<今回のデマ>
  1. 元国連事務総長の潘基文が、安倍晋三など世界中の著名人に対して同団体にビデオメッセージを送ってくれと懇願した。安倍晋三がメッセージを送ったのは潘基文に頼まれたから。本当は安倍晋三は統一教会の天敵。
  2. 潘基文事務総長時代の他の主な世界の首脳達もほぼビデオメッセージを出している。
  3. 霊感商法を撲滅させたのは安倍政権の消費者契約法改正。
<デマ拡散者>
  • 門田隆正、花田紀凱、西村幸祐など
<事実>
  1. 安倍晋三にビデオメッセージの依頼をしたのは潘基文ではなく勝共連合や天宙平和連合の会長である梶栗正義。
  2. 全7回のフォーラムで、ドイツやイギリスやフランスやイタリアの政治家のメッセージは一つもなく、アメリカはトランプのメッセージはあっても、潘基文と在任期間が丸被りするオバマのメッセージはない。他はカンボジアやセネガルやニジェールなど、「主な世界の首脳」とは言い難い人たちのメッセージがほとんど。在任期間も潘基文とあまり重なっていない。
  3. 消費者契約法改正は政府が案を出した時点では霊感商法には一言も触れていない。霊感商法という言葉が加わるのは野党の質疑から。さらに消費者契約法が霊感商法に適応されたことは一件もない。
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門田隆将は断片的事実を都合よくつなぎ合わせて自分に都合のいい妄想をし、それを事実だと思う混んでしまう思考回路を持っている。この男の言うことは何一つ信じないのが賢明である。



安倍晋三が殺害されてから1年になります。スピーチや祝電のみならず、選挙での統一教会票の差配を自らしていたなど、統一教会とのズブズブの関係が既に明らかになっている安倍晋三。日本を敵視し、日本人から1200億円以上と言われる金をだまし取っていた外国の宗教と繋がっていたのですから、売国奴と罵られて当然の人間です。


しかし、いまだに安倍晋三と統一教会の関係を認めず、「真犯人は別にいる」だの「真の動機は別」だの妄想を喚き、「安倍さんと統一教会は何ら関係はなかった」などと言い張り、この売国奴を崇拝し続けている者たちがいます。統一教会イベントで安倍晋三が堂々と「韓鶴子総裁に敬意を表します」と言っていたという厳然たる事実があるのに、「統一教会と関係ない」とか良く言えるなあと不思議でなりません。

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そんな安倍晋三と統一教会が無関係であると言い張りたい人たちの中で「安倍さんは元国連総長の潘基文の要請でスピーチしただけ」というものが強く信じられているようです。

>>元国連事務総長が安倍さんやトランプさんなど世界中の著名人に対して同団体にビデオメッセージを送ってくれと懇願した
>>集会は朝鮮半島統一がテーマで潘基文前連合国(国連)事務総長が世界の要人に演説を依頼した

>>あのビデオメッセージも、前の国連事務総長、潘基文に頼まれて寄せただけ。トランプ前米大統領なども寄せてます。儀礼的なものにすぎない。(花田紀凱)

これは安倍晋三狂信者の間で信じられているようですが、もちろん大嘘です。このデマの元を調べてみると、どうやらあの妄想男、門田隆将のようです。はあ…。

門田隆将って時点でもうデマ確定と言っていいですが、少し詳しく見てみましょう。



安倍にビデオメッセージの要請をしたのは梶栗正義


安倍晋三はあのビデオメッセージ以前にも統一教会に祝電を送っていたり、統一教会票の差配をしていたり、統一教会とは相思相愛関係にありました。その安倍にスピーチ依頼をしたのは潘基文ではなく、統一教会関連団体である「国際勝共連合」「世界平和連合」「UPFジャパン」のトップを務める梶栗正義です。


梶栗氏はNHKのインタビューでこう答えています。


 そのイベントは、UPFインターナショナルが主催したオンラインによる国際会議です。これは2020年から約1年をかけ、朝鮮半島の平和のあり方が世界平和にいかに貢献できるのかというテーマで、世界の政治指導者・有識者の皆様で議論を積み重ねてきた成果としてオンラインで大会を行うというものでした。
 議論の中で、アメリカ共和党のポンペオ元国務長官やペンス元副大統領などからもメッセージをいただきました。その経緯について私から安倍元首相にご説明させていただく機会があり、「もしトランプ元大統領が出演することになれば、ぜひ安倍元首相にも出演をしていただきたい」とお願いをしました。実際にトランプ元大統領の出演が決まったことを受けて、UPFインターナショナル、そしてワシントンタイムズが正式に安倍元首相にレターを送り、これを受けられたということだと思います。
潘基文から頼んでもらったなんて全く言っていませんね。


