<今回のデマ><デマ拡散者>
- 菅直人が橋下徹の弁舌の巧みさを「ヒットラーを思い起こす」と発言したのは、フランスやドイツならヘイトスピーチで法的処罰の対象になる。
- ヒトラーに例えることは憎悪を煽るから、そのような表現はしないのが公共の姿勢。
- アメリカでもヒトラーの例えをしないことが公共的な姿勢になっている。
<事実>
- 萱野稔人(津田塾大教授)
- 欧州評議会のHPによれば、ヘイトスピーチとは「人種的憎悪、外国人排斥、反ユダヤ主義もしくは不寛容に基づくその他の形の憎悪の拡散、扇動、推進、もしくは正当化する全ての表現形式」とされている。本人の言動に基づき、その人物を批判することがヘイトスピーチに当たるわけがない。
- ドイツやフランスでも、ヒトラーになぞらえる発言をしたところで、侮辱や名誉棄損で訴えられることはあっても、ヘイトスピーチに当たる法的処罰の対象になるなんてことは絶対にありえない。萱野稔人の発言は大嘘。
- 萱野稔人は、菅直人の発言について、最初は「ヘイトスピーチだから法的処罰の対象になる」と言っていたくせに、そんな事実は存在しないことが指摘されると、「『公的な言語空間』における『公的な人たち』の『公共的な姿勢』」に反するとすり替えた。つまり、萱野稔人は菅直人の発言が自身の考える政治家モラルに反するというだけのことを、あたかも犯罪行為であるかのように吹聴していたのである。卑怯すぎる
- ドイツやフランスやアメリカでも政治家をヒトラーに例えることはしばしばあり、ヒトラーの例えをしないことが「公共的な姿勢」になっているという事実もない。

↑ヒトラーになぞらえることが独仏ではヘイトスピーチ規制に該当するなんてあり得ない。
「ヒトラー発言はヘイトスピーチ」なんてあり得ない
前回紹介した通り、菅直人が橋下徹の弁舌をヒトラーに例えたことについて維新が怒っています。
橋下氏をはじめ弁舌は極めて歯切れが良く、直接話を聞くと非常に魅力的。しかし「維新」という政党が新自由主義的政党なのか、それとも福祉国家的政党なのか、基本的政治スタンスは曖昧。主張は別として弁舌の巧みさでは第一次大戦後の混乱するドイツで政権を取った当時のヒットラーを思い起こす。
— 菅直人 衆議院議員(府中・小金井・武蔵野) 立憲民主党 (@NaotoKan) January 21, 2022
まあ、言われた方が怒るのは当然と言えば当然ですが、「独裁が必要」と言ったり、反対勢力を外国の工作員扱いしたりする維新がナチスに例えられるのは仕方がないと思うんですけどね。
それはさておき、なんと菅直人のヒトラー発言を「ヘイトスピーチだ」なんて言う人がいるようです。津田塾大教授の萱野稔人です。
恥を知れよこいつ
— anti-dictator (@nameless_min) January 28, 2022
最初から最後まで嘘垂れ流し
最後のアナウンサーのコメントも最悪#維新に騙されるな #ヒトラー pic.twitter.com/4HaBkU004l
>>ヘイトスピーチという言葉がありますよね。
>>フランスやドイツでは
>>そのヘイトスピーチを法律で禁じていて
>>その基準に従えば
>>菅直人元総理のヒトラー発言は
>>処罰の対象となる可能性が非常に高い
町山智浩さん
— 萱野稔人 (@KayanoToshihito) February 1, 2022
ご質問にお答えします。私が発言したのは、ヘイトスピーチに厳しいフランスやドイツの法規制では、菅元総理のヒトラー発言はヘイトスピーチに該当する可能性があるということです。
以下、少しポイントを説明させていただければと思います。
>>ヘイトスピーチに厳しいフランスやドイツの法規制では、
>>菅元総理のヒトラー発言は
>>ヘイトスピーチに該当する可能性がある
んなアホな!!
