<今回のデマ>
  • デマ:日本で「朝鮮式お辞儀・コンス」が蔓延している
  • デマ拡散者:多数
  • 事実:同様の動作は海外企業、海外の王室、日本の皇室でも見られ、現在日本で行われている動作が「朝鮮式」を真似たものであるという根拠は一切皆無。
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↑「皇室がコンスをしている!」と妄想して「情けない…」と非難する百田尚樹

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前回に引き続きコンスデマです。前回、ネトウヨたちが「朝鮮式お辞儀・コンス」と呼んでいる動作は、韓国のみならず世界中で見られ、日本のデパート等で行われているものが「朝鮮式」であるという根拠は一切ないという話をしました。



↓ネトウヨが言う「コンス」と同じものが世界各国でみられる例
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(↑台湾)

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(↑中国

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(↑ベトナム

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(↑カタール

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(↑カナダ

今回は、これに加え、日本の皇室のお辞儀を見てみたいと思います。



皇室だって臍の上で手を重ねてる


ニホンネトウヨたちは臍の上あたりで手を重ねて立ったりお辞儀をしたりしたりすると「朝鮮式コンスだ!」「反日だ!」と攻撃を開始します。例えば、前回記事で「コンスデマを広めた最古のサイト」として紹介したブログでは、以下のような画像で「これはコンスだ!」と攻撃しています。

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そもそも「朝鮮式コンス」なんてものが本当に存在するのかどうかという問題があるのですが(これについては次回以降書きます)、同様の動作は皇室にも見られます。

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美智子皇后(2018年

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コンスデマを信じ切ってしまっている百田尚樹は、これを見て「情けない」「いかんねえ」と言う始末。
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また、美智子皇后(当時)の肖像画を「明らかにコンス」「こんな肖像画が個性に残るのは日本の恥」と言っている人もいました。

つまり、ネトウヨの目から見て、この皇室の所作と、彼らが言う「朝鮮式コンス」は見た目上区別がつかないわけです。ますますデパートなどの所作が「朝鮮式コンス」である根拠はなくなりました。

「これはコンスじゃない!」というネトウヨの的外れな再反論


しかし、どういうわけかどうしても日本のデパート等が「朝鮮式お辞儀」をやっていることにしたいネトウヨたちは、言い訳を考えました。それが「皇室の動作は、もともと扇を持っていたからこの動作なのである」というものです。

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(↑そんなサイトの例

この「もともと扇を持っていたポーズなんだ!」という主張も何の根拠もないですが、この反論はそもそも無意味です。なぜなら、百田尚樹みたいなコンスデマを信じ切っている本当にアホなネトウヨを除いて、皇室が朝鮮式お辞儀「コンス」をやっているなんて思っている奴はいないからです。ポイントは「ネトウヨたちが『朝鮮式』と呼んで中傷しているのと同じ作法は日本にもある」ということです。


日本のデパート等が、「朝鮮式お辞儀」とやらを真似る可能性と、皇室のやっているお辞儀を真似る可能性とだったら、後者の方がはるかにありえることでしょう。少なくとも、日本の企業が「朝鮮式」とやらを真似たという根拠は一切どこにも全く欠片ほどもないのです。



海外の王族も同じ所作


ネトウヨが「コンス」だとして糾弾するポーズは、日本の皇室だけでなく、海外の皇室でも見られます。例えばスウェーデン皇室の王妃(左から3番目)のポーズは、ネトウヨが言う「コンス」と全く同じですね。

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↑スウェーデン王妃(左)と、ネトウヨが「コンス」として糾弾する立ち方(右)

こちら、イギリスのエリザベス女王。こちらもネトウヨが「コンス」と呼ぶものと区別つきません。

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肘を曲げて手をへそあたりで重ねる仕草は海外の王室も、日本の皇室も、海外の客室乗務員などもやっているものです。朝鮮に似たようなものがあったとしても、日本で行われているものが「朝鮮式」だなどという根拠は一切皆無であり、そんな可能性は限りなくゼロに近いでしょう。



日本映画でも同じ所作


さらに、同じ動作は過去の日本映画でも発見できます。例えば、こちらは黒澤明監督の『天国と地獄』(1963年(昭和38年))ですが、主人公の奥さんはほぼ常に肘を曲げ、両手をへその前あたりに置いており、そのままお辞儀をするシーンもあります。

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1969年(昭和44年)の山田洋二監督『男はつらいよ』にも同様のポーズがあります。

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以上のように、ネトウヨたちが「朝鮮式だ!」と糾弾しているポーズは、海外でも日本でも見られるものであり、朝鮮の作法を真似たなんて根拠は一切ないのです。


そもそも朝鮮の作法だったら何だというのかわかりませんが(「キムチを食べる奴は在日! 反日!」レベルにくだらない)、「日本のデパートやホテルなどが朝鮮式お辞儀『コンス』を採用して日本に朝鮮式を広めようとしている!」なんてのは、日本のほんの一部の頭の悪い差別的デマゴーグたちの下劣な被害妄想以外の何物でもありません。嫌韓デマであると同時に日本企業を攻撃する反日デマでもあり、何の根拠もない妄想で敵認定して攻撃するという最低の行為です。


次回は、「コンス」デマがどう作られていったのか、デマの歴史を見てみたいとおもいます。

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