<今回のデマ>
  • 医療ツーリズムで外国人が日本の医療にタダ乗りしている。
  • 外国人が国民健康保険に滞在期間3カ月から加入できるようにしたのは民主党政権。
  • この制度を悪用した例が後を絶たない。
<デマ拡散者>
  • 高橋洋一 他
<事実>
  • 医療滞在ビザでの治療は国民健康保険の対象外で、100%自己負担。
  • 外国人が国民健康保険に加入できるようになったのは1986年の中曽根政権から。
  • 外国人の国民健康保険加入の必要滞在期間を3カ月にしたのは麻生政権。直後に政権交代が起き、施行されたのが民主党政権下だっただけ。
  • 国民健康保険の総治療費における外国人の割合は、1.27%にしかならない。
  • 外国人が在留資格を偽って国民健康保険に加入して治療を受けたケースは、ほとんど確認されていない。2017年11月~2018年10月で、その疑いがあるものは2件しかなかった。
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↑またろくに調べないで大嘘付いた卑怯者・高橋洋一。本当にこいつは百害あって一利なし。こんなのを政権のブレーンにしていた自民党の低知能さもますます浮き彫りになる。

安倍晋三という男は死んでも今もなお害悪をまき散らし続けていますが、安倍晋三のまき散らした害悪の一つに「悪夢の民主党政権」デマがあります。


首相ともあろうものが公の場で「悪夢の民主党政権」などと繰り返した結果、安倍信者の脳みその中では「気に食わないことは民主党政権のせいにすればいい」という暗黙の了解ができてしまったように思います。そんなデマの一つが「民主党が外国人でも国民健康保険に3カ月で入れるようにした」というものがあります。
>>悪夢の民主党時代に
>>3ヶ月いれば国民健康保険に入れるとか
>>とち狂った政策を通してしまっているので
>>まだまだ改善は必要ですよね。
>>加入資格取得までの滞在期間を
>>1年以上から3ケ月に短縮して
>>外国人に便宜を図ったのは
>>平成24年当時の民主党政権だということは間違いない。


さらに調べてみると、あの大物知能欠落デマゴーグ・高橋洋一がデマ新聞『夕刊フジ』の中で同様の主張をしていました。
 こうしてみると、世界に誇れる日本の皆保険制度に、わずか3カ月の在留資格で加入できるというのは、外国人への義務付けというより「特権」といえるものではないか。
 実際、この仕組みを悪用する例が後を絶たない。これを現場レベルで取り締まるのは困難だ。悪用例が目立ち始めたのは、12年の民主党政権時代からである
今回はこのデマについて見ていきます。


民主党が導入した「医療滞在ビザ」は保険対象外で100%自己負担


なんでこいつら外国人が日本で「医療費タダ乗り」しているとか妄想してるんですかね? どうやら調べてみると民主党政権時代に「医療滞在ビザ」という制度が導入されたことが元のようですが、医療滞在ビザで入国しても医療費は保険適応されず全額自己負担です。

特定活動ビザ「医療滞在」では、在留中の費用の支払能力があることも必要です。在留中の費用には、滞在費や医療費などが含まれます。

特定活動ビザ「医療滞在」では、国民健康保険への加入ができません。そのため、医療費が全額自己負担となり、日本人が医療行為を受けるのに比べて、負担が大きくなります。よって、医療費を含む在留中の費用に対する支払能力があることが必須なのです。
外国人ビザ&在留資格申請センター

だから医療ツーリズムで日本に来ても費用が安くなったりタダ乗りしたりなんかできないんですが、どうも伝言ゲーム的に「悪夢の民主党政権」のせいってことにされてみたいですね。


「民主党が外国人でも3カ月で保険加入できるようにした」も嘘。実際には麻生政権


まず、国民健康保険を外国人が利用できるようになったのは1986年の中曽根政権時代です。

我が国では,難民の地位に関する条約及び議定書への加入(昭和57年1月我が国について発効)に伴って,国民年金,児童手当等の国籍要件が撤廃され、さらに61年4月から国民健康保険が全ての在日外国人に適用されることによって、我が国の社会保障制度は在日外国人にも平等に適用されることとなった。
厚生労働省HP