侮辱とか名誉棄損とかで訴えられるってのならまだしも、菅直人の発言がヘイトスピーチに該当するだの、法規制に触れて処罰の対象になるなど絶対にありえない。何言ってんだ、こいつ。これでも大学教授か? 情けない。
欧州評議会のホームページにはヘイトスピーチについてこう書かれています。
Le discours de haine n’a pas de définition précise en termes de droits de l’homme internationaux. C’est une expression utilisée pour décrire un discours général, extrêmement négatif et constituant un risque pour la paix sociale. Selon le Comité des Ministres du Conseil de l’Europe, le discours de haine couvre toute forme d’expression qui répand ou justifie la haine raciale, la xénophobie, l’antisémitisme ou toute forme de haine basée sur l’intolérance, y incite ou en fait l’apologie. Avec l’apparition de nouvelles formes de médias, le discours de haine est aussi présent en ligne et nécessite davantage de réflexion et d’actions de régulation et de nouvelles formes de lutte.ケンブリッジの辞書を引いても、ヘイトスピーチとは
(Hate speech has no particular definition in international human rights; it is a term used to describe broad discourse that is extremely negative and constitutes a threat to social peace. According to the Committee of Ministers, hate speech covers all forms of expressions that spread, incite, promote or justify racial hatred, xenophobia, anti-Semitism or other forms of hatred based on intolerance. Along with the development of new forms of media, online hate speech has been brought about. Hate speech in the online space requires further reflection and action on the regulation and new ways for combating it.)
ヘイトスピーチには、国際人権の観点から正確な定義はありませんが、社会平和を脅かす非常に否定的な表現に対し、広範囲に用いられます。欧州評議会閣僚委員会によると、ヘイトスピーチは、人種的憎悪、外国人排斥、反ユダヤ主義もしくは不寛容に基づくその他の形の憎悪の拡散、扇動、推進、もしくは正当化する全ての表現形式を指します。新しい形式のメディアの出現に伴い、インターネット上でのヘイトスピーチも生まれました。ネット上でのヘイトスピーチを駆除するための規制や方法については、更なる熟考と行動が必要とされます。(欧州評議会HP)
public speech that expresses hate or encourages violence toward a person or group based on something such as race, religion, sex, or sexual orientation (= the fact of being gay, etc.):と書かれています。
人種・宗教・性別・性的指向などに基づいて、個人やグループに対する憎悪を表現したり暴力を推奨したりする、公共の場での発言
つまりヘイトスピーチって言うのは、人種とか民族とか国籍とか宗教とか性別とかに基づいて行われる差別的な言動のことです。本人の言動に基づいてその人物自身を非難することがヘイトスピーチに当たるわけがない。すっごく簡単に言えば、「日本人はクズ」とか「女はクズ」とか「キリスト教徒はクズ」とか言ったらヘイトスピーチだけど、本人の言動を根拠に「伊藤誠はクズ」と言ってもヘイトスピーチにはならないってことです。(侮辱とか名誉毀損とかそういうのは別だけど)
人種にも宗教にも性別にも性的指向にも国籍にも何にも触れておらず、憎悪や暴力を推進したわけでもなく、橋下徹自身の言動について、「橋下徹の弁舌はヒトラーを思い起こさせる」と言ったのがヘイトスピーチに当たるわけがない。萱野稔人の脳内でのヘイトスピーチの定義ってどうなってるんですかね?
フランスでもドイツでも、誰かをヒトラーに例えたことによって、ヘイトスピーチ規制の対象になって処罰された人が一人でもいますか? いるなら見せてもらいたいものです。もしもヒトラーやナチになぞらえることがヘイトスピーチで処罰対象になるのなら、ネオナチを批判したら、批判した方がヘイトスピーチ扱いで処罰されてしまう。そんなバカな話はありませんね。(繰り返しますが、相手をヒトラーに例えたことで、侮辱や名誉棄損で訴えられたってケースはありますよ。でもそれはヘイトスピーチ規制とは無関係です)
少なくとも、菅直人の発言がドイツやフランスだったらヘイトスピーチの法規制に触れるものだなんてことは、絶対にありえません。
大学教授ならヘイトスピーチの意味ぐらい調べてから発言しろ!
