の保険料が他の市よりも5000円高い」という発言(※事実とは異なる)を脳内でミックスさせて、何一つ根拠なく、「川口市の保険料が高いのは外国人が多いせいだ」という結論を導き出したのです。


もちろん、ここまで見てきたように、実際には外国人のせいで保険が圧迫されたり保険料が高くなったりする事実は全くなく、むしろ外国人が多い地域は保険料が安い傾向にあるのです。(保険料が安いところに外国人が多く住んでいるということかもしれない)


孫向文の主張はいつもこんな感じです。何の根拠もなく、断片的な情報を自分の脳内で勝手に組み合わせて、現実から乖離した結論を導いてそれを恥ずかしげもなく宣伝する。


孫向文という人間は、トランプが Chinese Virus と言っただけで、「新型コロナは中国が開発した人工ウイルスだとアメリカが認めた!」と思い込むような男です。はっきり言って頭がおかしい。


この男に論理的思考力というものは完全皆無です。


この男がまともなことを言う可能性は限りなく低く、信じたらバカを見るばかりか、人の命にかかわるようなことさえあります。これまでも、そしてこれからも、孫向文の言うことは信じてはなりません。

このエントリーをはてなブックマークに追加

にほんブログ村 政治ブログへ
にほんブログ村 政治ランキング
(スポンサードリンク)