さらに、このように答えているビデオも存在します。



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梶栗氏が言うには、他にも3人の総理大臣に打診をしたけど断られたが、安倍晋三だけは「トランプが出るなら」ということでOKしてくれたとのことで、潘基文なんて名前はどこにも出てきません。


安倍晋三は統一教会から直接頼まれて、統一教会総裁に敬意を表したのです。


第一、潘基文が頼んだんだとしても、「それが何?」って感じですよね。だって門田の脳みその中では、安倍晋三は統一教会の天敵だったはずなんですけど、潘基文に頼まれたらどうして天敵に応援メッセージを出すわけ? 意味不明もいいところですね。もしも本当に安倍晋三が統一教会の天敵だったなら、むしろ潘基文やトランプに、そんなところにメッセージを出さないように説得するだろうに。


門田隆将は常に都合のいいところを都合のいいように見るだけなので、こういうところには知能が回らないのです。



「潘基文時代の首脳たちはほぼ出ている」も「霊感商法を撲滅させたのは安倍」も大嘘


門田はこんなことも言っています。

確かに潘基文は別のシンポジウムの共同組織委員長は務めていますが、安倍が出演したシンクタンクで「共同組織委員長」だったかどうか、確かな情報が見つけられませんでした。いずれにしろ、潘基文が頼んだという事実はなく、いつも通り門田が脳みその中で「潘基文は共同委員長→潘基文が安倍に頼んだ」という連想ゲームを行ったのでしょう。


その後も大嘘が綴ってあります。


>>トランプ氏ほか仏元首相、インド元首相、EU元委員長等、潘事務総長時代の主な世界の首脳達はほぼ(ビデオメッセージを)出している

「他の人もやってるんだい!」と言って安倍晋三の出演を誤魔化そうとしていますが、これも大嘘統一教会のHPに出演者一覧がありました。




安倍が出演した『希望前進大会』は数回行われており、リストにある外国の政治家は以下の通り。

第1回(2020年8月9日)

潘基文(元国連事務総長、2007-2016)
ニュート・ギングリッチ(アメリカ下院議員・共和党、1995-1999)
伊達忠一(参議院議員・自民党、2016-2020)
フン・セン(カンボジア首相1998~)
マッキー・サル(セネガル大統領2012~)
ブリジ・ラフィニ(ニジェール首相2011-2021)
ジミー・モラレス(元グアテマラ大統領、2016-2020)
アルフレッド・モイシウ(元アルバニア大統領、2002-2007)
スティーヴン・ハーパー(元カナダ首相、2006-2015)

第2回(2020年9月27日)

グッドラック・ジョナサン(元ナイジェリア大統領、2010-2015)
ダン・バートン(元米国下院議員・共和党、1983-2013)
ホセ・デベネシア(元フィリピン下院議長、1992-1998, 2001-2008)
ジョゼ・マヌエル・バローゾ(元ポルトガル大統領2002-2004・元欧州委員会委員長2004-2014)
ディック・チェイニー(元アメリカ副大統領・共和党、2001-2009)
エバリスト・カルバリョ(サントメ・プリンシペ首相2001-2002・大統領2016-2021)
ダン・クエール(元アメリカ副大統領・共和党、1989-1993)
ヘン・サムリン(カンボジア国民議会議長、2006年~)
ユースフ・ラザー・ギーラーニー(元パキンスタン首相、2008-2012)

第3回(2020年9月27日)

ジョージ・ウェア(リベリア大統領、2018~)
チャールズ・ランゲル(元アメリカ下院議員・民主党、1971-2017)
クリストファー・ヒル(元在韓米国大使、2004-2005)
サーレワーク・ゼウデ(エチオピア大統領、2018~)
イヴ・ルテルム(ベルギー首相、2009-2011)
ヘルマン・ブランコ(コロンビア下院議員)
サルバ・キール・マヤルディ(南スーダン大統領)
マリオ・ポンセ(元エルサルバドル立法議会議長)

第4回(2020年12月5日)

(外国政治家の演説無し)