「法規制」を「公共の姿勢」にすり替える卑怯な萱野稔人
萱野稔人はヒトラー発言が欧米ではヘイトスピーチになるという根拠として、フランスの極右であるル・ペンがヒトラーに例えられていないということを挙げています。
・フランスでは、ル・ペンやその娘のマリーヌ・ル・ペンといった極右政治家が大統領選挙の決選投票まで残るほどの影響力をもちましたが、それでも他の国会議員からヒトラーに例える批判が出てこないのはなぜか、という問題を指摘しました。
— 萱野稔人 (@KayanoToshihito) February 1, 2022
・もちろんこれは政治家などの公的な人たちについての指摘であり、フランスでも一般市民の運動やネットの書き込みではヒトラーの例えはでてきます。問題は公的な言論空間において、ということです。
— 萱野稔人 (@KayanoToshihito) February 1, 2022
・ヒトラーの例えはいとも簡単に対象への憎悪を煽る表現になりえますし、ホロコーストの犠牲者の軽視や冒涜にもつながりうることから、ヒトラーの例えをしないことが仏独では公共的な姿勢となっています。
— 萱野稔人 (@KayanoToshihito) February 1, 2022
>>ル・ペンやその娘のマリーヌ・ル・ペンといった極右政治家(略)
>>それでも他の国会議員からヒトラーに例える批判が出てこない
>>これは政治家などの公的な人たちについての指摘であり、
>>フランスでも一般市民の運動やネットの書き込みではヒトラーの例えはでてきます。
>>問題は公的な言論空間において、ということ。
>>ヒトラーの例えはいとも簡単に対象への憎悪を煽る表現になりえますし、
>>ホロコーストの犠牲者の軽視や冒涜にもつながりうることから、
>>ヒトラーの例えをしないことが仏独では公共的な姿勢
呆れた。論理性がめちゃくちゃ。こいつ、これでも本当に大学教授?
まず、本当にルペンをヒトラーに例えた国会議員がいないかどうかは調べられていませんが(ご存じの方がいましたら情報提供お願いします)、仮に事実だとしても、それはヒトラーに例えることがヘイトスピーチに当たるからだという根拠にはなりません。単に抗議されたら面倒くさいから言わないだけかもしれませんからね。
次に、この男、クソ卑怯なことに、最初はヒトラーの例えをすることは「ヘイトスピーチだからドイツやフランスなら法規制に触れて処罰の対象になる可能性が非常に高い」って言っていたくせに、次は「ヘイトスピーチに該当する可能性がある」にトーンダウンして、ついにここでは「政治家などの公的な人たち」の「公共的な姿勢」反するって話に変わっちゃってます。
「公的な人たちの公共的な姿勢に反する」って、それ単にお前が考える政治家モラルに反するってだけの話じゃん! ただのお前の主観じゃねえか。
「法的処罰の対象になる」と「政治家のモラルに反する」じゃ全く話が違う。つまり、萱野稔人は、菅直人の発言が自分の考える政治家モラルに反するってだけのことを、あたかも犯罪行為であるかのように吹聴したわけです。うわ、何こいつ。素直にヘイトスピーチで法的処罰の対象になるというのは間違いだったと認めればいいのに、萱野稔人はそれができないんですね。卑怯者ですね。
第一、何ですか、その「公共的な姿勢」って? お前の脳内だけにある「公共的な姿勢」だろ、それ。別に仏独でも政治家をヒトラーに例えることはしばしばあるので、ヒトラーに例えないことが「公共的な姿勢」になっているとは思えませんがね。(名誉棄損で訴えられることはあり得るけど、それはヘイトスピーチだとか公共の姿勢だとかとかとは別の話)
それに、政治家をヒトラーに例えることが「ホロコーストの犠牲者の軽視や冒涜にもつながる」というのも意味不明。なんで橋下の弁舌をヒトラーの弁舌に例えるとホロコーストの犠牲者の軽視や冒涜になるねん。むしろお前こそホロコースト犠牲者をダシにして維新への批判を封じて野党批判したいだけだろ。
こんな嘘つきの卑怯者が大学で教えてるわけ? 学生が可哀想すぎる。
アメリカでトランプは何度もヒトラーに例えられている
さらに、萱野はこう言います。
長くなってすみませんでした。
— 萱野稔人 (@KayanoToshihito) February 1, 2022
