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↑沖縄県民じゃないのに基地建設に賛成する一方、基地反対派については沖縄県民じゃないと非難するひろゆき




根拠不明の「基地反対派は県民じゃない」という主張 


ひろゆきの投稿が元で沖縄の基地やその反対運動が再び注目を浴びている。色々問題がありすぎてすべてを取り上げられないが、反対運動を批判する連中が必ず言うことが、「反対しているのは地元民じゃない」というもの。
>>そこに座り込む連中のほとんどは
>>地元住民ではなく、
>>他所から来た連中。

>>基地反対派が沖縄の人じゃない事を
>>指摘されるのが嫌なんですかね?



基地反対運動をしているのが地元民じゃないとか沖縄県民じゃないとか、いったい何を根拠に言っているのかはわからない。2019年の県民投票で、投票者の7割以上が反対に票を投じている。

↓2019年県民投票結果
2019年_沖縄県民投票の結果

国政選挙でも基地建設反対派が勝ち続けている。ちなみに、ひろゆきは辺野古がある名護市長選で建設容認派が勝利したと言っていたが、それは誤りだ。



これでも「基地反対派」は沖縄県民じゃないというひろゆきらの主張に論理性を見出すことはできない。



基地建設を進めているのは地元民なのか?


もちろん、反対運動をしている人たちには、県外から来ている人も少なからずいるだろう。ひろゆきらはそういう人を見て「反対しているのは地元民じゃない」などと言うのだろうが、逆に問いたい。


基地建設を決めたのは地元民なのか?


基地建設を推し進めているのは地元民なのか?


基地を使うのは地元民なのか?


造っているのはアメリカ人が使うアメリカ軍基地。建設を推し進めているのも沖縄県民ではなく日本政府。


県民じゃない連中が、県民どころか日本人でさえない連中が使う基地の建設を推し進めているのに、反対運動については「県民じゃない」と非難する連中の論理展開は理解しがたい。


「日本」を守るためだとか言いながら、反対運動に関しては「沖縄」県民限定じゃないと認めないとは、全く意味不明だ。


ひろゆき自身沖縄県民ではないのに、なぜ反対派については沖縄県民ではないなどと非難するのか、全く理解に苦しむ。


もしも沖縄県民が喜んで基地建設を受け入れているのならば県外の人間が口出すことじゃないかもしれないが、そうではないことは県民投票や国政選挙結果からも明らかだ。


基地建設を決めたのも、基地建設を推し進めている連中が沖縄県民じゃないのだから、基地建設を止めようとするのも沖縄県民に限定する意味は全くない。


黒人の人権擁護活動に黒人以外が関わっても何ら問題はない。


ウイグルの人権擁護活動にウイグル人以外が関わっても何ら問題はない。


チベットの人権擁護活動にチベット人以外が関わっても何ら問題はない。


沖縄県の基地建設反対運動に、沖縄県民以外が関わっても何ら問題はないし、「日本」防衛のためだと言うのなら、なおのこと県外の人ももっと当事者意識を持つべきであろう。少なくとも、県外の人が基地反対運動に参加していることは、何ら批判されるべきことではない。



補足:逮捕者44人中29人が沖縄県民


抗議運動参加者全体像を把握することは難しいが、こんなデータがある。2017年5月11日、このブログでも何度か取り上げた自民党の和田政宗が参議院内閣委員会で警察庁の松本光弘警備局長に質問し、このような答弁を受けている。
○政府参考人(松本光弘君)

キャンプ・シュワブ及び米軍北部訓練場周辺の抗議行動をめぐってでございますが、平成二十七年以降、沖縄県警察が逮捕した者につきまして、お尋ねのとおり外国籍の者四人ございますので、それを除いた延べ四十人、このうち逮捕当時に沖縄県外を住所地としていた者は延べ十一人と承知いたしております。
平成27年(2015年)から、この質問があった平成29年(2017年)5月までに沖縄での抗議活動で逮捕されたものは44人。そのうち11人が県外在住で、4人が韓国籍だった。


まず、逮捕者については具体的にどのような状況で逮捕されたのかわからないのでここでは擁護も批判も避ける。とはいえ、和田政宗や産経新聞はこれらの逮捕者をもとにあたかも「基地反対派=極左暴力集団」のようなイメージを形成しようとしているが、恐らく万単位の人が関わったであろう1年半の抗議活動で逮捕者は44人だし、「逮捕者=極左暴力集団」でもない。決して「基地反対派=極左暴力集団」ではないということは留意していただきたい。


次に、44人中15人が県外在住、もしくは外国籍だったということは、逆に言えば44人中29人は沖縄県民だったわけである。


和田政宗は「1/3も県外人だ」と非難しているが、逆に2/3は沖縄県民だったわけで、「基地反対派は沖縄県民じゃない」なんて主張は間違っていると言うことができる


また、和田政宗は「現地を視察して、捜査・情報当局の答弁などを聞くと、米軍基地反対運動が純粋に沖縄の人々によるものとは思えなくなる」などと、なぜ米軍基地反対運動に沖縄県民以外が参加していることが非難されねばならないのか。


もしも米軍基地建設を進めているのが純粋に沖縄の人々によるものであるのならば、反対運動も純粋に沖縄の人々によるものであるべきだという主張は理が通る。だが、米軍基地建設を進めているのが沖縄県民ではないのに、なぜ反対運動は純粋に沖縄の人々によるものでなければいけないと言うのだろうか。


今回の記事で繰り返したように、沖縄県民でない人たち(主に自民党)が、沖縄県民どころか日本国民でさえないアメリカ人が使う施設を作ろうとしているのだから、沖縄県民でない人も基地反対運動に参加するのは当然だ。日本全体の防衛のためだと言うのならば、日本全体の問題ではないのか。日本全体の問題なのに、沖縄県民以外が関わることがどうして非難されねばならないことなのか。


「基地反対派は県外の人」というひろゆきらの主張は完全に破綻しているし、反対運動に県外の人が協力していることは全く非難されるべき事柄ではない。


ましてや、辺野古埋め立てでサンゴが被害に遭うとなれば、政治的な是非とは別に、環境活動家だって動くのが当然だろう。もしもオーストラリアのグレートバリアリーフが基地建設で危機に遭ったとしたら、グレートバリアリーフがあるクイーンズランド州の人だけでなく、オーストラリア中の人が立ち上がるだろうし、オーストラリア人以外も駆けつけるだろう。


辺野古基地建設反対運動に沖縄県以外の人が関わるのはむしろ当然のことであり、非難される理由など欠片もない。

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