第5回(2021年2月28日)

マイク・ペンス(元アメリカ副大統領、2017-2021)
デイビッド・ビーズリー(世界食糧計画事務局長)
フレデリック・ウィレム・デクラーク(元南ア大統領、1989-1994)
モハンマド・ハーミド・アンサーリー(インド副大統領、2007-2017)
マーク・フィリップス(ガイアナ首相2020~)
ジョルジェ・カルロス・フォンセカ(カーボベルデ大統領2011~2021)
シャナナ・グスマン(東チモール大統領、2002-2007)

第6回(2021年5月9日)

潘基文(元国連事務総長、2007-2016)
ニュート・ギングリッチ(元アメリカ下院議員・共和党、1995-1999)
マイク・ペンス(元アメリカ副大統領、2017-2021)
ジョゼ・マヌエル・バローゾ(元ポルトガル大統領2002-2004・元欧州委員会委員長2004-2014)
フン・セン(カンボジア首相1998~)
ヴィヨサ・オスマニ(コソボ大統領2021~)
フセイン・ムウィニー(ザンジバル大統領2020~)
フェリックス・ウジョア(エルサルバドル副大統領2019~)
オルシェグン・オバサンジョ(元ナイジェリア大統領、1999-2007)
マイク・ポンペオ(元アメリカ国務長官、2018-2021)
マーク・エスパー(元アメリカ国防長官、2019-2020)
デイビッド・ビーズリー(世界食糧計画事務局長)

第7回(2021年9月12日)

ドナルド・トランプ(元アメリカ大統領、2017-2021)
安倍晋三(元日本国首相、2006-2007, 2012-2020)
ジョゼ・マヌエル・バローゾ(元ポルトガル大統領2002-2004・元欧州委員会委員長2004-2014)
グロリア・アロヨ(元フィリピン大統領、2001-2010)
デーヴェー・ガウダ(元インド首相、1996-1997)
ナターシャ・ミチッチ(元セルビア大統領、2002-2004)
アンソニー・カルモナ(元トリニダード・トバゴ大統領、2013-2018)
フン・セン(カンボジア首相1998~)


7回にわたる出席者を全部書き出してみましたが、「潘事務総長時代の主な世界の首脳達はほぼ(ビデオメッセージを)出している」って、どこが!?


G7に入っている国の元首脳でメッセージを出しているのは安倍、トランプ、ハーパー(カナダ)の3人のみ。あとは、セネガルとかニジェールとかグアテマラとかアルバニアとか、さらにはサントメ・プリンシペとか、言っちゃ悪いですが「主な世界の首脳」とは言い難い人がほとんど。


ドイツもフランスもイギリスもイタリアも入っていないのに「主な世界の首脳はほぼ(メッセージを)出している」だ? 


はっ。妄想もいい加減にしろ、門田隆将。


それに「潘事務総長時代の~」とか言ってますけど、トランプからして在任期間は潘基文と全くかぶっておりません(潘基文は2007-2016、トランプは2017-2021)。


門田は「潘基文が、自分が国連事務総長だった時(2007~2016)の首脳にメッセージを依頼して、安倍晋三は単にそれを受けただけ。統一教会シンパではない。むしろ天敵」ってことにしたかったんでしょうけど、潘基文と在任期間が重なっているオバマ(2009~2017)もメルケル(2005~2021)もサルコジ(2007~2012)もオランド(2012~2017)もベルルスコーニ(2008~2011)も入っていませんし、逆に門田が挙げたインド元首相のデーヴェー・ガウダは在任期間(1996-1997)が全く重なっていません。門田がこれまたよく調べもしないでテキトーなこと言っていたのがわかります。


ついでに、繰り返しますけど、他の人が演説してるから何なんなんですかね。門田の脳みその中だと、それで安倍晋三と統一教会の関係が薄まるんですかね? 全然そんなことないんですけどね。門田の妄想の通り、安倍晋三が統一教会の天敵であったなら、潘基文に頼まれようが、トランプが出ようが、そんなところに応援メッセージを送るわけがないですね。本当に門田の論理思考は破綻しています。


さらに、門田が主張する「霊感商法を撲滅させたのは安倍政権の消費者契約法改正」というのも大嘘中の大嘘。実際には霊感商法は撲滅されていないし、消費者契約法改正の最初の案には霊感商法は入っていなかったし、消費者契約法が霊感商法に適応されたケースは1件もありません。詳しくはこちら↓。