最後に一点、ヒトラーの例えをしないことが公共的な姿勢になっているという点は、ヘイトスピーチ規制法のないアメリカでも同じなのではないかと思いますが、これについては町山さんはどのようなご認識でしょうか。
>>ヒトラーの例えをしないことが
>>公共的な姿勢になっているという点は、
>>ヘイトスピーチ規制法のないアメリカでも同じ
もちろん嘘。アメリカではトランプをヒトラーに例えることなど別に何にも珍しくありません。
↓トランプの主張とヒトラーの手法の類似性を指摘するワシントンポスト
↓トランプをヒトラーに例える統合参謀本部議長マーク・ミリー
↓トランプをヒトラーに例えるジョージア州下院議員
↓メディアでもしばしばトランプとヒトラーは比較される
もちろん何の処罰の対象にもなっていません。せいぜいトランプ支持者が怒っただけです。
結局、萱野稔人はその辺の「ヤトウガー」のネトウヨと変わらず、自分が好きな維新が自分が嫌いな野党にヒトラーになぞらえて批判されたから、怒って口から出まかせで反論しただけです。
「ヒトラーに例えるなんて侮辱が過ぎる! 撤回しろ」って言うのならわかりますけどね、「ドイツやフランスではヘイトスピーチに当たって法的処罰の対象だ」と嘘をつき、嘘がばれると、「法的処罰の対象」と言っていたのを「公共の姿勢に反する」という内容にすり替える。それにヒトラーになぞらえてはいけないというのが公共の姿勢なんて事実も存在しやしません。
大学教授だからって言ってることが正しいとは限らないので注意してください。大学教授でも専門外のことはデタラメ言ったりしますし、専門のはずのことでも政治が絡むとデタラメを言う大学教授もいるので注意してください。
↓大学教授で憲法学が専門のくせに日本国憲法について大嘘を衝く八木秀次。なんで憲法学者のくせに憲法成立過程の資料を見ないで妄想でテキトーなことを言ってしまうのか、謎すぎる。





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コメント
「フランスでは極右人にヒトラーが使われてない、だから皆自重してるんだ」という
矛盾どころか矛と盾が向き合ってないレベルの言い訳ですね…。
イタズラをした小学生のほうがまだ時間を稼げる屁理屈を言うのではないでしょうか
2012年のことだそうですが、マドンナというアメリカの女優さんが、自身のコンサートにてルペン党首の顔にナチスのシンボルであるかぎ十字を重ねたりヒトラーに似た画像も共に出したという表現をしたことで国民戦線から提訴されたことがあるそうですが、提訴内容はヘイトスピーチではなく党への侮辱ということでした
https://www.afpbb.com/articles/-/2889722
https://jp.reuters.com/article/tk0850438-france-madonna-idJPTYE86F01C20120716
同国民からのものでは無いにせよ、国民戦線はヒトラーに例えられたことは「ヘイトスピーチ」とは判断しなかった例みたいな物として紹介しときます。
あと関係ない話ですが…1月3日頃にあるメールを送信したはずなのですがちゃんと受信などできてるかな? とか最近考えてまして、どうでしょうか。せっかちなのと長文ですいませんでした。
(吉村は「国際法上ありえない」)
https://youtu.be/V0WM5ypwHYc?t=376
ルペン情報ありがとうございます。マドンナがルペンをナチに例えたことは知ってはいましたが、今回頂いた記事のことを後で追加しておこうと思います。
メールの件、大変失礼いたしました。メールチェックを1カ月以上怠っておりました。先ほどお返事させていただきました。
「国際法上ありえない」はすごいな…。ググってみたら本当に言ってた…。
「国際マナー上ありえない」ならまだしも、「国際法上ありえない」なんてことは絶対ないだろ。何言ってんだ、吉村は。維新ってなんでこんなにちゃんと調べもしないで発言するんだ…。
だから維新は脳みそじゃなくて脊髄反射で答える、知性を求めるだけ無駄な連中なんです。
明言はしてないけど、同じようにテレビ出演の多い弁護士の野村修也と一緒で「維新のテレビ広報」って感じかな