まあ、そりゃ日本で働いてるのに保険がないから病院行きませんってなるより、普通に保険料払ってもらって病院に行ってもらった方がいいわな。


さらに、保険加入の必要滞在期間が3カ月に短縮されたのは2009年7月の麻生政権です。


国民健康保険法は「都道府県の区域内に住所を有する者は、当該都道府県が当該都道府県内の市町村とともに行う国民健康保険の被保険者とする」と定めています。そして改正住民基本台帳法では「適法に3カ月を超えて在留し、住所を有する外国人」を「外国人住民」としています。

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総務省HPより

これにより外国人の国民保険加入要件が「1年以上」の滞在から「3カ月以上」の滞在になったのです。


この法律が成立したのは2009年7月です。施行が3年後の12年7月だったので民主党政権時代になってしまっていますが、民主党がこの法律を作ったわけではありません。


「外国人のせいで医療圧迫」も「悪用例が後を絶たない」も大嘘


デマゴーグ高橋洋一は、外国人が滞在3カ月で国民健康保険に加入できることを「特権」だと言い、「この仕組みを悪用する例が後を絶たない」とか言っていますが、具体的にどんな悪用例がどのくらいあるのか、一言も言及していません。この辺も相変わらず実に卑怯者。


厚労省HPによれば、国民健康保険における外国人被保険者数は令和2年で2648万人中91万人。全体の3.4%です。

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これの274ページ

費用で言うと、総医療費約9兆円に対し、外国人は1144億円で、全体の1.27%です。

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これの275ページ

80万円を超える高額な医療は、総医療費2兆3000億円に対し、外国人は266億円で、全体の1.15%です。

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国民健康保険の場合、日本人は大半が高齢者な一方、外国人は大半が若者なので医療費が少なくなるのは当然ではありますが、国民健康保険の負担に対する外国人の割合は決して大きくないのです。あたかも外国人のせいで保険が逼迫しているかのような認識は間違いです。


さらに、厚労省は2017年3月に「身分や活動目的を偽って、あたかも在留資格のいずれかに該当するかのごとく偽装して不正に日本に在留し、国民健康保険に加入して高額な医療サービスを受ける在留外国人」の調査を行ったところ「その蓋然性があると考えられる事例は、ほぼ確認されなかった」としています。(厚生労働省保険局国民健康保険課発表


さらに「特定非営利活動法人 移住者と連帯するネットワーク(移住連)」が2017年の省庁交渉で得た厚生労働省の資料によれば、2017年11から18年10月にかけて、「『不正な在留資格による給付である可能性が残るもの』はわずか2名(他に出国により確認できなかったものが5名)しか確認されていなかった」とのこと。


つまり、高橋洋一が妄想しているような、「国民健康保険を悪用する例」などほとんど存在していないのです。いったい高橋洋一は何を根拠に「悪用する例が後を絶たない」などと言っているのか教えてほしいですが、このデマゴーグは「民主党政権がやった」という思い込みの元、「民主党政権だから悪いことになっているはず」「悪用例が後を絶たない状況のはずだ」という妄想を書きなぐったのでしょう。以前も「民主党政権で自殺者が増加した」とか大嘘はいていましたからね。(実際には民主党政権下でも自殺者は減り続けていた)


この手の嘘つきの「悪夢ノ民主党政権ノセイダー」には心底うんざりです。この手の連中の「民主党政権のせい」だという主張で、事実だったものを見たことがない。むしろ、「悪夢の民主党政権」なんて公の場で言い続けて、このようなデマがまき散らかされる土壌を作った安倍晋三という男の存在の方が、日本の民主主義にとってどれだけ悪夢だったことでしょうか。


なお、高橋洋一という男がどれだけ平然と嘘を吐く恥知らずの卑怯者かは、以前この男が吐いてきた主なデマをまとめてみましたので、そちらをご覧ください。



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