門田の頭の中は、一事が万事、連想ゲーム


これまでこのブログでは何度も門田隆将のデマを取り上げてきましたが、この男の思考パターンを見ていると、いっつも自分に都合がいいように連想ゲームをしていることが良く分かります。


今回も全部そうです。


「潘基文が共同組織委員長」というところから、「安倍がメッセージを出したのは潘基文に頼まれたから」と妄想する。実際にはUPF会長の梶栗が直接頼んでいるのに。


「安倍とトランプがメッセージを出していた」というところから「他の主な首脳もメッセージを出していたはずだ」と妄想する。実際にはドイツもフランスもイギリスもイタリアも入っていないのに。


「安倍政権下の2018年に消費者契約法の中に霊感商法が入った」というところから、「霊感商法を撲滅させたのは安倍」「安倍さんは統一教会を狙い撃ちしていた。安倍さんは統一教会の天敵」と妄想する。実際には、霊感商法被害が減ったのは消費者契約法改正のずっと前ですし(2009年の有罪判決以降大きく数を減らす)、霊感商法は野党質疑によって後から加えられたものから安倍の政策じゃないし、消費者契約法が霊感商法に適応されたことは一件もないにも関わらず。


先日門田が敗訴した件でも、「立憲民主党が公文書改竄を追求した」と「公文書改竄を支持された人が自殺した」から連想ゲームを行い、「立憲民主党が当該職員を吊るし上げて自殺に追い込んだ」と妄想する。


門田の過去の発言を見てみると、ほとんどすべてがこのような連想ゲームです。自分に都合のいいピースを見繕って、そこから連想したり、適当に妄想でピースをつなげ合わせたりして、自分に都合のいい結論にもっていく。


「潘基文が委員長」と「安倍がメッセージを寄せた」は本来全く別の事象なのに、門田はそこを連想で埋めてしまい、門田の脳内では「潘基文が安倍など世界各国著名人にビデオメッセージを要請した」「安倍さんは潘基文の依頼だからビデオメッセージを寄せた」になってしまい、その勝手な妄想が門田の中では事実として確定してしまいます。


どこ調べても「潘基文が安倍に頼んだ」なんて情報はないのに、「潘基文」と「安倍」が入ってると、それを都合よく脳みその中でつなげて「潘基文が安倍に頼んだ」にしてしまう。これが門田隆将という男のいう「ノンフィクション」の作り方です。


さらに、そこから連想が進み、「主な世界の首脳はほぼ(メッセージを)出している」などと妄想してしまう。実際にはそんな事実はないのに、門田の脳みその中では、その都合のいい妄想が事実として確定し、門田はその妄想をツイッターなどでまき散らします。


そして、それを一般ネトウヨや、西村幸祐花田紀凱みたいな連中が鵜呑みにして拡散する。それを聞いた人たちは「そうなのか」と思い込んでネトウヨの中で事実化していく。まさに悪夢の連鎖。

妄想連想ゲームはやめにしよう


こういう根拠のない妄想連想ゲームは、過去にもいろいろ紹介しました。例えば「文化の日と明治天皇の誕生日が同じ日(11月3日)」だと言うところから連想して、「文化の日は明治天皇の誕生日だから祝日」となり、さらには昭和の日の存在から妄想し、「在位期間を更新した天皇の誕生日だけが祝日として残っている」と言い出す根戸ウヨ子。



実際には文化の日は明治天皇の誕生日として祝日なのではなく、憲法公布の日だから祝日なのですが(こんなの小学校で習うだろうに)、自分の妄想を事実かのようにまき散らすのだから本当にたちが悪い。


八木秀次とかいうアホは、日本国憲法の公布日が11月3日であることを「GHQが日本の歴史を断絶させようとした陰謀」などとバカ丸出しの妄想を事実として拡散する。



憲法の公布日を決めたのはGHQじゃなくて日本政府だし、施行日を先に決めて(5月3日)、その半年前(11月3日)を公布日に決めただけなのに。


このように、彼らの脳みその中では、自分の脳内の中で整合性がつけば、どんな妄想だろうが、それが事実となってしまうのです。それを堂々と事実としてまき散らすのだからたまったもんじゃありません。


こういう連中の言うことを信じてはいけませんし、間違ってもこういう妄想と現実の区別がつかない愚か者にはならないように気を付けなければなりません。

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