<今回の知能欠如>
  • 有馬哲夫「安倍氏の葬儀でみんな泣いてた。国民の大多数は安倍氏の死を悼みお別れが言いたい。だから国葬にする。一般国民は国葬反対の人とは違う」
<事実>
  • もともと安倍晋三の死を悼みお別れが言いたい人が集まる葬儀参列者を母集団にしている。サンプル取りの考えが身についていない。
  • 多くの世論調査で国葬反対が賛成を上回っている。
  • 安倍の死を悼みお別れが言いたいのならば、自民党の金でやればよく、国葬でなければならない理由にならない。
  • 有馬哲夫は典型的な藁人形論法を使い、それに自分で気づいていない愚人。
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↑見事なまでの藁人形論法を見せつけてくれる有馬哲夫氏。こんな頭でどうやって学生に教えているんだ?


今回はいつもとちょっと趣を変えて、論理的思考力を鍛える練習をしてみましょう。


論理的な思考力を身に着けるためには、逆にどういうものが非論理的思考なのかを知らねばなりません。ちょうどいい教材を早稲田大学教授の有馬哲夫先生が提供してくれていましたので、みんなで一緒に勉強しましょう。

さすが有馬先生、素晴らしいですね。見事なまでに、絵に描いたような非論理的思考の例文を作ってくれています。教員の鑑ですね。


さて、この短いツイートに組み込まれた非論理的思考を指摘してみてください。


・・・・・・


できましたか?


では、解説していきましょう。

サンプル取りができていない 


まず、有馬先生は、


>>私は増上寺の弔問の長蛇の列の中にいましたが、
>>皆泣いていました。映像でみたでしょ。



と述べ、これが「大多数の国民の自然な気持ち」だと述べています。


はい、ちょっとでもちゃんとした知能を持っている人なら、すぐにわかりますね。サンプルの取り方がおかしいです。


増上寺の弔問とは安倍晋三の葬儀のことですが、そもそも葬儀に行く人ってのは、個人の死を悼み、お別れが言いたい人たちですよね。その人たちを見て「大多数の国民」が「安倍氏の死を悼み、お別れがいいた」がっているとか、阪神タイガースファンクラブの集会を見て「阪神ファンクラブに行ったらみんな阪神を応援していた。大多数の国民は阪神を応援している」と言うようなものです。アホですな。


有馬先生は「サンプル」とか「母集団」とかって言葉を知らないんですかね?

世論調査は反対が賛成を上回る


さて、母集団という概念を持っていない有馬先生の脳内では、「一般国民」は国葬に賛成だそうですが、弔問客ではなくちゃんと無作為抽出された世論調査を確認してみましょう。


有馬先生がこのツイートをしたのは7月24日。この段階での世論調査がちょっと見つからなかったんですが、7月30日~31日の共同通信の世論調査では「反対」「どちらかといえば反対」が計53・3%を占め、「賛成」「どちらかといえば賛成」の計45・1%を上回りました。


7月29日~31日の日経新聞の世論調査では「反対」が47%、「賛成」が43%でした。


8月5日~7日のNHKの世論調査では、国葬を「評価しない」が50%、「評価する」が36%でした。


同時期のJNNの世論調査では、「反対」45%、「賛成」42%でした。


読売新聞の世論調査では、「評価する」49%、「評価しない」46%でした。


まとめるとこうなります。


   賛成(評価する) 反対(評価しない)
共同   45        53
日経   43        47
NHK   36        50
JNN   42        45
読売   49        46


読売以外はすべて反対が賛成を上回っています。


さて、有馬先生の中では、国葬反対の人たちは「一般国民」ではないのでしょうか? 有馬先生は日本語の使い方から勉強し直した方がいいと思います。


絵に描いたような藁人形論法


さて、今回の有馬先生のツイートで、最も非論理的な部分はここです。


>>大多数の国民の自然な気持ちとして、
>>もう一度安倍氏の死を悼み、お別れがいいたいのです。



仮に大多数の国民が安倍氏の死を悼み、お別れを言いたがっているとしましょう。


国葬である必要性の説明には全くなっていませんね。


死を悼み、お別れが言いたいのなら、自民党の金でやればいいんです。別に国葬である必要性は皆無です。


国葬反対の理由は「安倍晋三は国葬に値する人間じゃない」とか「国葬に法的根拠がない」とかなんですが、別に有馬先生みたいな人が死を悼み、お別れを言いたいのなら、そんなのは誰も止めてないんですよ。勝手にやりゃいいんです。


それを有馬先生はあたかも国葬反対が安倍晋三の死を悼んだりお別れを言ったりすることを否定しているかのように言う。


まさに絵に描いたような藁人形論法です。


藁人形論法とは


「危ないから道路で遊んじゃいけないよ」


という意見に対し


「子供を外で遊ばせるなと言うのか」


と反論するようなことを言います。別に外で遊んじゃいけないなんて言ってないですね。危ないから道路で遊んじゃいけないのであって、公園とか学校のグラウンドとか、危なくないところで遊べばいいんです。


別に国葬反対派は、安倍支持者たちが安倍の死を悼んでお別れを言うことを止めようなんてしていません。自民党の金で勝手にやりゃいいんです。ところが有馬先生は国葬反対派の意見を捻じ曲げて解釈し、

「国葬反対派は、安倍氏の死を悼んでお別れを言いたい気持ちを否定している」

→「だが、大多数の国民は安倍氏の死を悼んでお別れを言いたがっている」

→「国葬反対派は間違ってる」

→「だから国葬は正しい」

と繋げています。


さすが早稲田大学教授だけあって、非論理的思考の見事なサンプルを提供し、我々の学習に貢献してくれてる有馬先生は教育者の鑑ですね。


ただ、私ならこの程度の知能レベルの人から学びたいとは絶対に思いませんが。


みなさんはこういう非論理的なアホを他山の石とし、論理的な思考で物事を考えてください。特に最後の藁人形論法は騙されやすいので気をつけましょう。「個人の死を悼みお別れを言いたい」は葬儀をする理由にはなっても国葬にする理由には全くなっておりません。

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